こんにちわ。
imok株式会社の古城奈々絵です。
今回は「90−90 ペルビックティルト」のエクササイズをご紹介させて頂きます。
現代人に多い姿勢
街中で何気なく立っている方の姿勢、あるいはクライアントの方に多い姿勢として、脊柱が伸展し、肋骨が外旋、骨盤は前傾位で固定されている「オープンシザースシンドローム」があげられます。
また、上記の姿勢でありながら足部に対して骨盤が前方にスライドしているスウェイバック姿勢の方も多いです。
このような姿勢の方々を改善するためのエクササイズを紹介していきます。
90−90 ペルビックティルト
「ペルビックティルト」というエクササイズはご存知の方も多いのではないでしょうか。
名前の通りのエクササイズで「骨盤を傾ける」エクササイズになります。
90−90となっているのは、股関節、膝関節を90度のポジションで行っているからです。
基本的に「90−90」とついているものは、上記のポジションをとるものと覚えておいてくださいね。
やり方
- リフォーマーに仰向けになります
- フットバーに足部を当てます(踵骨、舟状骨あたり)
- フットバーを床に押し付けるようにして骨盤を後傾します
- 骨盤の後傾を保ち呼吸を繰り返します
目的
- 脊柱の牽引
- 骨盤のポジションを整える
- 呼吸の改善
エクササイズの狙い及び理論背景
90−90のポジションで行う理由としては、以下の2つです。
・骨盤の後傾を促しやすくするため
・ハムストリングを利用しやすくするため
骨盤の後傾は大殿筋でもできますが、大殿筋よりもハムストリングのほうがテコが長くなる為効果的に骨盤が後傾出来ることや、骨盤下口の前額面での動きに影響する為です。
また、最初に紹介したオープンシザースの姿勢で脊柱が伸展した状態の方は、脊柱全体に圧縮ストレスがかかりやすい状態です。骨盤を後傾した仰臥位になることで、脊柱に牽引をかけることが出来ます。
さらには、リブフレアを起こしていると横隔膜のドームの高さにあたるZOA が失われ、腱中心が下がりにくくなるため、本来の吸気を行うことが難しいくなります。骨盤の後傾を行い、腰椎が地面に固定をされることで、 横隔膜の右脚、左脚がFix Pointとなり、腱中心がMobile Pointになります。それによって吸気の際に横隔膜のドームが下がり、腹腔内圧を高めやすい環境を創ることが出来るようになります。
(横隔膜の機能解剖や呼吸のメカニズムなどについては、機能解剖&運動生理学のシリーズをご覧くださいませ)
よくみられる代償
多い代償動作は以下の3つです。
- 骨盤の後傾を腹直筋で行う
腹直筋がボコッと飛び出すような動きはNGです。
- 大腿四頭筋で押している
膝を伸ばすような動きで骨盤を後傾する方がいます。その際はキャリッジが動いてしまうので、キャリッジは一切動かないように骨盤を動かしましょう。
- 足関節の過剰な底屈
足関節を底屈させて、腓腹筋を過剰に働かせ膝関節の屈曲モーメントを生み出そうとする場合があるため、足関節も90度を保つぐらいで行いましょう。
以上、「90−90ペルビックティルト」のご紹介でした。
それでは、次のエクササイズでお会いしましょう!
imok株式会社
古城奈々絵