カラダのお悩み

姿勢と胸郭出口症候群

こんにちは。

imok株式会社で活動している理学療法士の中北です。

本日は「姿勢と胸郭出口症候群」の関係についてお話いたします。

胸郭出口症候群とは

上肢の痺れの原因は、脳由来・脊髄由来・末梢神経由来など様々な可能性があります。

その中でも、胸郭部分で神経や血管が圧迫されることで痺れや痛み、筋力低下が生じる疾患のことを”胸郭出口症候群”と言います。

胸郭とは

胸郭とは「胸椎」「肋骨」「鎖骨」「胸骨」によって構成されている胸の部分のことで、以下のような役割があります。

・心臓や肺などの臓器の保護

・呼吸運動

・頭や首の筋肉などの土台

もう少し詳しく胸郭出口症候群をご説明すると、上肢や肩甲骨周囲の運動や感覚を支配している”腕神経叢”という神経の束が、通り道の途中で筋肉や骨に圧迫されることで生じる、神経障害や血流障害のことで、以下のような症状があります。

・上肢の痺れ

・上肢や肩甲骨周囲の痛み

・上肢の筋力低下

・手指の巧緻性低下

などの症状が現れます。

これらの症状は、神経や血管が通り道の途中で絞扼されるために生じます。そして、通り道には複数の絞扼されやすいポイントがあります。

①のトンネルでは首の筋肉によって絞扼されます。長時間のデスクワークや呼吸パターンの乱れなどによって、首の筋肉の緊張が高まっていると絞扼されやすくなります。

②のトンネルでは肋骨と鎖骨によって絞扼されます。上背部の筋力が低下するなどして、なで肩になると絞扼されやすくなります。

③のトンネルでは胸の筋肉によって絞扼されます。猫背姿勢などによって、胸の前側の筋肉の緊張が高まっていると絞扼されやすくなります。

なお、筋肉の発達の度合いや骨の形状には個体差があり、それらが胸郭出口症候群の一因となることもあります。

つまり、胸郭出口症候群の多くは「首の筋肉の過緊張」「鎖骨や肋骨のアライメント不良」「胸の筋肉の過緊張」によって生じるわけです。そして、これらは姿勢の崩れが大きく影響を及ぼします。

姿勢と胸郭出口症候群の関係

胸郭には胸の筋肉や首・頭を支える筋肉が多く付着しています。

また、皆さんご存じの”肩甲骨”は胸郭の上にくっついているような構造をしており、この肩甲骨からも胸の筋肉や首・頭を支える筋肉が多く付着しています。

つまり、姿勢が崩れて胸郭の位置も崩れると、胸の筋肉や首・頭を支える筋肉は必要以上に緊張しやすくなります。

その状態が長く続くことで、①に関わる首の筋肉や、③に関わる胸の筋肉の過緊張はもちろんですが、②に関わる鎖骨や肋骨の配列も崩れてしまいます。なぜなら、鎖骨や肋骨にも胸・首の筋肉が多く付着しているからです。

そのため、胸郭出口症候群の改善には”姿勢の改善”がとても重要になります。

胸郭の姿勢チェック

細かくチェックする方法もありますが、ここでは鏡を見ながらご自身で簡単に行えるチェック方法をご紹介いたします。

①左右の肩の高さ

必ず左右差はありますが、左右差が大きくないかをチェックしましょう。

②鎖骨のライン

通常、鎖骨のラインは真横一直線ではなく少し外側が高くなっています。

鎖骨の内側よりも、鎖骨の外側が指1本分高くなっていればOKです。

③骨盤と肩の位置

横から見た時に骨盤の真上に肩があればOKです。

肩が前に出ているケースだけでなく、良い姿勢をとろうとして胸を張り過ぎて、肩が骨盤よりも後ろケースも多く見られますので、チェックしてみましょう。

いかがでしたか?

より詳細に姿勢をチェックしたい、姿勢を良くしたいという方は専門家の方に見てもらってください。

弊社でも猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」を運営しておりますので、ご興味がある方はお気軽にご相談ください。

https://catback4h.com/

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

imok株式会社

中北貴之