機能解剖学&運動生理学

足関節・足部の機能解剖8|足底腱膜

こんにちは。
理学療法士の中北です。

本日は、足部の機能において重要な組織の一つである、足底腱膜についてお話いたします。

足底腱膜の解剖

足底腱膜の解剖イラストVISIBLE BODYで作図

 

まずは足底腱膜の解剖から確認していきましょう。

足底腱膜は、踵骨結節内側から第1~5趾の基節骨に付着する強硬な腱膜で、内側線維束・中央線維束・外側線維束の3つの線維束から構成されています。

また、踵骨を介して筋腱複合体(下腿三頭筋ーアキレス腱)と連結するため、足底腱膜の張力は筋腱複合体に影響を与えており、逆もまた然りです。

足底腱膜と筋腱複合体連結のイラストVISIBLE BODYで作図

 

なお、足底腱膜と腓腹筋内側頭の停止腱との連絡が認められる例があることや、足底腱膜炎患者の腓腹筋内側頭の筋膜切開法の術後成績が良好であることなどから、下腿三頭筋の中でも腓腹筋内側頭の過緊張や伸張性が、足底腱膜の伸張性への影響も大きいと言われています。

足底腱膜の機能

続いては、足底腱膜の機能について確認していきましょう。

足部の機能で重要なことが「衝撃の吸収」と「推進力の形成」ですが、足底腱膜はその両方において活躍します。

通常歩行において、立脚初期のイニシャルコンタクト(踵接地)の際には、体重の1.2~1.5倍もの負荷が身体に掛かるといわれており、立脚初期から立脚中期にかけて距骨下関節とショパール関節が回内し、リスフラン関節が背屈することで、足底腱膜が伸張されて衝撃を吸収します。なお、この衝撃緩衝作用のことを「トラス機構」といいます。

トラス機構のイラストトラス機構 VISIBLE BODYで作図

 

また、足底腱膜は推進力の形成にも重要な役割を担っています。

通常歩行では、立脚初期から立脚中期にかけては前述のように衝撃吸収機能が求められますが、立脚中期以降は推進力形成のために足部は剛性を高めていく必要があります。

踵離地から足趾離地にかけての中足趾節関節の背屈に伴い、基節骨に付着している足底腱膜も緊張が増加し、中足骨と踵骨が引き寄せられて足部のアーチが高くなります。なお、この作用を「ウィンドラス機構」と呼びます。

足底腱膜の緊張に伴いアーチが高くなり、足部の剛性も増加して推進力が向上していくわけですね。
そのため、このウィンドラス機構が上手く機能していないと、足部の剛性増加による力の伝達が不十分となるため、それを補うために下腿三頭筋などがプッシュオフ時に過剰に働くことになり、筋腱複合体の障害にもつながることが考えられます。

ウィンドラス機構のイラストウィンドラス機構  VISIBLE BODYで作図

 

以上のように、足底腱膜は「衝撃緩衝作用」と「推進力形成」において大活躍しますので、足部のアーチが適切に保たれることがとても大切ですね。

足底腱膜のケア

それでは最後に、足底腱膜を良い状態に保つためのセルフケアをご紹介いたします。

足底腱膜は「踵骨下脂肪体」と「短趾屈筋・母趾外転筋・小趾外転筋・足底方形筋」に挟まれるような形で走行しているため、これらの組織が硬くなると、足底腱膜に掛かる負荷が増加します。

もともと柔らかいクッションに挟まれていたのに、硬い板で挟まれることになるようなイメージですね。

踵骨下脂肪体のイラストVISIBLE BODYで作図
足部深層筋群のイラストVISIBLE BODYで作図

 

踵骨の足底面をマッサージすることで、踵骨下脂肪体や深層筋群をほぐすことが出来ますので、ご自身でも簡単にケアが可能です。
なお、圧迫して潰すような方法よりも、踵骨下脂肪体は内側と外側から寄せ集めるようにしたり、深層筋群は左右に滑走させるやり方が個人的にはオススメです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。