カラダのお悩み

新しい猫背矯正の教科書

こんにちわ

猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」代表の小林俊夫です

 一般的に「猫背」というと、背中が丸まっているというイメージを持ち、背中が丸まっているから、猫背矯正の為には、「背筋を鍛えて反らせなければ!」と思っている方が多くいらっしゃいます

 猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」には、今まで「猫背」でお悩みの方が3000名以上もお越しになっており、最初にそうした猫背で悩んでいるお客様に対して、姿勢分析器も用いて姿勢の評価を行いますが、じつはほとんどの方が「背中が丸まっている」のではなく、背中が反っているんですね

 その為、猫背を矯正しようと思った場合、背中をちゃんと丸められる様になることが大切なんです

 そうお話をすると、多くの方が驚かれますが、実際に起こっている事と、巷で囁かれていることでは、異なる場合が多く見られますよね

 例えば「深呼吸」なども、身体に良いと思われがちですが、じつは現代人は息を吸い過ぎて酸素が過剰になり、二酸化炭素が不足をしている傾向にありますので、「息を吸う」ことよりも、「息を吐く」ことの方が重要だったりします

 少し話が逸れましたが、「新しい猫背矯正の教科書」ということで、猫背の本質について掘り下げていきたいと思います

猫背や猫背矯正の誤解

まず、一般的に考えられている「猫背」や「猫背矯正」についてですが、以下の様に考えていたりしていませんか?

  • 背中(胸椎)の部分が過剰に丸まっている
  • 背筋を鍛えると猫背が改善する
  • 大胸筋などの胸の筋肉をストレッチすると良い
  • 姿勢を良くする為には、日頃から姿勢を意識する事が大切
  • 猫背矯正ウェアなどを身に付けて、胸を開くと改善する

 

これらは誤解であり、効果的な猫背改善の方法では無いんですね

 

本当の猫背とは

 

まず、実際に起こっている猫背についてですが、足に対して骨盤が前方にスライドし、骨盤の前へ傾きが大きくなり、腰の反りが強くなり、本来丸まっている胸の背骨は真っ直ぐになり、肋骨は外旋と言って前にせり出し、首(頸椎)と胸の背骨(胸椎)の境目だけが過剰に丸まり、頭が前に突き出ている状態です

 頸椎と胸椎の境目が過剰に丸まっている為、パッと見ると背中が丸まっている印象を受けるのですが、実際の胸椎は真っ直ぐになってしまっています

 これは、「脳」と「身体」が「過剰な緊張状態」であり、自分の身体がどうなっているのか?どこにあるのか?を見失っている様な状態なんですね

 

姿勢は脳や脊髄で無意識に制御されている

そもそも「姿勢の制御」ということを考えていくと、私達はビルなどの建物の様に身体を固めて立っている訳では無く、身体中に存在する「感覚器」と呼ばれるセンサーから、「脊髄」や「脳」に情報が送られ、その情報をもとに自分の身体がどうなっているのか?どこにあるのか?を無意識に把握し、姿勢を保っています

 また、多くの方が改善したいと思っている、日常生活における姿勢というのは、「脳幹(中脳、橋、延髄)」や「脊髄」と呼ばれる部分を中心に、「反射」などによって「不随意的」&「無意識」に制御されているものであり、意識をして姿勢を保っている訳ではないんですね

 

橋

その為、「〇〇筋を鍛えて姿勢を良くしよう!」とか、「日頃から胸を張る意識を持って」とか、「頭が天井に引っ張られる様に意識をしましょう」と言った所で、あまり効果的では無いんです

 

現代人は迷子?過剰な緊張状態?

それではなぜ?現代人は過剰な緊張状態になり、いわゆる「猫背」な姿勢になるのでしょうか?

日常の活動レベルの低下、運動量の低下により、身体のセンサーが働く機会が減少している

身体のセンサーが働く機会が少ないことで、自分の身体がどこにあり、どの様になっているかを脳は理解出来ない&身体のセンサーからの情報が少ないことで、脳が不活性な状態になる

スマートホンを始めとするデジタルデバイスの過剰な使用により、脳の血流量が低下&自律神経のコントロールが上手く出来なくなる

 日頃のストレスと身体が迷子の状態により過剰な緊張状態+デジタルデバイスの過剰使用による脳の血流量&機能低下により猫背が生み出される

 脳が緊張状態&迷子の状態になると、交感神経が優位となり、身体は伸展モードに入り、骨盤が前傾、背骨が反り、肋骨が前にせり出します(肋骨の外旋)

 更には、スマートホンを見ようとして頭を前に突き出すと共に、脳の機能が低下をすることで、大胸筋などを始めとする胸の筋肉が過剰に緊張し、いわゆる巻き肩になります

 その為、「猫背」を矯正する為には、「脳」や「感覚器」をはじめとする「神経系」へのアプローチが大切になります

猫背になるとコアが安定しない&呼吸が正しく出来なくなる

猫背というのは、見た目だけの問題では無く、じつは呼吸やコアの安定性にも大きな影響を与えます

 呼吸で最も大切なのは、「横隔膜(おうかくまく)」という筋肉なのですが、ここが上手く機能をしなくなってしまいます

 横隔膜を横から見ると、ドーム状になっており、そのドームの高さを「ZOA」なんて言ったりしますが、猫背になり、肋骨が外旋と言って前に突き出した状態では、この「ZOA」が失われてしまう為、本来の呼吸が行えなくなってしまうのです

 

更には、コアと呼ばれる部分は、この「横隔膜」と「腹横筋(ふくおうきん)」と「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」と「多裂筋(たれつきん)」という4つの筋肉で構成されているのですが、猫背の状態はこの4つの筋肉の全てが、上手く機能しにくい状態になる為、コアの安定性も失われてしまいます

まさに100害あって1利無しです

猫背を矯正する2つのステップ

いきなり「脳」や「感覚器」へアプローチと言われても、なかなか分かりにくいと思いますが、具体的なステップとエクササイズのやり方をご案内させて頂きますので、ご安心ください。

 猫背を矯正する為には以下の2つのステップが重要です

  1. 身体を反らせるスイッチを切る
  2. 身体を丸めるスイッチを入れる

 

身体を反らせるスイッチを切る

 

 そして、身体を反らせるスイッチを切る為には以下の3つがポイントです

  1. ももの前側の筋肉を緩める&背中の筋肉を緩める
  2. 運動したり、新しい場所でお散歩したり、新たなことをするなど脳を活性化する
  3. フェイシャルヨガやあいうべ体操など舌を動かす

 

 ①に関しては、身体を反らす筋肉である、広背筋、脊柱起立筋や股関節屈曲筋群と呼ばれる、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋などに働きかけます

 筋肉へのアプローチを通して、脳をはじめとする神経系にアプローチをしていきます

 ②に関しては、少し専門的になってしまいますが、「大脳皮質」と呼ばれる脳みそのシワシワがある所が活性化することで、「脳幹」という脳の深層にある部分も活性化します。そうすることで、巻き肩をつくる筋肉を抑制したり、脳の緊張状態を緩和します

 その為には、運動を通して身体に存在するたくさんのセンサーを働かせたり、日頃行ったことない場所に行ってみたり、日頃読書をしない方は本を読んでみたりすると、脳が活性化します

 ③に関しては、更に専門的になってしまいますが、舌を動かすことで、「舌咽神経」や「舌下神経」と呼ばれる舌に関わる神経が活性化し、その神経が「脳幹」の「延髄」という場所に繋がっており、この「延髄」が活性化をすることで、身体を反らせるモードを抑制してくれます

 そして、「身体の反らすスイッチを切るエクササイズ」として、以下のエクササイズを行ってみてください

 

身体を反るスイッチを切るエクササイズ

 

バタフライ

 骨盤を過剰に前傾し、背骨を反らし、肋骨を前に突き出させる、股関節屈曲筋群、広背筋、脊柱起立筋と呼ばれる筋肉を抑制するのに効果的です

https://imok-academy.com/butterfly/

 

フォーススタンスストレッチ

広背筋や脊柱起立筋を緩めるのに効果的

https://imok-academy.com/exercise-four-stance-stretch/

 

ローオブリークサイドリーチ

ももの前側の筋肉(大腿直筋や大腿筋膜張筋など)と広背筋、脊柱起立筋を緩めるのに効果的

https://imok-academy.com/low-oblique-side-reach/

 

身体を丸めるスイッチを入れる

身体を反らせるスイッチを切った後は、身体を丸めるスイッチを入れることが重要です

 身体を丸めるとは、骨盤を後ろに方向け(骨盤の後傾)、背骨を丸め(脊柱の屈曲)、前に突き出した肋骨を閉じる(肋骨の内旋)ことです

 そして、身体を丸めるスイッチを入れる為には、特に以下の筋肉に刺激を入れると効果的です。

 これは筋肉を鍛えて、筋肉によって身体を固めて姿勢を良くする訳ではなく、筋肉にもセンサーが埋め込まれており、筋肉を刺激することでセンサーを働かせ、脳や神経にアプローチをすることや骨格を本来のポジションに戻していくことが狙いになります

その為の方法として、以下のエクササイズが効果的です

90-90ヒップリフト

ももの裏側の筋肉を刺激することで、骨盤を本来のポジションに戻します

https://imok-academy.com/90-90hip-lift/

90-90カールアップ

ももの裏側や内もも、お腹の筋肉を刺激することで、骨盤を本来のポジションに戻すと共に、背骨を丸め、肋骨を内旋させます

https://imok-academy.com/90−90curl-up/

きゃっとばっく

お腹の筋肉や肩甲骨周りの筋肉を刺激することで、骨盤を本来のポジションに戻すと共に、背骨を丸め、肋骨を内旋させます

https://imok-academy.com/catback-exercise/

 ステップ1のエクササイズを3つ→ステップ2のエクササイズを3つ、毎日行って頂く事で、猫背が改善をしていきます

 更には、ステップ1と2のエクササイズを行い、身体の状態が整った後で、お散歩をして頂けると、更に脳が活性化をしますので、より効果的です。

 あとは、デスクワークの最中は1時間に1回は立ち上がって伸びをしたり、旅行に行ってお散歩をしたり、日頃から移動の際は階段を使うなど、身体を動かす習慣を意識したり、趣味でゴルフやテニス、草野球やフットサルなど、スポーツを行ってみたりするのも、身体のセンサーが活性化し、脳も活性化するので姿勢の改善におススメです

猫背矯正に関するまとめ

  1.  猫背は、骨盤が過剰に前傾し、背骨の反りが強くなり、肋骨が前に突き出し、頭が前に突き出している状態
  2.  猫背は、運動や活動量の不足、スマホをはじめとしたデジタルデバイスの過剰な使用、日常のストレスや自分の身体がどうなっているか分からず迷子な状態の為、脳の機能低下&過剰な緊張状態によって起こる
  3. 猫背を矯正するのに、背筋を鍛えたり、日頃から姿勢を意識することは効果的では無い
  4. 猫背を矯正する為には、運動などを通して身体のセンサーを働かせ、脳を活性化することが大切
  5. 猫背を矯正する為には、①身体を反らせるスイッチを切り、②身体を丸めるスイッチを入れることが大切

 

猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」

代表小林俊夫

[avatar user=”imok” /]