栄養&消化&免疫

トランス脂肪酸の危険性

こんにちは。

imok株式会社の千野ひとみです。

緊急事態宣言により、休校期間が続くことで、子どもたちが家にいる時間が長くなっていますよね。家での時間が長くなると、大人も子供も、お菓子や菓子パン、加工食品を口にする機会が増えていると思います。

ですが、そのような食品に含まれることの多い【トランス脂肪酸】は、子どもたちの成長に大きな影響を及ぼします。

加工食品や菓子パンを0にすることは難しいですし、毎日、毎食、手作りの料理を用意していては、かえって肉体的、心理的にストレスを抱えてしまう事も考えられますので、知った上で選択を出来るのが良いかと思います。

トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸とは何か?というと、脂肪という名前が付いている様に「脂質」であり、つまり油です。

 主に水素添加という方法で、液体状の油を固形状に変える時に発生する物質がトランス脂肪酸です。

 トランス脂肪酸を含む代表的な食品としては、パンに塗る「マーガリン」やお菓子に使う「ショートニング」などが上げられます。

マーガリンは、バターとは異なり、冷蔵庫から出してすぐにパンに塗ることができます。
1960年代には、「マーガリンやショートニングは植物油からつくられていて、バターやラードなどの動物性油脂よりもヘルシー」と言われ始め、家庭に広がっていきました。

コンビニエンスストアやスーパーに置かれているパンやお菓子の袋に表記されている、成分表示票を見て頂くと、「マーガリン」、「ショートニング」などの名前を多く目にします。

しかし、1970年代頃から、トランス脂肪酸の有害性が指摘されるようになり、2000年代には、トランス脂肪酸を排除する動きが世界中で広まっていきました。

トランス脂肪酸は、細胞膜の機能を狂わせる

私たちの身体は、60兆個もあると言われる、細胞からできています。
この細胞の周りを包む「細胞膜」は、細胞の内側と外側を区切る仕切りとしての役割だけでなく、栄養素を取り入れたり排出したりと、とても重要な機能を担っています。

そして、この重要な細胞膜の主な構成要素は「リン脂質」と言われ、リン酸という頭に、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がそれぞれ1本ずつ、足のように繋がっている様な構造になっています。

この飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が、膜の強度や柔軟性を決めていて、この足の部分にトランス脂肪酸が入り込むと、細胞の機能を狂わせてしまうんです。

トランス脂肪酸の過剰摂取の危険性

トランス脂肪酸を過剰に摂取することで、様々な病気や脳の機能低下の症状が報告されています。

トランス脂肪酸の過剰摂取による危険性

・大腸がん、膵臓がん、胃がんなどの発癌性
・不妊や子宮内膜症
・怒りっぽくなる、興奮しやすくなる
・記憶力の低下など

特に、成長期の子ども達には、強い影響を与えると考えられ、トランス脂肪酸の慢性的な摂取で、衝動性や多動性が増進されることが示されています。

さらに、トランス脂肪酸の摂取量が増える程、ポジティブな感情が弱まり、ネガティブな感情が強まっていくという研究結果もありますので、摂り過ぎに要注意ですね!

多くの食品に含まれるトランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、酸化、変性しにくいという特徴があります。
そのため、食品を製造する企業にとっては、とても扱いやすいものなんです。

トランス脂肪酸が入っている食品は、巷に溢れており、例えば私達が日頃から口にする事もある、以下の様な食品に含まれています

  • 繰り返し使う油で揚げた食品
  • 時間がたってもサクサクとした食感が残る揚げ物
  • 長期間保存が効くパンや焼き菓子など

 

たとえ、「トランス脂肪酸ゼロ」や「トランス脂肪酸フリー」と表示されている商品でも、全く含まないというものではありません。
※食品100gあたり(もしくは100mlあたり)のトランス脂肪酸の含有率が0.3g未満であれば、「0g」と表示しても良いことになっています。

そのため、こういった表示に惑わされて積極的に摂取していると、いつの間にか摂取量が増えているといったことになりかねません。

外出が制限される今の状況では、どうしても、保存が利いて簡単に食べられるものを買い置きしておくことが多くなると思います。

しかし、こういった時だからこそ、トランス脂肪酸の危険をわかった上で、できる範囲で摂りすぎないように気を付けることが大切です。