カラダのコンディショニングエクササイズ

猫背の原因と治し方、効果的な矯正エクササイズ

こんにちわ。

トレーナーの小林俊夫です

「猫背」というと丸まった背中をイメージし、姿勢を矯正をする為には、背中を反らせて、背筋を鍛える様なエクササイズを行えば良いと考えている方が多くいらっしゃるかと思います

しかし、現代人の猫背の特徴としては、スマートフォンやパソコンのモニターなどを見ようと、頭を前に突き出すことが多い為、首の付け根の部分だけが過剰に丸まり、あとは逆に本来の丸みを失い、過剰に背骨が反っていたり、「ストレートネック」などの言葉に代表される様に、真っ直ぐになっている場合がほとんどです

 そして、背骨が反った状態になると、背骨と繋がる肋骨や骨盤の位置などもずれる為、カラダの中心部分が大きく崩れ、「見た目」が悪いだけではなく、「肩こり」や「腰痛」などをはじめ、痛みなどを引き起こすことも考えられます

まさに「猫背は百害あって一利なし」

なぜ猫背になるのか?といった根本の原因を理解すると共に、理想的な矯正法を学び、1日も早くキレイな姿勢を手に入れていきましょう!

姿勢の矯正には脳の活性化が重要⁉

私達の姿勢がどの様にコントロールされているのか?という根本を考えていく、「脳」や「脊髄」によって「姿勢」や「動き」がコントロールをされている為、脳を活性化したり、発達をするということは、「キレイな姿勢」を創る上でとても重要です

その為、「猫背を矯正したキレイな姿勢創り」 ≒ 「脳の機能向上&発達」といっても過言では無いくらいに、「脳へのアプローチ」が大切になります

そこで「脳を発達させる為には何が必要か?」というと、以下の3つになります

  1. 「酸素」
  2. 「栄養」
  3. 「適切な感覚刺激」

 

「酸素」と「栄養」は感覚的に理解出来るかと思いますが、「適切な感覚刺激とは何か?」というと、身体中に存在する「感覚器(かんかくき)」と呼ばれるセンサーが働き、そのセンサーから脊髄や脳へ送られてくる情報が「感覚刺激(かんかくしげき)」になります

「視覚」や「嗅覚」、「聴覚」などの「五感」をはじめ、私達の「筋肉」や「関節」、「皮膚」などにはセンサーが多数存在しており、身体を動かすことでそうしたセンサーが働き、脳にたくさんの情報である「感覚刺激」が送られます

それによって私達の脳は発達し、「キレイな姿勢」を自然と維持出来る様になったり、身体を上手くコントロールすることが出来る様になったりします

その為、日常の活動量を増やしたり、意識的にピラティスやヨガなど、全身を動かす様な運動を通して、身体を動かす機会を増やすことが、姿勢矯正においては重要です

現代人のライフスタイルと猫背の原因

少し話は変わりますが、昔は、東京から大阪へ行こうとすると、箱根の関所などを超えて、東海道をはじめとするデコボコ道をひたすら歩いた訳です

そうすると、足の裏のセンサーはデコボコ道によって刺激をされたり、たくさん歩くことで、関節や筋肉のセンサーも多く刺激されました。更に言えば視覚からの情報や耳の奥にある傾きセンサーである「三半規管」や加速度センサーである「耳石器」なども刺激をされます

しかし、機械やインターネットなどのテクノロジーが発達をした現代の生活では、移動は車や電車などが中心となり、仕事も肉体労働からデスクワークへと変化をしたことで、日常の活動量が大きく減少し、それに伴い、「感覚刺激」が脳へインプットされる量も減り、脳が理想的な発達をしなかったり、機能の低下を起こしています

少し専門的なお話になりますが、私達はセンサーから送られてくる多くの情報によって、無意識に自分達の身体が現在どうなっているのかを理解しています

そして、現在自分のいる場所や状況に合わせて、最適だと考えられる姿勢を無意識にとっています

日常の活動量や運動量が減少し、「感覚刺激」の脳へのインプットが減ると、脳は「自分の身体がどうなっているのか?」を理解する事が出来なくなり、現在の状態を「危険だ!」と判断をして、「闘うor逃げる」に関わる「交感神経(こうかんしんけい)」と呼ばれるモードをスイッチONにします

この状態になると、骨盤は「前傾」といって反り腰の状態になり、更には本来丸みがあるはずの「胸椎(きょうつい)」と呼ばれる胸の背骨が反らせる姿勢になります

更には、「感覚刺激」の減少は、脳の機能低下を引き起こし、脳の機能が低下をすると、胸周りの筋肉の緊張を強くする為、肩が前に引っ張られて、いわゆる「巻き肩」となり、現代人の猫背が出来上がります

緊張モード + 脳の機能低下 ≒ 猫背

 

自分で出来る簡単チェック法

自分では気が付いていないだけで、じつは猫背になっている方も、多くいらっしゃいます。

そこで、今回は自宅でも簡単に出来る猫背のチェック法についてご紹介いたします。

壁に踵を付けて楽に立ち、その際に壁にどの部分が当たっているのかを確認してみましょう!

理想は、①踵、②お尻、③背中、④後頭部が壁に付いており、腰の部分が掌1枚程度の隙間があるのが理想です。

しかし、現代人に多く見られる猫背になっている方は、お尻と頭が壁から離れていたり、腰だけでは無く、肩甲骨辺りまで、背中が壁から離れている場合が多く見られます。

無理に壁に頭を付けようとしたりすることなく、自然と踵を付けて立った時の状態をチェックしてみてください。

※日頃からトレーニングをしていて、お尻の筋肉に厚みがある方や体脂肪率が25%などを超える場合、体脂肪の影響で正確に測定をすることは出来ませんが、一般的な体型の方であれば、簡易的なチェック法として、活用をすることが出来ると考えられます。

猫背のデメリットとは

猫背になると、具体的にどの様なデメリットが考えられるのでしょうか?

1、見た目が悪くなる

2、肩こりや首コリを引き起こす

頭が前に出て、首の付け根が過剰に丸まると、頭はスイカ1個分(約5~6㎏)程度の重さがある為、頭が前に出ることで首コリや肩こりの原因になります

3、浅い呼吸や腕の痺れなどを引き起こす

→背骨や肋骨に、呼吸において最も大切な「横隔膜(おうかくまく)」という筋肉が付着をしている為、背骨が反り、肋骨が前に突き出すことで、「横隔膜」が上手く機能しなくなり、浅い呼吸になったり、横隔膜の代わりに首や肩回りの筋肉を使って呼吸を行う様になる為、「肩こり」を引き起こしたり、腕に繋がる神経が首周りで圧迫をされて、電車で吊り革などに掴まっている時に、腕が痺れたり、力が入りにくかったりすることも考えられます

4、ポッコリお腹や尿漏れ、腰痛などの原因になる

→骨盤の傾きが過剰になることで、いわゆる「コア」が働きにくくなる為、ポッコリお腹や腰痛などの原因になりやすくなります

更には、骨盤の底で腸などの内臓を支えたり、尿道などを圧迫したりしている骨盤底筋群と呼ばれる筋肉なども機能低下を起こす為、「尿漏れ」などの原因になることも考えられます

5、肩や股関節の不具合や痛みを引き起こす

→猫背になることで骨盤が過剰に前に傾いたり、巻き肩になるということは、股関節や肩関節などが本来の位置からズレることを表しますので、それによって股関節や肩関節の動きが悪くなったり、インピジメントといって、肩や股関節を動かす際に、関節の周りを包んでくれている袋や腱などを挟みこんでしまって痛みに繋がることなどが考えられます

 

6、免疫力の低下&歯周病や虫歯の起こしやすくなる

→交感神経が優位な状態では、唾液の分泌が減少します。更には頭が前に出る事で「口呼吸」を引き起こしやすくなり、唾液には消毒&殺菌効果がありますが、唾液の分量が減る+口呼吸で口の中が乾燥をすることで、口の中で雑菌が繁殖しやすくなります

7、胃酸の分泌減少に伴い、たんぱく質を上手く吸収出来なくなる

→交感神経が優位な状態では、胃酸の分泌量も減少します。胃酸によってたんぱく質を分解して小腸で吸収をしていますが、胃酸の分泌が少ない事で、しっかりとお肉やお魚を摂っても、たんぱく質を上手く吸収することが出来ず、小腸で吸収されなかったたんぱく質は大腸で悪玉菌の餌になる為、オナラが臭くなったり、腸内環境の悪化にも繋がります

8、睡眠障害などを引き起こす

→現代人の2割が抱えていると言われる睡眠障害ですが、眠る際に大切なのは「副交感神経」ですが、こちらも交感神経が優位な状態から抜け出せないと、「なかなか寝付けない」といったことや、「夜中に目が覚めてしまう」など、睡眠に大きな影響を与えると考えられます

上記の様に、現代人の猫背は多くのデメリットを引き起こしますので、早い段階で改善をしていく事が大切です

効果的な姿勢の矯正エクササイズ

猫背を改善する為には、運動によって身体中のセンサーを働かせ、「脳の活性化」を行う事が効果的になります

また「運動」といっても色々とありますので、以下の5つポイントを意識すると効果的です

  1. ピラティスやヨガの様に全身を大きく動かす
  2. 股関節や肩関節など、各関節を円を描く様に大きく動かす
  3. はじめは「仰向け」や「うつ伏せ」など、地面に接触している面積が大きい状態での運動
  4. 動きに慣れてきたら、新しい動きを取り入れる
  5. 1種目6回程度として、種目数を多く行う

 

いわゆる「筋力トレーニング」は、筋肉を大きくしたりするのには向いていますが、姿勢が改善をした後に行う方がおススメです

具体的には、以下の様なエクササイズを行ってみて下さいませ

Step1 身体の緊張をとり、背骨が反る状態を改善します

 

バタフライ

背中の筋肉の緊張を和らげ、身体の反りを改善します

https://imok-academy.com/butterfly/

 

ローオブリークサイドリーチ

ももの前から背中の筋肉の緊張を和らげ、骨盤の位置を戻しながら身体の反りを改善します

https://imok-academy.com/low-oblique-side-reach/

 

Step2 本来の骨盤の位置や背骨の丸みを取り戻し、副交感神経にもスイッチが入る様にします

 

90-90ヒップリフト

ももの裏側を筋肉を引き締めながら、骨盤を本来の位置に戻します

両脚で余裕が出てくれば、片脚で行います

https://imok-academy.com/90-90hip-lift/

 

きゃっとばっく

腹筋群や前鋸筋と呼ばれる筋肉を活性化することで、肋骨や肩甲骨の位置を改善します

https://imok-academy.com/catback-exercise/

 

Step3 各関節を大きく動かして関節のセンサーを活性化したり、背骨のコントロール力を高めます

 

ローオブリークツイスト

背骨や肋骨、肩関節の回旋運動を行う事で、柔軟性を高めながらセンサーを活性化します

https://imok-academy.com/low-oblique-twist/

 

シングルレッグヒップリフト

ももの裏側やお尻の筋肉を刺激すると共に、骨盤や背骨1つ1つのコントロール力を高めていきま

https://imok-academy.com/singleleg-hiplift/

 

ストレッチポールも猫背の矯正に効果的

ストレッチポールを家にお持ちの方は、お風呂上りなどにポールに寝て深呼吸をしたりするだけでも効果的です

ストレッチポールを使った猫背の改善エクササイズは、こちらのサイトがおススメです

https://catback4h.com/content/stretchpole

※骨粗鬆症をお持ちの方や背骨を圧迫骨折されている方、妊娠中や使用していて痛みや違和感を感じる方は、使用を控えましょう

まとめ

 

  1. 猫背は日常の運動量や活動量の減少、スマートフォンなどを始めとしたデジタルデバイスの過剰使用による「脳の機能低下」や「脳の不活性」から起こります
  2. 現代人の猫背は背中が丸まっている様に見えて、首の付け根が過剰に丸まり、それ以外は背骨が反ったり、真っ直ぐになっている場合がほとんどです
  3. 見た目の問題だけではなく、肩こりや腰痛などを引き起こす要因になったり、浅い呼吸やむくみ、睡眠障害や歯周病、たんぱく質の消化吸収機能の低下に至るまで、様々な不調に原因になることが考えられます
  4. 自宅で行える簡単なチェック法として、壁に踵を付けて立った際に、自然と踵、お尻、背中、頭部が付くかをチェック
  5. 改善の為には、日頃の活動量や身体を動かす機会を増やすと共に、全身を動かすピラティスやヨガなどのボディワークを行うと効果的です
  6. エクササイズを行う時は、まずは緊張モードを解除して身体が反るのを改善し、次に腹筋やももの裏の筋肉を使って、骨盤の位置を整えながら、丸まれる様にすることで、副交感神経にもスイッチが入る様にしています

 

 猫背を矯正することは、キレイな姿勢が手に入るだけでなく、様々な身体の不調の改善にも繋がりますので、ぜひ出来る事からはじめていきましょう!

 

 より詳しく自分の猫背について知り、効率的に矯正したいという方は、ぜひ猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」へお越しくださいませ。

最後までお読みいただきありがとうございました。