神経系と感覚器のしくみ

姿勢とは

 

こんにちわ。

imok株式会社の小林俊夫です。

今日から「姿勢」や「姿勢の制御」について考えていきたいと思います。あまりカッチリし過ぎずに、リビングでTVでも見るかの様に、楽しみながら読みつつ、脳みそを一緒にグルグルと回していければ嬉しく思います。

全身の骨格

姿勢とは?

そもそも「姿勢」とは何か?という話になると、一般的に「身体各部の相対的位置関係である」といった感じで定義をされることが多かったり、身体の「構え」や「身体全体の形」を表す言葉として用いられますよね。

昔読んだケンダルの書籍(筋・機能とテストー姿勢と痛みー 西村書店)では、以下の様に記載をされていました。

姿勢(Posture)とは、運動に対する身体の全関節の肢位(Position)を合成したものである。

 

繰り返しになりますが、「姿勢」とは、身体各部位の相対的な位置関係や全体の形を表すものとし、ここでは特に、お客様が悩みを抱えていることの多い立位姿勢や座位の姿勢について考えていきたいと思います。

良い姿勢とは?

姿勢について考える時、「良い姿勢」と「悪い姿勢」というものに分類をして考えることが多いですよね。

運動指導者の場合、身体各部位のランドマークに基づき、外果-膝関節-大転子-肩峰-外耳などが一直線に揃っていることや前額面上の左右差が無い姿勢を「良い姿勢」の基準とされている方が多いのではないでしょうか?

しかし、統一をされた「良い姿勢」の定義はなく、「どの視点から考えるか?」によって「良い姿勢」というものは変わってきます。

例えば、基礎運動学(医歯薬出版株式会社)などでは、以下の様に分類されています

  1. 力学的視点
  2. 生理学的視点
  3. 心理学的視点
  4. 作業能率的視点
  5. 美学的視点

上記の各項目を備えている姿勢が良い姿勢と考えることが出来ますが、こうした様々な視点があることによって、一般のお客様や選手、患者さんは混乱をしてしまうことが多いのではないかと思いますし、相反することも考えられます。

例えば、一般のお客様ですと、美学的な視点を意識するあまり、常に背中を伸ばそうと全身に過剰な力が入ってしまっていたり。そうすると、生理学的視点や作業能率的な視点からは、良い姿勢とは言えない場合も多く見られます。

全ての観点を満たす良い姿勢というものを、一朝一夕でつくることが出来る訳ではありませんので、我々がお客様の現在の身体の状態や目的に合わせて、適切なサポートをしていくことが大切ですよね。

悪い姿勢とは?

そして、「悪い姿勢」を考える際、先述の外果-膝関節-大転子-肩峰-外耳のラインがずれている場合を「悪い姿勢」と捉え、そのずれ方によって「不良姿勢」として以下の様に分類をしていることが一般的なのではないでしょうか?

  • 上位交差症候群
  • 下位交差症候群
  • スウェイバック姿勢
  • フラットバック姿勢など

しかし、「良い」、「悪い」というのは、どういった視点で考えるか?によって変わってくることと、上記の不良姿勢の分類に基づき、「〇〇筋が短い」、「〇〇筋が長い」から、「短い筋はストレッチをして、長い筋はトレーニングで鍛えましょう!」と行っても、なかなかお客様が望む効果は得られません。

お客様が望むより良い姿勢を創る為には、「なぜその姿勢になっているのか?」を考えることが大切になってきますので、次回は「姿勢の制御」について考えていきましょう。

imok株式会社 小林俊夫