こんにちは。
imok株式会社で活動している、健康経営アドバイザーの中北です。
本日は、自律神経と仕事のパフォーマンスアップについてお話いたします。
自律神経とは
自律神経とは、心拍数・血圧・胃液の分泌・覚醒レベルなど、生きていく為に必要な様々ことに関与している神経系で、自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は簡単に言うと「闘争・逃走モード」になるため、興奮状態になります。
一方で、副交感神経は「摂食・生殖モード」になるため、リラックス状態になります。
どちらのモードが良いとか悪いとかではなく、それぞれのバランスが大切で、活動的なモードになる時には交感神経の活動が優位となる必要があり、リラックスモードになる時には副交感神経の活動が優位になる必要があります。
例えば、朝起きて活動を始めていく時には交感神経の活動が優位となった方が良いですし、食後は摂取した物を消化・吸収しやすいように副交感神経の活動が優位となった方が良いということですね。
また、交感神経と副交感神経は24時間休むことなく働いていますが、代わる代わるどちらかが30%程度優位な状態が続いているといわれています。
自律神経と肩こり・腰痛
このように、自律神経は生きるために必要不可欠な働きをしていますが、仕事のパフォーマンスにも大きく関わっており、2018年に実施された労働損失の原因を調べた研究では、1位が首痛・肩こり、2位が睡眠不足、3位が腰痛という結果でした。
そして、これらの症状は自律神経が深く関わります。
まずは、第1位の首痛・肩こり、第3位の腰痛と自律神経の関係をみていきましょう。
首痛や肩こりは、外部からの刺激を感知する「侵害受容器」というセンサーからの情報を、脳が痛みとして認識するために生じます。
侵害受容器が外部からの刺激を感知して、どのような刺激なのかを脳に伝達しており、ある一定の閾値を超えた刺激が痛みとして感知されるようになっています。
仮に、侵害受容器への刺激量を数値化した場合、ある侵害受容器の痛みの閾値が100だとしましょう。すると、80の刺激では痛みとして感知されませんが、120の刺激は痛みとして感知されます。
ところが、侵害受容器の周りの交感神経細胞が興奮すると侵害受容器の閾値を下げるため、交感神経細胞の興奮によって閾値が70に下がれば、80の刺激でも痛みとして感知するようになってしまい、本来であれば痛みとしては感知されない程度の刺激でも、痛みとして脳に伝わるようになるということです。
こうした状態が続けば、慢性的に首痛や肩こり、腰痛を感じるようになりますので、しっかりと副交感神経の働きが優位な時間を増やしていくことが大切です。
自律神経と睡眠
続いては、自律神経と睡眠の関係についてみていきましょう。
睡眠のサイクルには、浅い眠りの状態の「レム睡眠」と、深い眠りの状態の「ノンレム睡眠」があります。
ちなみに、レム睡眠のレムとは急速眼球運動(Rapid Eye Movement)のことで、眼を閉じていても急速眼球運動が生じていることからレム(REM)睡眠と呼ばれています。一方のノンレム(non-REM)睡眠では急速眼球運動は生じていません。
レム睡眠の状態では、睡眠状態ではあるとはいえ脳は活発に動いており、記憶の整理や定着作業が行われているため眠りも浅い状態ですが、ノンレム睡眠では脳も眠っているため深い眠りの状態になります。
このレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは約90分ごとに繰り返され、明け方に近づくにつれてレム睡眠の時間が長くなって覚醒に向かいます。特に最初の90分のノンレム睡眠タイムは、その日の睡眠の質を高めるうえで重要であるとも言われています。
そして、この睡眠のサイクルに自律神経系が関わってきます。
ノンレム睡眠の時は副交感神経の働きが優位になるため、交感神経の働きが過剰な状態だと眠りは浅くなり、睡眠の質が低下してしまいますので、しっかりと副交感神経の働きを優位な状態にして眠りにつくことが大切です。
すぐに実践できるポイントとしては、
①浴槽に入って身体を温めると、交感神経の働きが優位になるため、浴槽に入る場合は就寝前90分までに済ませる。
②アルコールを分解するために身体は活動状態になるため、アルコールを摂取する際は、適量にとどめて就寝前の3時間までにする。
③息を吐くときに副交感神経の働きが高まるため、ゆっくりと息を吐くような呼吸を繰り返す
などがオススメです。
自律神経のバランスを整えて、仕事のパフォーマンスを高めていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
imok株式会社
中北貴之