カラダのお悩み

眠くなる時に起きている身体の変化

こんにちは。
imok株式会社の千野ひとみです。

私たちは眠らずにはいられません。
夜更かしをしたり、徹夜をすることで、1日や2日はもしかしたら寝ずに過ごせるかもしれませんが、数日後には眠気に耐えられず、瞼が閉じてしまうはずです。

人間が生きていく上で必要不可欠な睡眠ですが、現在の脳科学や神経科学では、解明できない点が多いんです。今日は、現在わかっている範囲での、私たちの身体の変化を見てきましょう。

眠くなる時に起きている身体の変化

多くの方は夜に眠くなり、布団に入り、いつの間にか眠りについていることでしょう。
さらに、食後や夕方にひどい眠気に襲われる方もいるかもしれません。

眠くなる時には、私たちの身体でどんな変化が起きているのか、見ていきましょう。

深部体温が下がる

手足がポカポカと温かくなると、眠くなることがあるかと思います。
赤ちゃんは寝ている時間が長いですが、手足が温かいですよね。

この反応は、身体の深部体温(内臓など、身体の内部の温度)を下げるために、表面の手足から熱を逃がすためです。

この反応を利用するために、寝る2時間程前にお風呂に入ると、眠りにつきやすくなるといわれます。
温かいお風呂に入ることで、一度深部体温が上昇し、その後、徐々に下がっていくタイミングで布団に入れば、自然と眠りにつけるかもしれません。

 

アデノシンの濃度が高くなる

アデノシンとは、「睡眠物質」と呼ばれる化学物質です。

アデノシン三リン酸」どこかで聞いたことありませんか?
・・・エネルギーの単位、「ATP」ですね!
このATPが分解されてアデノシンが産生されます。

このアデノシンという睡眠物質、脳内の濃度は、寝ている時に比べて、起きている時の方が濃度が高いんです。
そして、起きている時間が長くなるほど、アデノシン濃度は高くなっていき、寝ている時には濃度は低くなります。

つまり、アデノシン濃度が眠気を引き起こしている可能性があるということです。

このアデノシン、カフェインを摂ることで眠気が抑えられることとも関係しています。

https://imok-academy.com/coffee-and-sleep-effects-of-caffeine-on-sleep/

 

オレキシンの量が減る

オレキシンとは、「生理活性ペプチド」といい、
「覚醒」つまり起きている状態を維持するために重要な物質であるということが判明しています。

オレキシンは、視床下部外側野という部分でつくられ、その作用は、脳全体へと及びます。
オレキシンの機能は様々ありますが、交感神経を活性化させ、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を促す、それにより意識を鮮明にさせ、注意力を引き出します。

そして、オレキシンの量が減ることにより、起きていることが難しくなってしまうんです。

仕事中に眠ってしまう男性

過剰な眠気を感じ、どんな状況でも眠ってしまう「ナルコプレシー」という病態がありますが、このナルコプレシーは、オレキシンの機能異常が原因といわれています。

 

このように、眠気を感じる時には、体内や脳内で様々な反応が起きています。

これらを利用して、なかなか寝付けない方は、お風呂に入る時間やカフェインを摂る時間をコントロールすることが有効かもしれません。
その他、よく言われるように、寝る直前にパソコンやスマートフォンを使わない、寝室は暖色系の電気を使うなど、寝るための準備を整えることも大切ですね。