カラダのコンディショニングエクササイズ

ピラティスはインナーマッスルを鍛えるものという誤解

 こんにちわ

 「ピラティス」で検索をすると、ピラティスはインナーマッスルを鍛えるもので、筋トレはアウターマッスルを鍛えるもの。といった感じの書かれ方をされていることを多く目にします

これは一般の方が誤解をされることが多いと思いますので、簡単に解説していきたいと思います

インナーマッスルとアウターマッスルって何だ?

 そもそも、インナーマッスルとアウターマッスルという医学的な定義は存在しません

 一般的に、身体の深層に付着しているものをインナーマッスルと呼び、身体の表層に付着し、目で確認出来たり、触れられるものをアウターマッスルと呼んでいる場合がほとんどかと思います

 そして、狭義のインナーマッスルとして、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜のコアと呼ばれる部分を指していたり、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋のローテーターカフ(腱板)と呼ばれる、肩の深層の筋肉を指していたりします

 

インナーマッスルだけ、アウターマッスルだけを鍛えられるのか?

 そして、ピラティスはインナーマッスルのトレーニングで、筋トレはアウターマッスルを鍛えるものといった感じで語られることが多いですが、ピラティスも、筋トレも、インナーも、アウターも両方使っており、どちらかだけを使って、ピラティスをしたり、筋トレをしたりすることは、現実的に不可能です

 例えば、肩のアウターマッスルである三角筋を鍛えようと、ダンベルを持って、サイドレイズというトレーニングを行う場合、先ずダンベルを持った段階で、肩の関節を安定させる為に、肩のインナーマッスルが働きますし、更に言えば、重りを持ったことによって、体幹が崩れたりしない様に、コアと呼ばれる部分のインナーマッスルも、アウターマッスルも働きます

 逆にピラティスのエクササイズを考えた場合も、シザースと呼ばれるエクササイズやサイドプランクなどなど、一定の負荷が掛かるエクササイズにおいて、腹斜筋や腹直筋、脊柱起立筋など、体幹部のアウターマッスルと呼ばれる筋肉を使わずに、体幹を安定させることは不可能です

 その為、いわゆる筋トレをしている時も、ピラティスをしている時も、インナーマッスルも、アウターマッスルも両方を使っているんですね

ただ、強度に応じて、使われる割合が変化をすることは大切です

ピラティス氏は筋骨隆々

 そして、何をもって「ピラティス」というか?も大きいのですが、ピラティスとは、そもそもジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス氏が「コントロロジー」として、指導をしていたエクササイズが、後に「ピラティス」と呼ばれる様になり、全世界に普及をしていったものです

※ドイツのメンヒェングラートバッハにある、ピラティス氏の生家があったと言われている場所に存在するモニュメント

 ピラティス氏がクライアントに指導をする動画などは、Youtubeで見ることが出来ますが、彼自身は筋骨隆々とした身体であり、クライアントには、主にアウターマッスルを鍛えることに繋がる、ジャンプ動作や、腕立て伏せなどのエクササイズも行わせています

 このことからも、一概にピラティス=インナーマッスルという訳ではなく、インナーマッスルも、アウターマッスルも使い、身体を適切にコントロール出来ることが大切かと思います

ピラティスから筋力トレーニングへ

 インナーマッスルも、アウターマッスルも、人が活動をする上で必要なもので、そこに優劣はありませんが、一般の方の多くは、ライフスタイルなどの影響も相俟って、アウターマッスルを過剰に使いやすい傾向にあります

 例えば、デスクワークの際に、背中を丸める様に座っていると、腹横筋や内腹斜筋、多裂筋などの深層部の筋は、使われにくくなるなどの筋電図を計測した研究などもありますし、痛みを抱えている方は、アウターの筋肉を過剰に使いやすいなどの研究もあったりします

 そういった方が、いきなり強い負荷を掛けたトレーニングを行ってしまうと、益々アウターが優位に働きやすくなるなどが考えられます

 具体的な数値で考えてみると、軽い負荷の場合、いわゆるインナーマッスルが80%、アウターマッスルが20%働けば良いはずの所が、インナーマッスルが20%、アウターマッスルが80%で身体を固める様に安定させる癖が付いてしまっているなどですね(数字は仮のものです)

 そうすると、関節の安定性が得られなかったり、余計にエネルギーを消費しやすかったりと、適切に身体をコントロール出来ず、効率的では無い動作になりがちです

 その為、ピラティスのエクササイズも強度が様々ですが、先ずは軽い負荷のエクササイズからはじめて、インナーマッスルが働きやすい環境を創り、そこから徐々に強度を高め、筋力トレーニングへと繋げていくと、安全かつ効果的です

まとめ

 ピラティスにしても、筋トレにしても、インナーマッスルとアウターマッスルのどちらかだけを使っている訳では無く、両方を使っています

 また、ピラティスと一言で言っても、エクササイズの種類は様々であり、行うエクササイズの種類や、クライアントの筋力レベルによって、インナーとアウターの使われる割合などが異なります

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 インナーマッスルも、アウターマッスルも、両方大切な筋肉になりますが、多くの方は、アウターを使いやすい傾向にありますので、順番としては、ピラティスの強度の軽めのエクササイズ→ピラティスの強度が少し高いエクササイズ→筋力トレーニングといった感じで、段階を踏んで行っていくのがおススメです

ABOUT ME
Toshio Kobayashi
Toshio Kobayashi
imok株式会社(アイモック)代表取締役/猫背改善専門スタジオ「きゃっとばっく」代表。  トレーナーとして活動をしながら2008年、2009年にアメリカへピラティスの研修を受けに行き、マスタートレーナーの認定を取得。その後、2010年に医療系国家資格を取得。  現在はスタジオの経営、メディアの監修及び出演、全国での研修及び講演、ピラティスリフォーマーの製造及び販売をしながら、姿勢&機能改善、パフォーマンスアップ専門のトレーナーとして、世界中に「I am OK You are OKな人」を増やす為に活動中。