栄養&消化&免疫

脂質の代謝に欠かせないもの

脂質

こんにちは。
分子栄養学認定カウンセラーの千野ひとみです。

今日は、脂質の代謝について見ていきましょう。

脂質の代謝は、なかなか大変なんです。

脂質とは

脂質とは、大きく分けて、中性脂肪とリン脂質、コレステロールに分類されます。
その中でも、今日は中性脂肪について見ていきましょう。

中性脂肪は肉や魚、食用油など食品に含まれる脂質や、体脂肪の大部分を占める物質です。

食品から摂取した中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールという2種類の部品でできている大きな分子であるため、小さくしないと吸収することができません。

また、脂肪は油なので、水に溶けません。
そのため、「ミセル化」という方法で水溶性の物質にしてから、体内に吸収されます。

脂肪は、ミセル化しないと吸収されない

脂肪の消化に欠かせないもの

私たちが摂取した食物を消化するためには、消化酵素が必要です。
唾液に含まれるアミラーゼや、胃で分泌されるペプシンなどですね。

脂肪の消化には、膵リパーゼという消化酵素と胆汁酸、カルニチンが欠かせません。

膵リパーゼ

膵リパーゼは、膵臓で合成される膵液に含まれている、脂肪を分解する消化酵素です。
膵リパーゼは、脂肪を、2つの脂肪酸とグリセロールに分解します。
中性脂肪分解

胆汁酸

2つの脂肪酸とグリセロールに分解された脂肪は、さらに胆汁酸と混ざることで、「ミセル化」されます。

「ミセル化」とは、水に馴染みやすい構造になることで、水に溶けやすくさせることです。

ミセル化

マヨネーズを手作りしたことはありますか?
マヨネーズ作りには、下記の材料が必要です。
 油・卵黄・塩・酢
油とお酢だけでは分離してしまい、混ざることはありません。ですが、そこに卵黄が入ることで、滑らかに混ざり合い、クリーム状のマヨネーズができあがります。

手作りマヨネーズ

こういった反応のことを乳化、乳化された油のことを「ミセル」といい、脂肪の吸収時には、同じようなことが体内で行われているんです。

 

カルニチン

カルニチンは、脂肪をエネルギーとして利用する時に不可欠の物質です。

脂肪がエネルギー生成に利用されるためには、エネルギー生産工場である細胞内のミトコンドリアに入る必要があります。
ですが、脂肪は、そのままではミトコンドリア内に入ることができず、カルニチンを必要とします。

カルニチンは、アミノ酸を原料として体内で合成していますが、年齢とともに、その量は減少します。
そのため、肉類をあまり食べない方や高齢の方は、脂肪がエネルギーとして使われず、体脂肪として蓄えられやすいといったことが起こります。

胆汁酸の原料はコレステロール

先程説明した、脂肪を「ミセル化」するために必要な胆汁酸は、体内で1日に1Lも合成されているといいます。
そして、この胆汁酸の材料となるのは、「コレステロール」です。

コレステロールは、健康診断の結果によっては悪者にされがちですが、脂肪の吸収には欠かせない物質なんですね。
一概には言えませんが、もしLDLコレステロール値が100以下の場合、胆汁酸が十分量つくられていない可能性があります。

胆汁酸は、脂肪の吸収だけではなく、他にも、解毒や殺菌といった作用も持っています。

そのため、胆汁酸が不足することにより、体内に入ってきた毒物を排泄できなかったり、食物を殺菌できず、小腸内で菌が繁殖してしまうSIBOを引き起こしたり、様々な問題が発生します。

さらに、コレステロールは、女性ホルモンや男性ホルモンの原料でもありますので、月経に伴うトラブルや性欲減少、妊娠への影響も考えられます。

 

このように、脂肪の代謝には必要な物質も多く、いくつもの段階を経て、エネルギーとして利用されます。