栄養&消化&免疫

現代人に不足しがちなマグネシウムと亜鉛 | 亜鉛編

牡蠣

こんにちは。
imok株式会社千野ひとみです。

現代人に不足しがちなミネラルの代表は、マグネシウムと亜鉛です。
どちらも飲酒や加工食品の過剰摂取によって必要量が増加するため、意識的に摂取しなければ体内で不足し、身体の代謝に影響が出ます。
マグネシウムも亜鉛も、数多くの酵素活性に関わります。

亜鉛は、骨や肝臓、腎臓そして筋肉など様々な箇所に存在し、消化や免疫、組織修復の酵素に関わります。

亜鉛不足による症状

亜鉛が不足すると、皮膚炎や味覚障害、糖尿病、ドライアイやドライマウスなど実に様々な病気、体調不良の原因となります。

・皮膚炎
皮膚には亜鉛が多く、亜鉛が不足することによりターンオーバーに影響が出て、皮膚炎やアトピーにつながります。

・男性型脱毛症AGA
亜鉛の摂取が不足すると、毛髪の成長を抑制する男性ホルモン、ジヒドロテストステロンが活性化されます。つまり、亜鉛不足の男性は、毛髪の成長が抑えられてしまうんです。

・認知力低下
亜鉛は、記憶を司る脳の海馬に多く存在するため、認知機能低下にもつながります。

・免疫力低下
亜鉛欠乏により、免疫機能を向上させるための胸腺が縮小してしまい、免疫不全を引き起こします。

・味覚障害
味を感じる舌の細胞、味蕾細胞は、生まれ変わる周期が短いため、亜鉛を必要としており、亜鉛不足になると、「味がわからない」「何を食べても不味い」といった症状が起こります。病院に入院している人が「病院食を不味い」と感じるのは、亜鉛不足により味覚障害ではないかとの考え方もあります。

この他にも、亜鉛不足により攻撃性が高まったり、インスリン分泌に影響が及び糖尿病の原因となり、鬱症状の原因ともなります。
さらに、亜鉛は前立腺での濃度が高いためセックスミネラルとも言われ、精子の質の低下、男性不妊の危険因子ともなります。

細胞分裂や代謝が活発な場所で亜鉛が必要

亜鉛は、細胞分裂が盛んで、代謝活動が活発な部分で必要とされるため、皮膚や味蕾細胞、前立腺への影響が見られます。

さらに、成長期、妊娠や出産では細胞分裂が盛んに行われ、ケガや病気が治る時には特定箇所で細胞分裂が行われるため、亜鉛の必要量が増加し、同時に欠乏が心配されます。

細胞分裂では、細胞の核にあるDNAを読み取り、同じ構造を持つRNAを複製し、RNAを基にたんぱく質が作られます。
この、DNAを読み取る時に必要なDNSポリメラーゼ、RNAポリメラーゼに亜鉛が必要であり、亜鉛が不足するとたんぱく合成が低下し、異常たんぱくが増加します。
さらに、ジンクフィンガーと呼ばれる細胞分裂が行われる時にスイッチを入れるたんぱく質も亜鉛を必要とします。

このように、私たちが成長したり、病気やケガを治して健康を維持するためには、亜鉛が必要不可欠なんですね。

現代人は亜鉛不足

現代人は忙しく、コンビニ弁当や加工食品を食べることが多いです。
それらに含まれる食品添加物は、もちろん毒性はありませんが、ミネラル吸収に弊害をもたらします。

食品添加物に含まれるリン酸塩は、亜鉛の吸収を阻害します。
リン酸塩は、プリプリとした食感を生み出したり、変色を防ぎます。私たちがスーパーなどで手に取る食品には、pH調整剤や膨張剤などと表記されて販売されています。
リン酸塩は、練り物によく含まれます。
リン酸塩以外にも、シュウ酸やフィチン酸、薬剤なども亜鉛の吸収を妨げます

亜鉛の吸収を阻害するもの
フィチン酸、シュウ酸、食品添加物、薬剤

亜鉛の吸収を促進するもの
たんぱく質、ビタミンC、胃酸、良好な腸内環境

極端なダイエットでたんぱく質を避けてたり、玄米ばかりを食べていたりする場合、亜鉛不足に陥ります。

マクロビオティックの食事を取り入れていたり、ビーガンの方は、亜鉛不足に要注意

 

さらに、アルコール代謝の酵素にも亜鉛が必要となるため、過度な飲酒は亜鉛欠乏に陥ります。

そして、年齢とともに亜鉛の吸収率は低下します

亜鉛を多く含む食品

牡蠣、牛肉、牛レバー、豚レバー、煮干しなど

亜鉛不足は、人生におけるQOLを大きく下げてしまいます。
逆に、亜鉛を摂取することで豊かな人生を送ることにもつながります。