こんにちは。
理学療法士の中北貴之です。
本日は「足部の安定化エクササイズ」をご紹介いたします。
足部は立位においては地面と唯一接する部分ですので、足部の安定性は姿勢や動作を安定させるうえでとても大切ですね!
「足関節・足部の機能解剖⑤」では、足関節背屈制限の改善アプローチをご紹介しました。
http://ankle-foot-dorsiflexion-restriction
背屈制限があると足部を外反させて代償しやすくなり、足部不安定性を招くため背屈制限の改善は大切です。しかし、徒手的に弛めるだけでは不十分で、”安定”して動かせるようにする必要があります。
足部の安定化機構
全ての関節に当てはまりますが、関節を安定させるうえでは「動的支持機構」と「静的支持機構」の両方が関わり、動的支持機構というのは筋による安定化機構のことで、静的支持機構というのは骨や靱帯による安定化機構のことです。
なお、足部の動的支持機構では、足底腱膜・足部内在筋(足部に起始停止がある筋)・腓骨筋や後脛骨筋が特に重要です。
足部内在筋の多くは基節骨に停止しますので、そもそもMP関節の関節可動域が適切にあるかどうかが大切です。関節可動域が低下している場合には、まずはストレッチやモビライゼーションなどで適切な可動域を獲得しましょう!
足部内在筋エクササイズ
足のアーチを保つ上で、重要な役割を担う足部内在筋のエクササイズをご紹介致します
母趾と四肢のチョキ運動
・座位になり、母趾と四趾でチョキを繰り返します。
・MP関節のみを動かしたいので、足趾伸展位を保ち、足関節は動かさないようにしましょう。
・10~20回行ってください。
2~4趾の上げ下げ運動
・母趾と小趾は常に床に押し付けた状態で、2~4趾を上げ下げします。
・これも足趾は伸展位を保ちましょう。
・10~20回行ってください。
腓骨筋と後脛骨筋のエクササイズ
続いては腓骨筋と後脛骨筋のエクササイズです。
腓骨筋は底屈+外反の作用、後脛骨筋は底屈+内反の作用を持つ筋です。様々なエクササイズがありますが、本日はどなたでも簡単に行えるエクササイズをご紹介いたします。
・座位になりミニボールを足部で挟みます。
・底屈+内反をしながら「ボールを3秒間つぶす⇔弛める」を5回~10回繰り返します。
・続いて、底屈+外反しながら「ボールを3秒間つぶす⇔弛める」を5回~10回繰り返します。
若い方はもちろん、ご高齢者の方でも簡単に行えるオススメのエクササイズです!
下肢の動きの中での安定化エクササイズ
ここまで、足部や足関節のみを使うエクササイズをご紹介してきました。足部を”パーツ”として整えた後は、下肢や体幹と協調して機能させる必要があります。
足部のアライメントを崩さずに下肢の運動をしていきましょう、ということで段階ごとのスクワットをご紹介いたします。
スクワット/両足
まずは両足を着いた状態でのスクワットです。
10回繰り返しましょう。
後足部が回内・回外しないように、踵骨の中央に荷重した状態で行うことがポイントです!
スクワット/スタッガードポジション
スタッガードポジションというのは、足を前後交互にした状態のことです。
前足に90%荷重しておくイメージで、片脚になるための準備段階のエクササイズとして大変オススメです。
スクワット/片脚
スタッガードポジションでのスクワットが安定したら、最後は片脚でのスクワットです。
慣れるまでは、椅子にお尻を着けるなど、高さを一定にして行うとやりやすいかと思います。
両足、スタッガード、片脚、いずれも後足部が過剰に回内もしくは回外しないように行いましょう!
本日は、足部の安定化エクササイズをご紹介しました。
まずはパーツとして足部機能を高め、下肢全体が協調して動く中での足部の安定性を獲得していきましょう。
さらに身体に関する学びを深めたいという方は、『Pilates As Conditioning Academy』もご覧ください。
https://pilates-as-conditioning.com/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※参考文献
片寄正樹:足部・足関節理学療法マネジメント.メジカルビュー社.2018.
永木和載:足部・足関節のキホンとケア.秀和システム.2020.
足関節・足部疾患の機能解剖学的病態把握と理学療法.理学療法31(2).2014.