ボディワーク&エクササイズ

ピラティスエクササイズの選択方法と効果

 こんにちわ

imok株式会社の小林俊夫です

本日は、ピラティスをはじめとしたボディワークやエクササイズ選択の考え方について書いていきたいと思います

エクササイズ選択の考え方

パーソナルトレーニングやグループレッスンにおいて、日頃、様々なエクササイズを指導しますよね

その際、どの様な考えでエクササイズを選択しているでしょうか?

 エクササイズの選択において大切なのは、以下の様にWhy?から考えられている事ですね

Why なぜ行うのか?

What 何を行うのか?

How to どの様に行うのか?

 

 エクササイズ指導において、安全性を確保することは大前提ですが、エクササイズ自体に絶対的に正しいものも、間違ったものもなく、なぜ行うのか?によって、正しい、正しくないが変わりますし、なぜ行うのか?によって、何を?どの様に行うのか?が変わってきます

その為、お客様の目的や身体の状態、環境などに合わせて、なぜ行うのか?を最初に明確にしていくことが重要ですよね

Whyによって修正-応用が変わる

エクササイズ指導の際に、お客様の体力レベルなどに応じて、強度や難易度などを軽くする「修正」と、逆に強度や難易度などを上げる「応用」とを使い分け、目の前のお客様にとって、ちょうど良い形に調整をしていきます

 こうした修正-応用を考える際も、Whyが明確になっていないと、適切な修正-応用を使い分けることが出来ないんですよね

 例えば、多くのお客様は、ピラティスやトレーニングがしたい訳ではなく、ピラティスを通して「ヒップアップがしたい」や「お腹を引き締めたい」だったり、アスリートであれば「スポーツパフォーマンスを向上したい」など、ピラティスやトレーニングは手段であり、目的は他にある場合が大半です

 そうなると、エクササイズが出来る様になることが大切なのではなく、エクササイズを通して、お客様や選手、患者さんが得たい効果が得られることが大切

 現場でよく見られるのは、シングルレッグヒップリフトが出来なかった場合、両脚のヒップリフトに修正するパターン

 一見、同じ様にお尻を上げ下げするエクササイズに見えますが、両脚の場合は、シンプルに股関節の伸展動作であり、体幹も抗屈曲(伸展)のトレーニングになります。しかし、片脚の場合、伸展+回旋に抗する力が必要になり、股関節や体幹に加わる力が大きく異なりますよね

 その為、もしエクササイズを選択した際のWhyが、「抗回旋力を高める為のトレーニング」として考えたのであれば、両脚のヒップリフトが出来る様になったとしても、得たい能力を獲得する事は出来ない訳です

エクササイズの効果とは?

少し話は変わりますが、ピラティスには様々な団体や資格があり、それぞれに養成コースが存在します

 そして、多くの養成コースでは、「シザース」というエクササイズにはこういう効果があります。「サイドプランク」というエクササイズにはこういう効果があります。といった感じで、養成テキストにエクササイズ名と効果などが記載をされ、最初はそれを暗記していくことからスタートする場合がほとんどかと思います

 もちろん、限られた時間の中で育成をすることを考えた場合、各エクササイズ毎に代表的な効果を記載し、暗記をすることは分かりますが、1つのエクササイズには様々な効果があり、考え方や観点によって、同じエクササイズでも全く効果が異なります

 例えば、「レッグサークルズ」というエクササイズの効果を考える場合、腹筋や股関節周囲筋の筋力強化と考えることも出来ますし、下肢のコントロール力の向上と考えたり、股関節の関節包を刺激し、脊髄小脳や大脳皮質をはじめとした脳機能の活性化の為のエクササイズなどと考えることも出来ます

 上記の様に、AというエクササイズにAという決まった効果がある訳ではなく、1つのエクササイズに無数の効果が存在し、指導者がお客様の目的や身体の状態、環境などに合わせて、Whyから考え、何を、どの様に行うか?を決定していくことが大切です

 言い方を変えると、私達、運動指導者が機能解剖学や運動生理学、機能神経科学など、身体に関する学びを深めれば深めるほど、1つのエクササイズの中に、様々な効果を見出す事が出来ますし、より目の前のお客様や選手、患者さんにとって、最適な形を提供出来る様になりますので、やりがいがありますよね