こんにちは。
理学療法士の中北貴之です。
今回は、腰部の機能解剖についてのお話です。
早速ですが、腰椎の機能解剖で押さえておきたいポイントは3つ!
①腰椎に付着する筋と隣接関節への影響
②腰椎椎間関節
③腰椎の荷重支持機能
今回は「①腰椎に付着する筋と隣接関節への影響」をテーマにお話して、最後にオススメのReformerエクササイズも1つ2つご紹介していきます。
腰椎に付着する筋とは
腰椎に付着する筋といえば、脊柱起立筋群や大腰筋や広背筋や下後鋸筋やら~・・・
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・・・
まぁ、たくさんありますね!
詳しい付着部に関しては、教科書や一般的な解剖学書をご覧頂き、ここでは他関節への影響を考えていきたいと思います。
先ずは、横隔膜と大腰筋を例にして考えてみましょう。
胸郭の機能解剖で登場した横隔膜は脚部が第1~3腰椎の椎体に付着し、大腰筋は第12胸椎~第4腰椎の椎体に付着し、一部は横隔膜の脚部と連結があります。
そして、横隔膜には左右差があり、横隔膜の脚部は右よりも左の方が頭側に付着します。
すると、左の脚部と連結する左側の大腰筋も引っ張られることになります。
大腰筋は寛骨前傾に作用しますので、一般的に左寛骨前傾位の人の方が多いと言われる要素の一つです。
ちなみに、上記のような解剖学的観点以外にも、視野や脳機能の左右差からも左寛骨前傾位になりやすいと言われています。
横隔膜の機能と腰椎の関係とは
横隔膜は安静呼吸の70~80%に関与する重要な筋です。
そして、横隔膜が効率良く機能するうえで大切なのが「固定点」と「可動点」です。
筋が作用する際は、固定点があることで効率よく働くことができるので、横隔膜においても同様です。
ドア(開き戸)の開閉で例えると、ドアノブを引いてドアを開くためには、蝶番(ちょうつがい)で固定されている部分が必要ですよね。
仮に蝶番の部分が安定していないと、ドアの開閉が出来ないわけではないですが効率は悪くなります。
横隔膜が効率よく収縮(腱中心が下制)するためには、剣状突起部・肋骨部・脚部が固定点になる必要があります。
まず、剣状突起部・肋骨部・脚部が固定点になり、腱中心が可動します。
そのため、腰椎の安定性は横隔膜が効率良く機能するために重要です。
腰椎を安定させるポジション
とはいえ、いきなり「腰椎を安定させて!」と言われても難しいという方も多いかと思います。
それならば、安定する位置にもっていってしまえば良いですね。
腰椎を地面にくっつけてしまいましょう!
触圧覚も入力されますし、支持基底面が広がりますので安定性も高まります。
腰椎を地面にくっつけるには骨盤の後傾が不可欠ですので、骨盤後傾のエクササイズから始めることをオススメします。
具体的な方法は下記をご参照くださいませ。
90-90ペルビックティルト/ピラティスリフォーマー
https://imok-academy.com/exercise-90%e2%88%9290pelvic_tilt
腰椎の安定性は大切ですね。次回は腰椎椎間関節についてお話していきます。
股関節との関連は下記をご参照ください!
https://imok-academy.com/hip-joint-about-muscle
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
機能解剖に基づいた評価からエクササイズまでを学びたい、という方のためのセミナーを開催しておりますので、ご参加をお待ちしております。
https://imok-academy.com/imok-seminer
※参考文献
福林徹:腰痛のリハビリテーションとリコンディショニング.文光堂.2011.
坂井健雄監訳:グラント解剖学図譜第6版.医学書院.2011.