こんにちは。
分子栄養学認定カウンセラーの千野ひとみです。
健康志向の広がりから、普段の食事に玄米を取り入れている方、とても多いように感じます。
ですが、食品は何でもそうですが、良い面と悪い面どちらも併せ持ちます。
そのため、玄米について理解した上で、自分に合った食べ方を見つけていけるようになると良いかと思います。
玄米とは
玄米は、「栄養が豊富」、「ダイエットに良い」などのイメージから、白米の代わりに食事に取り入れている方も多いと思います。
ここでは、玄米についてもう一度確認していきましょう。
玄米とは、収穫した後、もみ殻を取り除いた状態のお米です。
もみ殻を取り除いただけなので、胚芽とぬかが残っている状態です。
一方、白米は、精米することで胚芽やぬかも取り除き、胚乳だけになったもののことを言います。
胚芽やぬかの部分に、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富なことこそ健康に良いと言われる理由ですね。
また、玄米は白米と比べて硬さが残るため、よく噛むことを促すことで、満腹感が得られるということもありますね。
玄米は血糖値の上昇を抑える
玄米は、白米と比べて、食後の血糖値の上昇が高くありません。
お米にはでんぷんが含まれていますが、このでんぷんは、アミロースとアミロペクチンという成分でできています。
アミロペクチンは、粘り気をつくり、もっちりとした食感を生み出します。
そして、分解しやすい構造をしているために、血糖値が上がりやすいんです。
アミロースが0%でアミロペクチン100%のものがもち米です。
アミロペクチンの割合が高く、アミロースの割合が低いと、もちもちとした粘り気のある食感がうまれます。
コシヒカリやあきたこまちといったお米が有名です。
反対に、アミロペクチンの割合が低く、アミロースの割合が高いと、粘り気が少なく少しパサっとした食感になります。
ササニシキ、ひとめぼれ、ジャスミンライスなどです。
品種にもよりますが、一般的に玄米はパサつきがあり、血糖値の上昇を抑えられるとされています。
玄米に含まれる栄養素
玄米は、栄養素が豊富に含まれます。
- ビタミンB₁:糖質をエネルギーに変える時に必須の栄養素
- ビタミンB₂:脂質をエネルギーに変える時に必須の栄養素、活性酸素の除去
- ナイアシン:3大栄養素全ての代謝に必要、解毒作用、抗酸化作用、抗アレルギー作用
- パントテン酸:エネルギー産生
- ビタミンB₆:ヘモグロビンや神経伝達物質の合成
- γオリザノール・フェルラ酸:酸化防止作用
- フィチン酸:抗酸化作用、抗がん作用
- γアミノ酪酸(GABA):高圧作用、交感神経の抑制
フィチン酸による影響
上記で挙げた玄米に含まれる栄養素の中から、フィチン酸の働きについて見ていきます。
フィチン酸は、重金属をはじめとする発がん物質を吸着して体外に排泄させる働きがあるとして、抗がん作用があると言われています。
その一方で、鉄や亜鉛、銅といった必須ミネラルともくっ付き、排泄させてしまうんです。
つまり、せっかくミネラルの多い食品を食べていたとしても、玄米と一緒に摂取することで、実は吸収されていない可能性が高いんです。
健康な方が、1週間のうちに数回食べるぐらいであれば特別な問題にはならないかと思います。
ですが、現代の女性は細身で、食事は加工食品やインスタント食品ばかり、その影響で鉄などのミネラルが不足している方がとても多いです。
鉄が不足すると、頭痛や疲労感、冷え性などの症状が現れます。
そんな栄養状態の方が積極的に玄米を食べることで、ただでさえ足りていないミネラルが摂取できず、体調不良を訴えることは想像できます。
さらに、玄米は胚芽やぬかが残っていますので、白米と比べて消化が大変な食品です。
そのため、胃腸機能が低下している方、日常的にお腹が張っている方や、ガスが溜まるような方は避けた方が良いかと思います。
今の自分の身体の状態を知り、自分に合った食事方法を見つけることが大切ですね。