こんにちは。
分子栄養学認定カウンセラーの千野ひとみです。
今日は、カゼインについてお伝えしていきます。
カゼインとは | 牛乳に含まれるタンパク質
カゼインとは、牛乳や母乳に含まれるタンパク質のことです。
このタンパク質には、ホエイという種類も含まれており、牛乳と母乳では、それぞれ含まれる比率が異なります。
(ホエイとは、牛乳から脂肪分等の固形分やカゼインを除いた半透明な液体で、ヨーグルトの上澄みにも溶け込んでいます。
牛乳は、カゼイン8:ホエイ2
母乳は、カゼイン4:ホエイ6
の割合で、牛乳には多くのカゼインが含まれています。
牛と人間とで、それぞれの赤ちゃんに適切な栄養比率になっているんですね。
さらに、牛乳と母乳ではカゼインの種類が異なり、牛乳はαカゼイン、母乳はβカゼインです。
乳児は、αカゼインは消化ができないため、厚生労働省が策定した「授乳・離乳の支援ガイド」では、牛乳は離乳が完了した1歳以降が望ましい、とされています。
牛乳が身体に与える影響
牛乳は、「骨をつくる」「カルシウムを補う」などといわれ、毎日の食事で飲んでいる方も多いと思います。
ですが、実際には、牛乳を飲みすぎることで、身体に悪影響を及ぼすこともあるんです。
カゼインによる、腸の炎症
カゼインは、分解されにくいアミノ酸であり、消化が不十分なまま腸に入ると、腸の粘膜を傷付け、炎症を引き起こします。
カゼインの摂取が続き、この炎症が繰り返してしまうと、徐々に腸粘膜に隙間ができ、リーキーガットシンドロームという状態を引き起こします。
リーキーガットシンドロームとは、腸のバリア機能が崩れ、異物や未消化のタンパク質等が体内に取り込まれ、全身の炎症やアレルギー反応を引き起こすことです。
https://imok-academy.com/leaky-gut-syndrome/
また、分解されたカゼインの一部(カソモルフィン)は、モルヒネに似ており、脳では麻薬のように認識されることで、中毒性が高くなるんです。
乳糖不耐症
牛乳などの乳製品を摂った後、お腹がゴロゴロしたり、下痢をしたことはありませんか?
もしかすると、「乳糖不耐症」かもしれません。
乳糖不耐症とは、乳糖を分解する酵素である「ラクターゼ」が体内で作られず、乳糖を分解することができない体質のことです。
日本人は、遺伝子的に、ラクターゼが欠損している人が多いようです。
カルシウムとマグネシウムのバランスが悪い
「牛乳はカルシウムが豊富」などと、身体に良いイメージがありますが、実はそうでもないんです。
牛乳に含まれるカゼインは、カルシウムと結合することで、カルシウムの吸収を高め、さらに、体内にカルシウムを運ぶ役割も担うため、カルシウムの摂取には優れています。
ですが、カルシウムは、マグネシウムと協力して働くため、カルシウムの摂取量だけが多くなってしまうと、弊害が生じます。
カルシウムは筋肉の収縮に、マグネシウムは筋肉の弛緩に働くので、お互いのバランスが大切なのですが、牛乳に含まれる両者の比率は、カルシウム11:マグネシウム1です。
https://imok-academy.com/calcium-and-magnesium/
このように、一般的に身体に良いとされる牛乳には、悪影響を及ぼしてしまう側面も多いんです。
母乳や牛乳は、乳児や子牛が成長するためには必要不可欠でありますが、大人が、敢えて日常的に牛乳を飲む必要はないのではないかと考えます。