栄養&消化&免疫

サプリメントは、食事の代わりにはならない

こんにちは。
分子栄養学認定カウンセラーの千野ひとみです。

皆さんは、サプリメントを飲まれますか?
ビタミン剤やマルチミネラル、プロテインなど、最近ではドラッグストアやスーパーでも販売されていますので、健康増進のために、日常的に飲んでいる方も増えてきました。

ビタミン剤

一方で、「食生活は乱れていても、サプリメントで栄養を補えば大丈夫」という考えをお持ちの方もいるようです。

今日は、「サプリメントは食事の代わりにはならない」というテーマでお伝えしていきます。

サプリメントとは

まず、サプリメントとは何でしょうか?
一般的には「ある特定の栄養素が凝縮されたもの」ですね。

いわゆる健康食品であり、栄養補助食品や機能性食品など、様々な名称があり、実は明確な定義はありません。

そのサプリメント、あなたに効いていますか?

何かしらの効果を期待して、サプリメントを飲んでいるかと思いますが、では、そのサプリメントは、あなたの身体に何かしらの効果をもたらしましたか?

もちろん、長期的に飲み続けることが大事なサプリメントもありますが、日々飲んでるサプリメントは、あなたが本当に飲むべきものなのでしょうか?

 

サプリメントの摂り方って、意外に難しいんです。
そもそも、自分にはどの栄養が足りていないのか、どのくらいの量を摂れば良いのか、さらに自分の身体は、その栄養を受け入れる準備ができているのか等、わかった上で摂取することが必要です。

サプリメントと食事の違い

サプリメントを、食事の代わりのように捉えている方もいるようですが、サプリメントと食事は全くの別物です。

サプリメント

消化器への負担

まず、食事で栄養を吸収しようとすると、食べたものを消化しなければなりません。
消化とは、口から肛門までの長い長い旅です。

消化器系

食べた食物は歯で噛み砕かれ、喉を通り胃に到達して消化を待ち、少しずつ少しずつ腸に送り込まれ、身体にとって必要な栄養が体内に取り込まれます。この途中には多くの消化酵素が必要で、体内に入っても問題ない状態にまで細かく消化されてから体内に吸収されます。

栄養を吸収するためには、この「消化」が欠かせません。

サプリメントの錠剤や飲料の場合、これらの消化器があまり働きません。
そのため、消化器の負担を抑えたい時や、お年寄りで噛む力が衰えている場合などは、サプリメントが有効かもしれません。

一方で、消化が必要のないものばかり摂取していては、消化機能は低下してしまいます。
すると、消化が必要な食事を摂った時、十分に消化されないまま腸に到達し、腸内環境を悪化させる要因となったり、食事に含まれる栄養が排泄されてしまうといったことになります。

含まれる栄養の、量やバランス

サプリメントは、「特定の栄養素が凝縮されている」ものですよね。
逆に言えば、基本的には「特定の栄養素しか含まれない」ものです。
マルチミネラルやマルチビタミンというように、いくつかの栄養素が含まれているものもありますが、ラベルに表記のある栄養だけが含まれます。

ですが、私たちの身体は、特定の栄養素だけでは働きません。
5大栄養素である、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル全てが必要です。

5大栄養素

さらに、例えばタンパク質の種類は10万種類以上もあるとされ、ものすごくたくさんの種類の栄養があることで、私たちの身体はうまく働いてくれています。

お肉=タンパク質のイメージが強いかと思いますが、もちろんタンパク質の種類も様々ですし、ビタミンやミネラルも含まれています。

このように、食事からは、少しずつですが本当に多くの栄養が摂取できるんです。
しかも、それぞれの栄養素のバランスも優れているものが多く、人間にたくさん必要なもの、微量で良いものなど、食品は、栄養を補う上で実はとても効率的なんです。

食品添加物

微量ですが、サプリメントには食品添加物が含まれています。
当然ですが、錠剤を固めたり、カプセルの材料だったり、企業のロゴマークを印字している錠剤もあったりしますよね。
もちろん商品にもよりますので、購入する時には、ラベル表記を確認して、できるだけ少ないものを選ぶようにしましょう。

 

サプリメントは、栄養を補えるとても優れたものではありますが、私たちの身体を健康的にするための基本は、やっぱり食事です。

栄養バランスのとれた食事を摂った上で、足りないものをサプリメントで補えると良いですね。