こんにちは。
理学療法士の中北貴之です。
今回は「腰椎の荷重支持機能」についてです。
椎体は部位によって大きさが違う⁈
腰椎は頚椎や胸椎に比べて容量が大きく、椎体の幅も広い構造をしています。
腰椎5個の合計重量は頚椎の7個の約2倍ともいわれます。
なぜ腰椎が大きいかといえば、荷重支持の役割を頚椎や胸椎よりも求められるからです。
腰椎における荷重支持の割合とは
荷重支持の主な組織は「椎間板&椎体」と「椎間関節&椎弓」です。
立位時の腰椎にかかる圧縮荷重の割合は、おおよそ「椎間板&椎体:椎間関節&椎弓=8:2」といわれています。
上位脊椎になるほど、荷重の割合は均等に近づいていきます。
さて、このように荷重支持においては「椎間板&椎体」が重要な役割となりますので、ここからは椎間板にスポットを当ててみたいと思います。
椎間板の特徴とは
椎間板は「髄核」「線維輪」「軟骨終板」によって構成されます。
さて、今回椎間板の特徴で押さえておきたいのが下記の2つです。
①加齢変化
②人体最大の無血管組織
加齢変化について
カラダにとって非常に大切な椎間板ですが、残念ながら20歳頃から髄核の変性が始まるといわれます。
髄核の水分量は若年時で85%以上ですが、成人では70%程度に低下し、加齢とともにどんどん低下していきます。
それによって弾力性なども失われていく訳ですね。
もちろん、加齢に逆らう事は出来ませんが、日頃からケアをしていくことが大切です。
その為の重要なポイントは、この後書かせて頂きますね。
人体最大の無血管組織とは
椎間板は線維輪の外側1/3を除いて血管がありません。
ここで疑問が生じませんか?
血管が無くてどうやって栄養供給してるの?
答えは、スポンジの原理です!
水の中にスポンジを入れると、スポンジに水分が流入します。そしてギュッと握るとスポンジから水分は流出していきます。
椎間板も同様に圧力負荷が加わると水分が拡散し、圧力負荷が減少すると水分が流入してくるようになっています。
つまり、動かないと水分の出入りが生じないので、栄養も供給されないということです。
それは困りますね。
ただでさえ加齢変化によって水分量が低下するうえに、栄養供給まで滞ってしまうと変性は進行してしまいそうです。
どうすれば良いか?
解決策は、適度に動くことです!
動くことで圧力負荷が増加したり減少したりしますので、栄養供給がされます。
デスクワークで座りっぱなし、という方も30分に一度は立ち上がって伸びをしたり、姿勢を変えたり、トイレに行くなど、こまめに動くことがオススメです。
椎間板に栄養補給をする為のおすすめエクササイズ
そして、ピラティスリフォーマーは臥位、座位、立位と様々な姿勢でエクササイズできる素晴らしいツールです!
まさに「Exercise is Medicine」ですね!
おすすめのエクササイズはこちら↓
https://imok-academy.com/catback-exercise/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※参考文献
非特異的腰痛で知っておきたいこと.Monthly Book Orthopaedics26(12).2013.
腰椎・腰部の機能解剖.理学療法28(5).2011.
荒木秀明:非特異的腰痛の運動療法.医学書院.2014.
福林徹:腰痛のリハビリテーションとリコンディショニング.文光堂.2011.
坂井健雄監訳:グラント解剖学図譜第6版.医学書院.2011.