トレーナービジネス

トレーナーと提供価値①|機能的価値と情緒的価値

こんにちわ

imok株式会社の小林俊夫です

ミッション、ビジョンや経営戦略&戦術やSTP、4Pときて、本日は提供価値について考えていきたいと思います

お客様が購入しているものは何か?

 マーケティングの書籍を読んだことがある方なら、一度は耳にしたことがある「ドリルを売るには穴を売れ」

書籍のタイトルにも使われている、佐藤義典氏の著書はまさにマーケティングを学ぼうと思ったら読むべき1冊な訳ですが、お客様が求めているのは、「ドリル」という商品ではなく、「穴を開けられる手段」であり、更に言えば、その「穴を開けることで得られる喜び」を購入している訳ですよね

我々、トレーナー業界も常に考え続けるべきなのは、お客様は「パーソナルトレーニング」や「スタジオレッスン」が欲しい訳ではなく、トレーニングやレッスンというのは、目的を叶える為の手段であるということです

 

 例えば、腹筋をシックスパックにして、夏のビーチでモテたい男性がいるとして、その男性が得たいのは、モテるという状態であり、割れた腹筋ではない訳ですよね(もちろん0、100ではありませんが)

そうすると、その方にとって、シックスパックになる為の手段が、パーソナルトレーニングなのか、シックスパッドなどのEMSの機器なのか、ダイエット飲料なのかは、何でも良い訳です

 その為、上記の男性に「パーソナルトレーニングの素晴らしさ」や「自分のスタジオやジムの素晴らしさ」を一生懸命訴求をした所で、お客様の心には響かず、訴求すべきは、どれだけ腹筋がボコボコに割れるかであり、極端に言えば、他のサービスや商品よりも、どれだけモテBodyを効率良く創る事が出来るかという理由や根拠、実績などです

機能的価値と情緒的価値

 商売とは、お客様が求める価値や喜びを提供し、その代わりに対価を得るということですよね

そう考えていくと、お客様が商品やサービスに求めている価値は何なのでしょうか?

価値には色々と切り口がありますが、まず商品やサービスを考える上で、以下の2つを考えます

機能的価値:商品やサービスが持つ機能などにより得られる利益や利便性

情緒的価値:商品やサービスを持つ事や体験する事で得られる心理的な価値

バッグなどを例に考えてみると、様々なタイプのポケットが付いていて、荷物の整理に便利といったものや、頑丈で何十年使っても壊れない!というのは、機能的な価値になります

それに対して、そのバッグを持って街を歩く事でワクワクするとか、周りから成功者の様に見られるのが気持ちいいなどというのは、情緒的な価値になります

機能的価値に偏りがちなトレーナー業界

自らが消費者の立場で考えた場合、機能的価値で商品やサービスを選ぶ場合と、情緒的価値で商品やサービスを選ぶ場合では、どちらが多いでしょうか?

 モノやサービスが飽和している現代においては、ほとんどが情緒的価値により、選ばれているのではないでしょうか?

 例えば、財布を購入する時に、カードが10枚以上入れられて、お札と小銭が分けられるものを買おう!と思って、買いに行く人はほとんどいませんよね

 多くの場合、お目当てのブランドなどがあり、その中でデザインを中心に比較しながら、少々の機能的な違いによって購入するものを決めるくらいかと思います

美容室などを選択する場合も、Instagramなどを見ながら、気になるモデルや芸能人が通っている場所を見つけて同じ所に行ってみたり、ホットペッパービューティーなどを見ながら、HPのデザインや内装、インテリアなどの雰囲気と口コミなどを見ながら決める方がほとんどで、機能的価値にあたる、スタイリストのカット技術で選ぼうにも、まだ行ったことが無い為、カット技術では選べない訳です

 しかし、トレーナー業界の傾向としては、機能的価値を高めることには、かなり多くの時間や金額を投資するけれど、情緒的価値を高める為の投資は、あまり行われていない傾向にあります

 その上、スタジオやジムのHPなどを見ていても、技術に関するアピールや一部のトレーニングマニアにしか分からない様なツールがあることをアピールしていたりと、自分が消費者の時は、ほとんど情緒的価値で選択をしているにも関わらず、機能的価値をアピールしているものがほとんどです

 もちろん、STP分析の結果、そうした機能的価値を主に求めている方がロイヤルカスタマーであれば良い訳ですが、実際はココにズレがある場合が多く見られます

 ただ、言い方を変えると、トレーナー業界はまだまだ伸びしろだらけということですので、価値について何回かにわかって掘り下げていきたいと思います

 先ずは、自分や自分のスタジオ&ジムが提供している機能的価値はなんなのか?情緒的価値はなんなのか?

 ホームページでは、誰に対して、どういった価値を訴求しているか?といったことを見直してみましょう