こんにちは!
鍼灸あん摩マッサージ指圧師&トレーナーの小林です!
今回は、呼吸において最も重要な筋肉である横隔膜について、詳しく説明していきます。
皆さん「胸郭(きょうかく)」は覚えていますか?
12対の肋骨と12個の胸椎と胸骨で構成された、身体の重要な臓器を守る構造物です。
まぁ、それはさておき、胸郭は肺に空気を入れるために動く必要があります。
特に、横隔膜と関係性が高いのが、下位胸郭(かいきょうかく)と呼ばれる、胸郭の中でも下の部分です。
それでは、どのように動くのか説明していきましょう!
バケツハンドルアクション
下位胸郭は下位肋骨で構成されています。
下位肋骨はバケツハンドルアクションとう動きを行います。
バケツハンドルアクションとは、バケツの取っ手のように動くことから名前が付いております。
バケツのハンドルは、このように動きます。
そして実際の下位肋骨は、この方向に動きます。
なぜこのように動くのか理解するには、前回の横隔膜の動き方が超重要になりますので、見逃してる方は確認してくださいね!
下位肋骨の動きのメカニズム
横隔膜は収縮すると、横隔膜のドームが下がってきます。
少しおさらいになりますが、「横隔膜の収縮」=「息を吸う」になります。横隔膜の構造は帽子のように、中心部が高くなっており、息を吸うと中心部が下降してくる仕組みとなっています。
なんで下降してくるんだ??
と思った方は前回の「呼吸のメインシステム」をご覧ください!
しつこいですね(笑)
息を吸い横隔膜の中心部が下降してくると、横隔膜の下にある内臓(腸とか)を押しつぶします。
押しつぶされた内臓は「ギュッ」となり、横隔膜の下降を止めることになります。
横隔膜が「これ以上は下がれません」といった状況です。
しかし、息をもっと吸うためには胸郭の拡張が必要であるため、今まで堅牢で動かなかった下位胸郭が外側に向かって引っ張られ始めるのです。
筋肉には起始と停止という概念があります。
基本的には、起始部に向かって停止部が近づくことが関節運動として紹介されますが、横隔膜の場合、起始部である肋骨側が最初は固定点となり、内臓にぶつかり下降できなくなると肋骨側の起始部が動くことになるため、起始部と停止部が逆転する現象を起こします。
これが呼吸においての正常な動きなのですが、ある特徴を持つ人にとって、バケツハンドルアクションが見られない方がいらっしゃいます。
バケツハンドルアクションが出来ない人
それはリブフレアしてしまっている人です。
バケツハンドルアクションは、横隔膜の下降が絶対条件になるのですが、リブフレアを起こしてしまっている方は、横隔膜の下降はあまり起きないのです。
横隔膜が下がるためには、横隔膜のアーチが必要です。
帽子で言えば、被るところの溝の深さです。
しかし、リブフレアを起こしていると溝の深さが無くなり、横隔膜が下降できなくなるため、内臓を圧迫することが出来ず、下位肋骨は動くことが出来ないのです。
渾身の作品!題名「からだのしくみ」
リブフレアを起こす事で、呼吸に問題が起きたり、お腹の筋肉が弱くなったりすることで、「肩こり」や「腰痛」などを引き起こしてしまうこともあります。
具体的な改善方法は、リフォーマーでの運動でご紹介しておりますので、ぜひご覧になってみて下さい!
横隔膜の重要性を少しは感じて頂けたでしょうか?
もっと詳しく知りたいという方は、今後、解剖学の方でもお伝えしますので、そちらでもご確認下さいませ!
リクエストがあれば、こちらでもしっかりと書かせて頂きます!
最後までお読みいただき有難うございました。
さらに身体に関する学びを深めたいという方は、『Pilates As Conditioning Academy』もご覧ください。
https://pilates-as-conditioning.com/