機能解剖学&運動生理学

循環器2|心臓の構造と機能

こんにちは!

鍼灸あん摩マッサージ指圧師&トレーナーの小林俊夫です。

本日は、循環器を学ぶ上で欠かす事が出来ない心臓について、一緒に学んでいきましょう。

ポンプの役割を持つ心臓

まず、当たり前ではありますが、血液は自ら流れる事が出来ない為、血液が流れるには、心臓がポンプのように血液を押し出す必要があります。

心室から押し出された血液は、太い動脈血管から枝分かれをして抹消まで到達すると動脈から静脈へと血管を乗り換えて、太い静脈血管を経て心臓に戻ってきます

簡単に言うと、この様にして血液は全身を循環していますが、血液が心臓を出発して戻ってくるまでの時間はおよそ20秒となります。

これは年齢や性別や体格などによって変わりますが、200人ほどを対象とした実験結果の平均となります。

10代の方だと19秒ほどで、70代の方は22秒ほどとなりますので、年齢を重ねていくとスピードは落ちるようですね!

心房と心室とは

ポンプの様に血液を送り出す心臓ですが、以下の4つの部屋からできています。

  1. 右心房         
  2. 右心室
  3. 左心房         
  4. 左心室
心房と心室の解剖イラスト

これら4つの部屋は全て一方通行となっており、逆流が出来ないように「弁」と呼ばれるフタが付いています。

例えば、右心房と右心室の間には、「三尖弁」と呼ばれる弁があり、左心房と左心室の間には「僧帽弁」と呼ばれる弁があり、血液の逆流を防いでいます!

そして、この4つの心臓の部屋には、それぞれ役割があります。

  • 全身を回ってきた血液を受け入れる部屋
  • 血液を肺に送りだす部屋
  • 酸素をたくさん取り込んだ血液を全身に送り出す部屋

4つの部屋が協調して動くことでスムーズな血液循環が行えるのです。

ちなみに「ドックンドックン」で知られる心臓の音は、この4つの部屋の弁が開いたり閉じたりする音になります。

心臓の4つの部屋の役割

全身を廻ってきた血液は、下大静脈と上大動脈を介し「右心房」に戻ります。

右心房の解剖イラスト

この右心房に戻ってきた血液は、全身の細胞に酸素を渡し、炭酸ガスを回収して戻ってきたものになりますので、血液中の酸素は少なく、炭酸ガスが多い状態になっています。

そして、右心房に戻ってきた血液は、その下にある「右心室」へと入ります。

右心室に入った血液は、先述の三尖弁によって、逆流できない様になっており、心臓の収縮に伴って、左右の「肺」に向かう肺動脈に分かれ進みます。

肺動脈のイラスト

肺には外呼吸によって得られた酸素があるため、この時に集荷してきた二酸化炭素と肺の中にある酸素を交換し、酸素をたくさん含んだ血液となり、「左心房」へと移動します。

左心房と左心室のイラスト

そして、肺から送られてきた酸素をたくさん含んだ血液は、「左心室」に入り、全身にまた酸素を配りに行くのです。

左心室イラスト 心臓と胸大動脈のイラスト

まとめると、全身からの血液は右心房に集まり、以下の様に左心房へと移動します。

右心房→右心室→肺→左心房→左心室

そして、肺でガス交換を行い、酸素を豊富に含んだ血液は、左心室から全身の細胞へと送られて生きます。

左心室→全身の細胞→右心房→右心室→肺→左心房

 

ちなみに、哺乳類や鳥類は2心房2心室となるのですが、両生類は2心房1心室、魚類は1心房1心室となるため、陸で生活する「肺呼吸」に適した進化のようですよ!

 

まとめ

  • 心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室4つの部屋に分かれている
  • 全身からの血液は右心房に集まり、右心室から肺へと血液が送られる
  • 肺でガス交換を行った血液は、左心房へと送られ、左心室から全身へ
  • 全身の細胞で酸素と炭酸ガスを交換し、右心房へと戻る

次回は体循環と肺循環についてお伝えします。

最後までお読みいただき有難うございました。