食事と栄養と免疫

3分で分かる栄養!~炭水化物とは?~

こんにちは。

imok株式会社で活動している理学療法士の中北です。

3分でわかる栄養シリーズ、本日は「炭水化物」についてお話いたします。

炭水化物は3大栄養素の一つであり、身体にとって非常に大切な栄養素ですね。ちなみに、炭水化物は「糖質」と食物繊維」の総称です。

糖質

糖質は、筋肉や内臓、脳など様々な細胞のエネルギー源となります。なお、糖質は赤血球の唯一のエネルギー源でもあるため、貧血の改善などにも重要な栄養素の一つです。

それでは、詳しく糖質について見ていきましょう。糖質は以下のように分類されます。

・単糖類(ブドウ糖など)

・二糖類(ショ糖など)

・多糖類(デンプンなど)

単糖類の結合数によって二糖類、多糖類といった具合に分類されます。人体が吸収することが出来るのは単糖だけなので、二糖類や多糖類は単糖まで分解される必要があるため吸収速度も遅くなります。

そして、単糖類はさらに「グルコース」「フルクトース」「ガラクトース」に分類されます。

単糖類の分類と特徴

①グルコース(ブドウ糖)

 ・脳の主たるエネルギー源。

 ・インスリン分泌作用を有する。

②フルクトース(果糖)

 ・インスリン分泌作用は極めて低い。

 ・代謝経路がグルコースとは異なり、中性脂肪になりやすい。

③ガラクトース(脳糖)

 ・ラクトース(乳糖)の成分。

 ・インスリン分泌作用は低い。

フルクトース(果糖)は中性脂肪になりやすい経路で吸収されるため、「健康のために~」と言ってフルーツを食べ過ぎないように注意が必要ですね。もちろん、適量食べて頂く分には問題ありません。

さて、単糖は小腸で吸収されて肝臓へと送られ、フルクトースとガラクトースは肝臓でグルコースへと変換されます。

エネルギーとして使われずに余ったグルコースは、グリコーゲンに変換されて肝臓や筋肉に貯蔵されますが、貯蔵時には水と結合するという性質を持っているため(グリコーゲン1gで3ccの水と結合)、多くのスペースが必要になります。

そのため、肝臓には100g程度、筋肉には500g程度しか貯蓄できないので、余った分は全て中性脂肪になります。食べ過ぎは要注意ですね!

食物繊維

食物繊維は構造的には高カロリー食なのですが、ヒトは食物繊維の消化酵素を持っていないため、食物繊維をエネルギーとして利用することは出来ません。

一方で、牛や豚、ヤギなどの草食動物は食物繊維の消化酵素を持っているため、食物繊維をエネルギーとして利用できます。だから草ばかり食べていてもあんなに大きくなれるんですね!

食物繊維は食物の腸への流れをゆっくりにしてくれるため、食物の吸収が遅くなります。また、脂質を吸着してくれる役割もあるため、摂取カロリーを抑えることができます。これらを考えると、食物繊維を多く含む食品(下記参照)から食べるということは、ダイエットにも良さそうですね。

ただし、ダイエットのために糖質を減らして野菜から食べることで、便秘を悪化させる可能性があります。その理由が、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の違いです。

水溶性食物繊維の特徴

①腸内細菌のエサとなり、腸内環境が整う

②脂肪を吸着する働きが強い

③便を軟らかくする

④海藻類、玉ねぎ、キクイモ、こんにゃくに多く含まれる

不溶性食物繊維の特徴

①腸の運動を活発にする

②満腹感を促す

③便の容積を増やす(便秘中は便秘を悪化させる)

④野菜やきのこ類に多く含まれる

本日は炭水化物についてお話いたしました。

炭水化物=太るといったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、体のエネルギー源、特に脳や赤血球のエネルギー源としても非常に大切な栄養素です。

適量を摂って、健康的な身体を維持していきましょう!

※参考文献および書籍

・栄養コンシェルジュ協会テキスト

・川合智氏「細胞と細菌を考慮したセルフコンディショニング法」セミナーテキスト

・ポケットアトラス栄養学

・新スタンダード栄養食物シリーズ 生化学

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

imok株式会社

中北貴之