機能解剖学&運動生理学

膝関節の機能解剖③~膝蓋骨~

こんにちは。

imok株式会社の中北貴之です。

膝関節は大腿骨・脛骨・膝蓋骨から構成されます。

今日はその中の一つ、膝蓋骨に注目してみましょう!

膝蓋骨の役割

突然ですが、クイズです!

ちゃ~らん♪

人体最大の種子骨は何でしょうか?

正解は~

・・・

・・・

膝蓋骨です!

というか、この流れで膝蓋骨以外はないですね(笑)

膝蓋骨は人体最大の種子骨であり、膝関節の機能においても重要な骨です。

膝蓋骨の役割

①膝関節屈曲及び伸展機能の増大

②大腿四頭筋を一つにまとめ、膝蓋靭帯へ効率良く力を伝達する

③膝関節の保護

膝蓋骨は筋力発揮の効率を高めるために重要な役割を担っているのですね。

それでは、ここでクイズ第2問!

ちゃ~らん♪

人体で最も厚いとされるのは、どこの軟骨でしょうか?

正解は~

・・・

・・・

膝蓋骨の軟骨です!

やはりこの流れで膝蓋骨の軟骨以外はないですね(笑)

そうなんです。大腿四頭筋という強力な筋の力を伝達する役割を担う膝蓋骨の軟骨は、最も厚みがあると言われています。

そして、日常生活においても膝蓋大腿関節には負担が掛かりやすいですからね。

実際、どの程度の負担が掛かっているのかを、数字で見てみましょう。

膝蓋大腿関節への負担

日常生活動作における膝関節への負担は、リサーチにより多少のばらつきはありますが、下記のように報告されています。

膝蓋大腿関節への負担(体重比)

・自転車  :0.5倍

・歩行   :0.5倍

・階段昇段 :3.3倍

・階段降段 :5倍

・ジョギング:7倍

・スクワット:7倍

気をつけて頂きたいのが、「膝蓋大腿関節」のデータということです。

せっかくなので「脛骨大腿関節」のデータも確認していきましょう。

脛骨大腿関節への負担(体重比)

・自転車  :0.5倍

・歩行   :3倍

・階段昇段 :3.8倍

・階段降段 :4.3倍

・ジョギング:4倍

・スクワット:5倍

どちらの関節おいても、階段は昇段よりも降段の方が負担が大きいですね。

皆様の周りでも、「階段の昇りは大丈夫なんだけど、降りがね~」なんてお話をしている方がいらっしゃいませんか?

また、膝痛予防のためにスクワットをしていますというお話もよく聞きますが、関節は消耗品ということを考えると、やり過ぎは注意ですね。

※決してスクワットを否定しているわけではございませんので、悪しからず!

膝蓋骨の可動性

続いて、膝蓋骨の可動性を確認していきましょう。

一般の方に「膝のお皿って動くんですよ~」とお話すると、

ギョギョギョっ!

と驚かれることが多々ありますが、膝蓋骨は動きます。

さっそく膝蓋骨の動きの目安をみていきましょう。

①上下の動き

完全伸展位から完全屈曲位までに、8mm~10mm移動。

②左右の動き

完全伸展位において、8mm~20mm移動。

③回旋の動き

完全伸展位から屈曲130度までに平均6.2度外旋。

④傾斜の動き

膝完全伸展位から屈曲115度までに平均11.4度内側に傾斜。

一般的には上記のように膝蓋骨は動くとされています。

ん~細かいですね(笑)

臨床で正確に「何度回旋した」とか「何度移動した」ということを評価することは困難ですが、大切なのは膝関節周囲の外側の組織が硬くなると膝蓋骨の外旋や内側傾斜が制限され、膝関節の屈曲・伸展は制限されるということです。

膝蓋骨の可動性の評価方法はいくつかありますが、完全伸展位で適切な可動性を有しているかは重要な評価の一つです。

なぜ完全伸展位かというと、最も膝蓋骨が動きやすい位置だからです。

膝蓋骨は屈曲位では大腿骨の顆間溝に収まり、周囲組織の緊張も高まるために可動性が低下します。

一方で、完全伸展位では膝蓋骨は顆間溝から浮き上がるために最も可動しやすくなります。

そのため、最も動きやすい完全伸展位において、そもそも膝蓋骨の可動性があるかは大切であると考えています。

膝蓋骨の可動性を制限する因子

膝蓋骨の動きを制限する因子は何か?

基本的には膝蓋骨に付着する組織全てが制限因子になり得るため、たくさんあり過ぎますね(笑)

ということで、全てをご紹介することは出来ませんが、膝蓋骨の可動性に影響の大きい組織の一つである”腸脛靭帯”に対するアプローチをご紹介します。

教科書的には、腸脛靭帯は脛骨のガーディー結節(Gerdy結節)に付着するとされています。

そして、より細かく見ていくと腸脛靭帯は膝蓋骨にも付着しています。

腸脛靭帯遠位部の線維

・表層 :膝蓋骨表層と膝蓋骨外側に付着

・中間層:ガーディー結節前方に付着

・深層 :ガーディー結節後方とその周囲に付着

上記のように腸脛靭帯は膝蓋骨にも付着するため、腸脛靭帯の緊張を適正化することは膝関節の機能改善にとても大切です。

腸脛靭帯のリリース

今回は”外側大腿筋間中隔”から腸脛靭帯の緊張を弛めるアプローチをご紹介します。

”外側大腿筋間中隔”とは、腸脛靭帯が大腿骨に向かって伸びていく線維で、大腿二頭筋と外側広筋を隔てている線維のことです。

プロメテウス解剖学アトラスから引用改変

外側大腿筋間中隔は、大腿二頭筋という膝関節屈曲筋と、外側広筋という膝関節伸展筋という相反する作用を持つ筋の境目ですので、ここが硬くなると腸脛靭帯の緊張が亢進するだけでなく、それぞれの筋の滑走性も低下しますので重要なターゲットですね。

外側大腿筋間中隔のリリース(左側の場合)

①クライアントは仰向けになり、左下肢を股関節軽度外転・膝関節屈曲位にします。

②可能であれば、クライアントの足部を臀部で押さえて下肢の緊張を弛めた状態にしましょう。

③右手は母指で外側大腿筋間中隔を触り、外側広筋を包むように把持します。

④左手は母指で外側大腿筋間中隔を触り、大腿二頭筋を包むように把持します。

⑤両母指で外側大腿筋間中隔を押圧しながら、大腿骨を「外旋⇔戻す」を繰り返します。

⑥少しずつ遠位から近位へとポイントを変えながら同様に行いましょう。

 

ちなみに、腸脛靭帯近位部の表層線維は大腿筋膜張筋と大殿筋表層由来の腱膜からなります。

よく膝関節の機能改善には股関節も大切!なんて言われますが、こういった解剖学一つを考えても股関節からの影響は大きそうですね。

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本日は膝蓋骨をテーマにお話いたしました。膝蓋骨の動きは膝関節の屈曲・伸展が適切に行われるために重要ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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中北貴之

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中北貴之
中北貴之
理学療法士/健康経営アドバイザー/imok Technical Director/大手フィットネスクラブにて活動後、痛みを抱えているお客様をサポート出来る様になりたいと、理学療法士の学校へ進学。卒業後は理学療法士として整形外科クリニックへ勤務。理学療法士として活動をしながら、トレーニングやコンディショニングの学びを続け、2018年4月よりimok株式会社へ参画。治療からコンディショニング、パフォーマンスアップまでを行えるコンディショニングコーチとして、パーソナルトレーニング指導や専門家向けのセミナー講師として幅広く活動中。