神経系と感覚器のしくみ

運動ニューロンとは

こんにちわ

本日は筋肉の動きをコントロールする運動ニューロンについて、一緒に学んでいきましょう

私達、運動指導者にとっては必須の内容ですね!

運動ニューロンとは|上位運動ニューロンと下位運動ニューロン

そもそも「ニューロン」とは何か?ということを復習すると、ニューロンとは、「細胞体」、「軸索」、「樹状突起」の3つから構成される「神経細胞」のことです

詳しくはコチラをどうぞ

https://imok-academy.com/nuronglial-cell/

 その為、「運動ニューロン」とは、運動に関わり、骨格筋をコントロールする神経細胞のことです

 大脳で創られた運動プログラムは、脊髄を通り、各筋肉まで指令が送られる訳ですが、この運動ニューロンは、部位によって呼び方が異なり、脳から脊髄前角までを「上位運動ニューロン」、脊髄の前角細胞以下を「下位運動ニューロン」と呼びます

 それと同時に、押さえておきたいのは、筋肉の動きというのは、脳で創られた運動プログラムを筋肉に伝える、運動ニューロンだけが担っている訳ではなく、この運動ニューロンと興奮性、抑制性の脊髄内介在ニューロンが、共同して働く事によって制御されているということです

α運動ニューロンとγ運動ニューロン

脊髄の前角には、α運動ニューロンとγ運動ニューロンという2種類の下位運動ニューロンがあります

α運動ニューロン:大型、一般的に筋肉と呼ばれる錘外筋をコントロール

γ運動ニューロン:中~小型、筋紡錘の内側にある錘内筋をコントロール

 そして、骨格筋の深部には、約1㎝程度の紡錘系のカプセルの様な形をした「筋紡錘」と呼ばれる特殊な骨格筋線維が存在します。この筋紡錘の外側の筋線維が、一般的に「筋肉」と呼ばれる「錘外筋」であり、この錘外筋をコントロールしているのが「α運動ニューロン」

 α運動ニューロンの末端は、骨格筋にある神経筋接合部と呼ばれる部分に接合し、アセチルコリンを放出します。こうしてアセチルコリンが骨格筋に作用をすることで、活動電位が発生して、筋肉に収縮が起こります

 それに対して、感覚器の役割を持つ「筋紡錘」の中の線維のことを「錘内筋」と呼び、これを支配しているのが、「γ運動ニューロン」になります

 錘内筋線維の中央部には、Ⅰa線維と呼ばれる感覚線維がコイル状に巻き付いていて、錘外筋線維の長さに関する情報を、脊髄や脳など中枢へ送っています

α-γ連関

α運動ニューロンが筋肉に興奮性の指令を送る事で、錘外筋が収縮します。錘外筋が収縮をすることで、逆に筋紡錘は弛んでしまいます。そうすると筋紡錘は、筋の伸び縮みを計測出来なくなって、情報を脊髄や脳へ送らなくなってしまいます

 そうならない様に、錘外筋線維を収縮させるα運動ニューロンだけでなく、一緒にγ運動ニューロンも指令を送ることで、錘外筋の収縮により筋紡錘が弛まない様に、錘内筋線維の両端が収縮をすることで、錘内筋線維に一定の張りをもたせ、筋紡錘が長さを測定し、その情報を中枢に送る事が出来る様になっています

 これをα-γ連関(アルファガンマ連関)と呼び、バランスのとれた運動や姿勢の制御などを可能にしています

 筋紡錘は、細かな動きのコントロールが必要な手の筋肉(虫様筋など)に多く密集し、筋線維1g単位で比較すると、腓腹筋などの数十倍と言われています

 また、呼吸に重要な横隔膜には筋紡錘が存在しませんので、呼吸の際に「横隔膜を感じる」などは、物理的に不可能なので、キューイングには要注意ですね!

さらに身体に関する学びを深めたいという方は、『Pilates As Conditioning Academy』もご覧ください。
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