こんにちわ
本日は脳幹にある網様体について一緒に学んでいきたいと思います
網様体って何?と思われる方も多いと思いますが、姿勢や筋緊張の改善、痛みの抑制から自律神経系や睡眠、覚醒などにも関わる重要な部位になりますので、基本的な所から確認していきましょう!
網様体とは
網様体は、19世紀の解剖学者がニューロン、軸索、樹状突起が入り混じりながら非常に密に凝集している形態から名付けたと言われていて、多くの神経核からなります
中脳や橋、延髄をまたぐ様に脳幹の中心部に存在する為、中枢神経系の様々な部位からの入力を受け、様々な部位に出力をしています
脳幹網様体の領域
橋、延髄レベルの下位脳幹網様体領域においては、出力の領域と介在ニューロンの領域が区分されています
橋、延髄網様体の内側約2/3は出力の領域であり、大型のニューロンが含まれていて、その大型のニューロンからは、間脳や脊髄に直接投射する上行性・下行性の投射線維が起始しています
これらの領域は、大細胞領域と言われ、延髄吻側部の大細胞領域には、特に大型のニューロンを含む部分があり、巨大細胞性網様核と呼ばれ、延髄網様体の尾側部には、大細胞性網様核と呼ばれる部位が存在します
それに対して、橋・延髄網様体の外側1/3にある介在ニューロン領域は、小細胞領域と呼ばれています
脳幹網様体の機能
脳幹網様体の機能は多岐にわたり、代表的なものとして以下が上げられます
随意運動及び筋緊張や筋反射
呼吸や循環器、排尿などの自律神経系の活動
睡眠や意識レベルの制御
脳神経が関わる活動
遅い痛覚(C線維)の伝達と調節
その為、脳幹網様体が機能低下を起こしていると、筋緊張や自律神経系のコントロールが上手く行えずに、緊張が強く、交感神経が優位な状態になったりすると考えられます
例えば、交感神経が優位なことで血圧が高かったり、脈拍が速かったり、睡眠が乱れることなども考えられます
更には、痛みの抑制にも関わる為、脳幹網様体が機能低下を起こしていると、慢性的な痛みを感じやすいことが考えられ、逆に言えば、活性化をすることで慢性的な痛みの抑制に効果的であると考えられます
入力と出力
先述の様に網様体への入力は、中枢神経系の全ての部位からくるが、特に大きく影響をするのが、脊髄、小脳、大脳、脳神経です
延髄および橋の網様体内側部には、脊髄の前外側を上行する脊髄網様体路からの投射が非常に多く、大脳皮質の主に感覚運動野からの投射も橋、延髄レベルの網様体に投射します
脳神経からは、主に三叉神経、前庭神経の二次感覚ニューロンからであり、迷走神経や舌咽神経からも少し入力があり、下垂体や視床、大脳基底核からの下行線維は、中脳レベルの網様体に投射します
そして、小脳からの入力は部位によって異なり、バランスや姿勢に関係する入力は、主に前庭小脳から入って、延髄の網様体レベルに投射されるのに対し、脊髄小脳は中脳や橋のレベルの網様体に投射します
網様体からのアウトプットに関しては、脳幹の全ての神経核に投射され、網様体からの線維は、脊髄にも下行し、大脳にも上行するなど、広い範囲にわたって影響を及ぼします
その為、エクササイズを通して、小脳や大脳皮質を活性化することで、脳幹網様体も活性化をすることが考えられますので、ボディワークやトレーニングというのは、筋肉などだけではなく、脳の活性化のトレーニングとも考えられます
ひいては痛みの抑制や筋緊張の抑制、自律神経系の制御などにも繋がるということですね
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