機能解剖学&運動生理学

膝関節の機能解剖1|膝関節の特徴とは

こんにちは。
理学療法士の中北貴之です。

今日は膝関節の特徴についてお話します。

膝関節の構成について

膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨組織からなり、脛骨と大腿骨からなる「内側及び外側脛骨大腿関節」と、膝蓋骨と大腿骨からなる「膝蓋大腿関節」によって構成されています。

この3つの関節が1つの構成体として機能し、膝関節特有の動きが生じています。

不安定な構造の膝関節

膝関節の特徴の一つが、不安定な構造であるということです。

膝関節の中でも脛骨大腿関節は、脛骨という比較的平面な骨の上に、大腿骨という丸い形状の骨が乗っているような構造です。

仮に筋肉や靱帯などの軟部組織を全て取り除き、残った大腿骨と脛骨の関係を野球の道具で例えると、脛骨がバットで大腿骨がボールだとご想像ください。

すると、ちょうど脛骨というバットの上に大腿骨というボールが乗っているような関係になります。

まぁまぁ不安定ですね。

お隣さんの股関節と比べてみても一目瞭然で不安定ですね。

股関節の解剖イラスト股関節 VISIBLE BODYで作成
膝関節の解剖イラスト脛骨大腿関節 VISIBLE BODYで作成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは困るので、靭帯や筋、半月板などが補強しています。

有名どころでいうと「前・後十字靭帯」「内側・外側側副靱帯」「内側・外側半月板」などは一度は耳にしたことがあるかと思います。

さて、そんな不安定な関節なので変形もしやすいです。いわゆる変形性膝関節症ですね。

骨の変形は動き過ぎてしまう部分に生じます。「動き過ぎちゃ嫌だ~」と骨が頑張って骨棘を形成した結果です。

骨の頑張りが涙ぐましいですね。

データで見てみましょう。

変形性膝関節症の患者数は全国で3000万人とされています。

同じ下肢の関節である股関節においては、変形性股関節症の患者数は120万人~300万人とされていますので、その差は圧倒的ですね。

さて、前述のとおり様々な軟部組織が不安定な膝関節を支えていますが、膝関節は角度によって安定性が変化します。

屈曲角度による安定性の違いとは

最も安定する角度は、完全伸展位です。

なぜ安定するかというと、理由は2つあります。

膝関節が伸展位で安定する理由

①大腿骨と脛骨の接触面積が広い

②靭帯による制動が強く働く

スポーツ選手が膝のケガをする時は、軽度屈曲位で回旋ストレスが加わった場合が多いですよね。

変形性膝関節症においても、膝の伸展制限があることで歩行時のラテラルスラストが生じやすくなるため、疼痛の原因や変形を進行させる一因になったりします。

ラテラルスラストとは?

歩行時の立脚中期に生じる膝関節の横ブレのこと。

正常歩行では、立脚初期で若干の横ブレが生じるが、立脚中期では内外転0度に戻る。

今回は膝関節の特徴として「不安定性」についてお話しました。

膝関節の安定性に関与する代表的な筋である「内側広筋斜走線維」のエクササイズはこちら↓
https://imok-academy.com/lowoblique-vmo-activation/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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※参考文献
宗田大:膝痛知る診る治す.メジカルビュー社.2007.
園部俊晴:改訂版スポーツ外傷・障害に対する術後のリハビリテーション.運動と医学の出版社.2010.
斉藤秀之:極める変形性膝関節症の理学療法.文光堂.2014.
膝疾患の機能解剖学的病態把握と理学療法.理学療法29(2).2012.