こんにちは。
imok株式会社で活動している、健康経営アドバイザーの中北です。
本日は、労働生産性の指標となるアブセンティーイズムやプレゼンティーイズムを改善するために関係が深い「主観的健康感」についてお話いたします。
主観的健康感とは
主観的健康感とは「普段の自分の健康状態に対して、どのように感じて評価しているかということ」と定義されています。
主観的健康感は、血圧や血糖値などのような身体的指標と合わせて、様々な社会調査に用いられています。
例えば、主観的健康感が高い人ほど疾病の有無に関わらず平均寿命などに影響しているという研究や、主観的健康感が低い人の方が死亡リスクは約2倍増加するといった研究など、健康に関わる数多くの報告があります。
この主観的健康感が、アブセンティーイズム損失日数やプレゼンティーイズム損失コストに深く関わります。
上図は、アブセンティーイズム損失日数と健康関連指標の関係を調べた結果をまとめたものです。
リスクあり群とリスクなし群の損失日数の差を比べてみると、主観的健康感以外の項目では平均0.72日であるのに対し、主観的健康感における差は平均で2.58日となっており、約3.5倍もの損失日数の差が生じています。
上図は、プレゼンティーイズム損失コストと健康関連指標の関係を調べた結果をまとめたものです。
リスクあり群とリスクなし群の損失コストの差を比べてみると、主観的健康感以外の項目では平均225,085円であるのに対し、主観的健康感における差は平均で1,105,717円となっており、約5倍の損失コストが発生しています。
また、損失コストが主観的健康感に次いで大きかった仕事満足度では、損失コストの差が709,582円となっており、主観的健康感との差は約400,000円にもなります。
これらのデータから、主観的健康感がアブセンティーイズム損失日数やプレゼンティーイズム損失コストに、大きな影響を及ぼしていることが分かります。
主観的健康感を高めるために必要なこと
それでは、どのような取り組みが主観的健康感を高めるために必要なのでしょうか。
若者を対象にした主観的健康感に関する研究において、主観的健康感の高い群と低い群で有意差が認められた項目は下記の通りです。
・運動習慣:1回30分以上の運動を週2回以上行っている
・食習慣:1日3食、食べている
・睡眠習慣:早く就寝している
このように「運動」「栄養」「睡眠」という、日常生活において基本的な要素が、主観的健康感を高めるために必要であることが分かります。
おそらく、多くの方が運動や栄養、睡眠の重要性は認識しているかと思います。ところが、具体的な行動に移すところまで出来ていないことが多く、前述のようにアブセンティーイズム損失日数やプレゼンティーイズム損失コストにつながっています。
従業員の皆様が日々の習慣を変えていくためには、周囲のサポートが大切です。
従業員の皆様に運動や栄養、睡眠に関する情報の提供の場や、実践できる機会を提供して、主観的健康感向上に取り組むことで、アブセンティーイズムやプレゼンティーイズムを改善し、結果として企業の利益にもつながります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
imok株式会社
中北貴之