健康経営について

免疫力と運動の関係

こんにちは。

imok株式会社で活動している、健康経営アドバイザーの中北です。

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、免疫力を高めることへの関心が高まりましたね。

※免疫というのは本来ヒトに備わっているものですので、免疫力を高めるというよりも、免疫機能を正常化すると表現した方が正しいのかもしれません。

免疫機能が低下すると、当然ながら病気に罹りやすくなり、アブセンティーイムズ(病欠)に大きく関わりますので、健康経営のためには従業員の免疫機能を正常化することは大切です。

免疫機能を正常化させるためには、運動・栄養・休養のバランスが大切になりますが、本日は「運動」という観点からお話いたします。

免疫機能とは

そもそも免疫とは、「自己」と「非自己」を分別して、適切に処理するための機能です。

免疫機能には、3つの防衛ラインが敷かれています。

・第1防衛ライン:外皮(皮膚と粘膜)

・第2防衛ライン:自然免疫

・第3防衛ライン:獲得免疫

身体を守る仕組みとしては、まず皮膚や粘膜が異物の体内への侵入を防ぎます。

ここを突破されると、第2防衛ラインの自然免疫が対応します。

自然免疫とは、体内に異物が入ってきたら真っ先に駆けつけて戦ってくれる免疫機能で、顆粒球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞などがあります。マクロファージはよく耳にする言葉ですね。

この自然免疫だけでは対応出来なくなると、今度は獲得免疫の出番です。

先に異物と戦ってくれた自然免疫の一つである樹状細胞は、異物に目印をつけて獲得免疫に敵だと分かるようにしてくれます。獲得免疫のリンパ球は、目印が付いている敵を攻撃して排除しようとします。

簡単に言うと、このように皮膚や粘膜が異物を体内に侵入させないようにし、体内に入ってきた異物に対しては自然免疫と獲得免疫が連携して対応しています。

運動との関係

それでは、本日の本題である「免疫力と運動」の関係をみていきましょう。

 

Nieman,Med Sci Sports Exerc. 1994 Feb を参考に作図

上の図に示すように、適度な運動は免疫機能を高めて感染のリスクを低下させますが、過度な運動や運動不足は免疫機能を低下させて感染のリスクを高めます。

適度な運動を行うと、先ほど出てきたNK細胞の活性化やリンパ球の増殖、マクロファージ機能の向上などの効果があると報告されています。そのため、運動を適度に行っていると、全く運動をしていない状態よりも免疫機能は高まります。

一方で、過度な運動をしてしまうと、免疫機能を低下させます。

激しいトレーニングを継続しているスポーツ選手は、一般の人より3倍も風邪に罹かりやすいと言われています。

これは、運動によって分泌されるホルモンや抗炎症性物質が免疫細胞の機能を抑制したり、免疫細胞のエネルギー源となるグルタミンというアミノ酸が減ってしまったりすることで、感染のリスクが高まるためです。

それでは、どの程度の運動が”適度”なのかというと、会話が出来る程度の強度の運動を、1回20~60分行う程度であれば、免疫機能を低下させないと言われています。

適度な運動を習慣化して、免疫機能を正常化させることで健康づくりを進めていきましょう!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

imok株式会社

中北貴之