こんにちは。
imok株式会社の千野ひとみです。
ダイエットに効果があるとブームになったココナッツオイル、飲み物に入れたり、化粧品やマッサージに使われたりと、用途は様々ですね。
ココナッツオイルとは
ココナッツオイルとは、ココヤシの実の胚乳から抽出される油です。
オイル(油)というと、オリーブオイルやえごま油、そして動物や魚の油など様々な種類がありますよね。
ココナッツオイルの特徴は、下記の2つです。
- 飽和脂肪酸である(飽和脂肪酸とは、常温で固まり、動物性脂肪に多く含まれる油)
- 飽和脂肪酸の中でも、中鎖脂肪酸が多い(炭素数が短く、分解が速い)
まず、飽和脂肪酸というと、肉などの動物性脂肪に含まれていることが多いのですが、ココナッツオイルは植物性にも関わらず飽和脂肪酸です。
そのため、熱に強く、酸化しずらいという特徴を持っています。
さらに、カプリル酸やカプリン酸、ラウリン酸の多い中鎖脂肪酸なんです。
中鎖脂肪酸とは、脂肪酸の長さが中ぐらいということです。
油の種類の分け方は様々ですが、油の構成要素である脂肪酸の種類がとっても大切です。
脂肪酸とは、お酢の成分である酢酸、魚介に含まれるEPAやDHA、大豆油に含まれるリノール酸などですね。
酢酸は脂肪酸が短い短鎖脂肪酸、EPAやDHAは脂肪酸が長くつながった長鎖脂肪酸といいます。
長鎖脂肪酸は、小腸から消化・吸収されたあと、リンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれ、必要に応じて分解・貯蔵されるのに対し、
中鎖脂肪酸は、水になじみやすい特長をもち、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入り分解されます。
このように消化・吸収後の経路が異なるため、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べて分解される時間が4~5倍も速く、短時間でエネルギーになるという特徴をもちます。
ココナッツオイルの効果
体脂肪になりにくい
先にお伝えしたように、中鎖脂肪酸は、素早く消化吸収されるため、エネルギーになりやすいという特徴があります。
そのため、脂肪に蓄積されにくく、これがダイエットに良いとされている理由の1つですね。
一方で、お肉などに含まれる長鎖脂肪酸は、小腸から吸収されリンパ管や血管を通って分解されていくため、体脂肪になりやすいんです。
ラードや牛脂もココナッツオイル同様に飽和脂肪酸ですが、長鎖か中鎖によって体脂肪になりやすいかどうかが異なるんですね。
飽和脂肪酸の摂取が多いと、心臓疾患のリスクが高いということもいわれていましたが、飽和脂肪酸の中でも長鎖か中鎖かは区別できると良いですね。
抗真菌効果
ココナッツオイルは、カンジダ菌の増殖を抑えるという働きがあります。
カンジダ菌とは、消化管に存在する常在菌ですが、増殖してしまうと、口腔や食道に炎症が起きたり、慢性的な疲労感や皮膚症状など、様々な体調不良の原因となる菌です。
抗生物質の乱用や糖質の過剰摂取、ストレスなど、様々な原因により増殖します。
ナイジェリアの研究では、ココナッツオイルは、抗真菌薬フルコナゾールと同等の抗真菌活性を示した、ココナッツオイルは、薬剤耐性カンジダ種の出現を考慮して、真菌感染症の治療に使用する必要がある、という結果が得られています。
J Med Food. 2007 Jun;10(2):384-7
その他にも、ココナッツオイルの摂取が、HDL(善玉)コレステロールの増加を認める調査や、アルツハイマー症状の軽減効果、減量効果もあるとされています。
使うときに注意すること
中鎖脂肪酸の多いものを選ぶ
一口にココナッツオイルといっても、メーカーや種類は数多く、中には長鎖脂肪酸が多く含まれているものも存在します。
記載がないものも多いですが、成分表を見て、カプリン酸やカプリル酸、ラウリン酸が多いものを選びましょう。
成長過程の男の子は、摂り過ぎには要注意
ココナッツオイルなどに含まれるヤシ油は、性ホルモンの代謝を阻害するということがわかっています。
男性ホルモンであるテストステロンがDHT(ジヒドロテストストロン)に代謝されるのを阻害するのにヤシ油が関わるんです。
この代謝阻害は、成人男性にとっては、前立腺肥大を抑制させるなど、良い面もありますが、成長期の子どもにとっては良い影響とはいえません。
そのため、子どもへの過剰摂取、日常的な食事での常用は避けた方が良いかもしれません。