こんにちわ
本日は、間脳の視床について皆で学んでいきましょう
少しだけ復習をすると、中枢神経とは脳と脊髄のことであり、脳を部位によって分類すると、大脳、間脳、脳幹、小脳があり、視床、視床下部は間脳の一部になります
間脳とは
間脳は、多くの神経核が集合した灰白質のかたまりであり、大きくは視床、視床上部、腹側視床、視床下部の4つの領域に分けることができます
そして、その間脳の80%を占めるのが視床で、背側視床とも呼ばれ、中枢神経系で最大の神経核のかたまりです
視床上部:8~10㎜くらいの長さの卵形を成す無対の器官 松果体、手綱、内側手綱核、外側手綱核が存在し、松果体は睡眠や概日リズムに関わるメラトニンを夜間に分泌する
視床:間脳の80%を占め、左右に分かれているが、ヒトの70%は左右が癒合している。嗅覚以外の感覚情報の全てが、大脳皮質へ送られる前に視床で中継される
視床下部:わずか4g程度とサイズが小さいが、自律神経系の最高中枢であり、内分泌腺の活動のコントロールや、大脳辺縁系の情動に伴う行動表現にも関与するなど、機能が多用で複雑
腹側視床:中脳被蓋と背側視床の移行部にあり、視床下核が存在する
視床は感覚の中継地点
視床は中枢神経で最大の神経核であり、約120もの核が集合しています。そして視床は、中継核としての機能を持っているのが1つの特徴です
感覚には、いわゆる「五感」といわれる「特殊感覚」と「一般感覚(体性感覚&内臓感覚)」があるということを説明しましたが、嗅覚以外の感覚情報の全てが(嗅覚は、嗅神経によって嗅球の皮質に入力)、大脳皮質に到達をする前に、視床で中継をされます
https://imok-academy.com/sensory-organs/
こうした感覚性の中継核は、視床の尾側半に位置し、そこから異なるニューロンによって、大脳皮質へと情報が伝えられる様になっている為、視床は大脳皮質へのゲートウェイと言われます
そして、視床から大脳皮質へ至る放射経路を「視床皮質路(ししょうひしつろ)」といい、この経路を構成する線維を「視床放線(ししょうほうせん)」と呼びます
また、視床は神経シグナルを大脳皮質に中継するだけではなく、大脳皮質からも「皮質視床投射」を介して、豊富なシグナルを受け、視床の様々な神経核が大脳皮質と双方向に連絡をしています
視床と神経核の機能
視床に存在するそれぞれの核と機能についてみていきましょう
視床には、Y字型をした内側髄板という有髄線維の束があり、この薄い層である髄版によって、前部、内側部、外側部の3つの部位に分けられます
内側髄板より前にある核群を前核群、腹側にあるものを腹側核群、内側を内側核群、外側を外側核群として分類し、視床の後部には、内側膝状体と外側膝状体があり、外側髄板と内包の間に、細長い網様体核が存在する。
前核群:快や不快などの情動や記憶などに関わる「大脳辺縁系」における中継核。乳頭体や海馬などから入力を受けて、大脳辺縁系に出力する。
腹側核群:コーディネーションなどに関わる「小脳」と運動や姿勢&筋緊張などの調節に関わる「大脳基底核」からの入力を受け、前頭葉の運動野へ投射する
内側核群:「内嗅皮質」や情動に関わる「扁桃体」からの入力を受けて、前頭連合野などへ連絡する
外側核群:目の「網膜」からの入力を受けて、「感覚連合野」に投射する
外側膝状体:「視覚路の中継核」で、視覚情報を受け取り、後頭葉の「一次視覚野」へ投射する
内側膝状体:「聴覚路の中継核」で、聴覚情報を側頭葉の「一次聴覚野」に投射する
網様核:投射線維をもたずに、GABAを伝達物質とし、他の視床核の抑制系の調整を行う
視床と運動機能
視床の主要な機能の1つに、運動機能の制御があります
「小脳」と「大脳基底核群」が、運動機能の二大制御系とみなされていますが、視床-大脳皮質-小脳または大脳基底核の間には、ニューロン回路が存在し、小脳と大脳基底核による運動機能の制御にも重要な役割を担っています
それと同時に、視床皮質投射によって、大脳皮質のニューロン活動に影響を与えていて、覚醒などの意識レベルや注意にも関わると考えられます
運動を通して、様々な感覚の入力を行う事は、視床を活性化すると同時に、こうした運動制御機能を高めることにも繋がることが考えられますよね
車や電車で移動をし、デスクワークが中心の生活では、体性感覚の入力などが大幅に減少しますので、日頃から意識的に身体を動かす事が重要です
さらに身体に関する学びを深めたいという方は、『Pilates As Conditioning Academy』もご覧ください
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