こんにちは。
imok株式会社で活動している、健康経営アドバイザーの中北です。
本日のテーマは「座位行動時間と健康の関係について」です。
座位行動時間
近年、座り過ぎが健康に及ぼす影響についての研究が盛んに行われており、本やテレビでも”座位行動”という言葉が頻繁に見られるようになりました。
座位行動とは、「座位および臥位におけるエネルギー消費量が1.5メッツ以下のすべての覚醒行動」と定義されています。
メッツとは、運動強度の単位を表すもので、安静に座っている状態を1として、様々な活動がその何倍のエネルギーを消費するのかを示した、活動強度の指標です。
例えば、立って会話をしている状態は1.8メッツ、屋外歩行であれば3メッツ、階段を登るのであれば4メッツ、ゆっくりとしたジョギングであれば6メッツ、レースレベルの自転車であれば12メッツなど、様々な日常生活活動や運動の、活動強度の目安が設定されています。
また、メッツをもとに消費カロリーを計算することもでき、以下のような計算式があります。
消費カロリー=メッツ×活動時間(単位:時間)×体重×1.05
例えば、体重60kgの人が、30分間のウォーキング(普通のペース)をした場合は、
3.0メッツ×0.5時間×60kg×1.05=94.5kcalのカロリー消費
ということになります。
皆さんも、メッツをもとに消費カロリーを計算してみてください。
身体活動のメッツ一覧表は、「国立健康・栄養研究所」という所が出してくれています。↓↓
この座位行動時間が注目され始めた経緯としては、一日の覚醒時間の大半を「低強度身体活動」と「座位行動」が占めている為です。
低強度身体活動とは、3メッツ以下の活動のことを指しており、3メッツというのは”普通に屋外を歩く程度の活動”ですので、それよりも強度が低い活動が当てはまります。
一方で、中高強度身体活動とは”息が弾み汗をかく程度の活動”です。
健康を推進するうえでは、中高強度の身体活動を毎日60分以上、中高強度の運動を週60分以上行うことが推奨されていますが、一日の大半を占めているのは低強度身体活動と座位行動時間であり、その中でも座位行動時間を減らすことが健康増進につながります。
座り過ぎが身体に良くない理由
それでは、なぜ座位行動時間が増えると身体に良くないのでしょうか。
座位行動時間が多くなると、血流の低下や代謝機能の低下につながり、死亡リスクが増大すると言われています。
例えば、座位時間が4時間未満、4~8時間、8~11時間、11時間以上のグループに分けた場合、死亡リスクは座位時間が長くなるにつれて約11%ずつ増加するというPloegらの報告があります。
また、余暇の過ごし方ついての研究でも、テレビ視聴や読書などによる座位時間が1日6時間以上の人は、3時間未満の人に比べて、死亡リスクが男性で17%、女性で34%も増加することがPatelらによって報告されています。
これらのことから、座り過ぎは身体に良くないという見解が広まりました。
日本人の座位行動時間は世界一!
ここまでお話してきたように、座位行動時間は少ない方が健康のためには良いとされていますが、なんと日本人の座位行動時間の長さは世界一なんです!
ちょっと不名誉な記録ですね。
シドニー大学が行った「世界20ヵ国を対象とした平日の総座位時間」の調査では、日本はサウジアラビアと並んで、7時間で最長という結果でした。
今回の調査の中で最も座位時間が少なかったポルトガルは、2.5時間という結果でしたので、日本より65%も少ないということですね。
なぜこのような結果になったのかは不明ですが、日本人は働き過ぎなのかもしれませんね。
特にデスクワーク業務が多い方は、30分に1度は立ち上がり、歩いたり軽くストレッチをしたりして、できるだけ筋肉を動かして血流を良くするようにしてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
imok株式会社
中北貴之