こんにちは。
imok株式会社の千野ひとみです。
「睡眠」については、世界中でありとあらゆる研究が行われていますが、まだ解明されていないことも多い領域です。
だからこそ、睡眠に関しての悩みを抱えている方はとても多いです。
「寝付きが悪い」「夜中に目が覚めてしまう」「睡眠時間は十分なのに、なんだか疲れがとれない」など・・・
少しでも良い睡眠が得られるように、睡眠についてみていきましょう。
睡眠の役割
寝不足の時には、頭がぼーっとしますよね。
集中力や判断力が低下して、仕事に支障が出たり、会話がうまく続けられなかったり、いつもとは違う感覚を持つ方が多いと思います。
これらの身体の反応から、私たちは「睡眠は必要なもの」「脳を休ませる時間」などという認識を持っていると思います。
私たち人間だけでなく、時間や寝る態勢の違いはあれど、動物たちにも睡眠は必要です。
睡眠の役割としては下記のものが挙げられます。
- 体温調節
- ホルモン分泌
- 記憶や感情の整理
- 自律神経の調整
- 酸化ストレスの除去
- アルツハイマーの原因といわれるβ-アミロイド蛋白の蓄積防止
さらに、睡眠不足は、メタボリックシンドロームや心血管疾患、代謝異常のリスク増加に関連していることも指摘されています。
このように、健康維持のためには、睡眠は欠かせないものです。
睡眠サイクル
ここからは、レム睡眠とノンレム睡眠について見ていきます。
一般的には、レム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠りという認識を持っている方が多いと思います。
ヒトは、眠るとまず、ノンレム睡眠に入ります。
この時には、大脳皮質と呼ばれる脳の外側の部分の活動が低下します。
そして、60~90分程経過すると、脳はまた活動を高めます。これがレム睡眠です。
朝方には、このレム睡眠の頻度が多くなり、目を覚まします。
レム睡眠とノンレム睡眠については、下記のような特徴が挙げられます。
rapid eye movement(高速眼球運動)の頭文字をとってREM睡眠という
・起きている時以上に大脳皮質が活性化している
・交感神経と副交感神経はともに大きく変動
・心拍数、呼吸数の増加
・体温調節機能は、ほぼ停止
rapid eye movement(高速眼球運動)がないため、NON-REM睡眠という
・大脳皮質の機能は低下(脳の休息時間)
・視索前野(視床下部の前部に位置する部分)の活動が興奮する
・体温やエネルギー消費が低下
・交感神経<副交感神経
・血圧や心拍数が下がり、消化器系の機能は亢進
記憶の定着
睡眠は、記憶を定着、強化させるということがわかっています。
試験勉強の時、「寝ずに勉強して、そのまま試験を受ける」か「勉強はある程度のところで区切りを付けて、しっかり寝てから当日を迎える」か、悩ましいですよね。
前もって試験範囲の勉強は終わらせて、前日はしっかり寝て試験に臨めることが1番です!(それができないから悩むんですけどね(笑))
ここで、「夢」について見ていきましょう。
「夢を見るってことはよく眠れていない」と思う方もいるかもしれません。
夢は、確かにレム睡眠時に見ることが多いようですが、実際にはノンレム睡眠時にも見ているんです。
さらに、少し前までは、夢を多く見ることから、レム睡眠が記憶の整理に関わっていると考えられていました。ですが、最近の研究では、記憶の固定や整理にはノンレム睡眠も大きく関係していることがわかってきました。
レム睡眠とノンレム睡眠で、見る夢の内容が違う?!
寝ている時に見る「夢」は、不思議な内容のものが多いかと思います。
現実世界ではありえないことが起きたり、時間経過がめちゃくちゃだったり、奇想天外なことが起こったり・・・夢って、そうゆうものですよね。
さらに、誰かに追いかけられる、仕事やスポーツで失敗する、憧れの人に会えた、など、不安や心配、嬉しさなどの感情を伴うこともあります。
実は、このような夢を見る時は、レム睡眠時であることが多いんです。
一方で、ノンレム睡眠時に見る夢は、シンプルな内容のものが多いといいます。
これらのことから、レム睡眠時には、記憶の再編成が起こっていると考えられています。
実際に、ラットに何か学習課題をさせた後では、学習する量が増える程、レム睡眠が増えることが示されているんです。
つまり、記憶を定着させるためにレム睡眠が必要ともいえます。
レム睡眠中は、脳機能のメンテナンスのために脳が活動する必要があるということなんですね。
つまり、「レム睡眠は眠りが浅いから、ノンレム睡眠が良い」という単純なことではないようなんです。
レム睡眠もノンレム睡眠も必要であるからこそ訪れ、決まった周期で繰り返されているようです。