機能解剖学&運動生理学

足関節・足部の機能解剖7|足部の関節

足部の骨

こんにちは。
理学療法士の中北貴之です。

本日は「足部の関節」についてお話します。

足部には多くの関節が存在しており、様々な路面環境に柔軟に対応出来るようになっています。

今回は「距骨下関節」「ショパール関節」「リスフラン関節」「中足趾節関節」についてお話していきます。

距骨下関節

距腿関節と距骨下関節のイラストVisible Bodyで作図

 

 距骨下関節は距骨上面と踵骨下面により構成される関節です。

主に足部の回内・回外運動に関与し、参考可動域は回内5°、回外20°です。

三面で考えると、回内と回外は以下のように分解されます。

・回内=背屈+外転+外がえし

足部回外の動きの写真

・回外=底屈+内転+内がえし

足部回内の動きの写真

機能的に重要なのが、距骨下関節は足部と下腿をつなぐキーポイントになる関節ということです。

荷重下では以下のような運動連鎖が生じます。

・下腿内旋⇒距骨内転+底屈⇒踵骨回内

・下腿外旋⇒距骨外転+背屈⇒踵骨回外

 また、現代人の多くが「過緊張&伸展モードの姿勢」になっており、腓腹筋などを始めとする足部の伸展筋群により踵骨底屈が起こり、それに伴い『距骨底屈+内転』→『距骨下関節回内』を引き起こし、足部のアーチが失われている場合が多く見られます。

ショパール関節(横足根関節)

ショパール関節のイラストVisible Bodyで作図

 

 ショパール関節は「横足根関節(おうそっこんかんせつ)」とも呼ばれ、「距舟関節(きょしゅうかんせつ)」と「踵立方関節(しょうりっぽうかんせつ)」から構成されます。

ショパール関節は中足部の柔軟性や剛性に関与しますが、距骨下関節の肢位に影響を受けます。

・距骨下関節が回内位=ショパール関節も回内位(中足部の柔軟性アップ)

・距骨下関節が回外位=ショパール関節も回外位(中足部の剛性アップ)

距骨下関節回内位では、それぞれの関節軸は平行な位置関係になるため中足部の柔軟性は高まります。反対に、距骨下関節回外位では、それぞれの関節軸は交差した位置関係になるため中足部の剛性は高まります。

距骨下関節とショパール関節の関係を表したイラスト右足を後方から見た図 VISIBLE BODYで作図

 

 歩行で考えると、立脚期初期から中期では回内位の「柔らかい足」の状態で衝撃吸収を行い、立脚中期から後期にかけては回外位の「硬い足」となることで、前への推進力形成に役立ちます。

リスフラン関節(足根中足関節)

リスフラン関節のイラストVisible Bodyで作図

 

 リスフラン関節は足根中足関節とも呼ばれ、3つの楔状骨と立方骨、5つの中足骨により構成され、第2中足骨底は内外の楔状骨に挟まれたような構造のため、可動性が最も少なく、足の長軸は第2中足骨と踵後縁中央を結んだ線と定義されています。

 歩行においては、立脚後期での足底外側荷重から内側荷重への転換や、母趾球から母趾頭への安定性に重要とされています。

 また、前述のようにリスフラン関節は後足部と中足部のバランスをとっており、後足部が回外するときはショパール関節が回内し、前足部が接地できるように働きます。

 学生時代、リスフラン関節とショパール関節がごちゃごちゃになりやすかったので、「フランスは遠い(リスフラン関節が遠位)」という、語呂合わせで覚えました。

中足趾節関節

中足趾節関節のイラストVisible Bodyで作図

 

 5つの中足骨と基節骨から構成されます。

中足趾節関節は長いので、以下MP関節と略します。

MP関節と言えば、かの有名なウィンドラス機構ですね!

学校のテストでは必ず出るんじゃないでしょうか(笑)

ウィンドラス機構は、推進力形成における重要な機能です。

ウィンドラス機構

歩行において、踵離地~足趾離地にかけてMP関節が背屈していくと、足底腱膜の緊張が増加して足部のアーチが高くなります。すると足部の剛性が高まって推進力も増加します。この機構をウィンドラス機構と言います。

ウインドラス機構のイラストVisible Bodyで作図

足底感覚向上に効果的な「ピラティスチェア」

ヒトにとって足底部は唯一地面と接する部分であり、多数の感覚受容器が存在することで動的なバランス維持に重要な役割を果たしています。

長嶺らは足底刺激によるFunctional Reach Test の成績向上を報告していますし、Estelleらは健康サンダルによる足底刺激が立位バランス機能を向上させることを報告しています。

その他にも足底感覚受容器の重要性についての報告が多数あるように、ヒトにとって足底感覚は大変重要です。

そして、この足底感覚向上に効果的なのが、「ピラティスチェア」を使用した足部エクササイズです!

ピラティスチェアで足部のエクササイズをする女性の写真

ピラティスチェアは、足部を置くフットペダルという部分に抵抗が加わるようになっており、写真のように前足部をフットペダルに置いてコントロールしたり、後足部を置いてコントロールすることで、足底の感覚受容器を活性化することができます。

もちろん、同時に足部の内在筋や外在筋の筋力強化にもなりますので、足部のアライメント改善や転倒予防にとても効果的です。

何よりも、ご高齢者の方でも安全に足底感覚向上のエクササイズを行えるのが嬉しいですね♪

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※参考文献
入谷誠:入谷式足底板.運動と医学の出版社.2011.
片寄正樹:足部・足関節理学療法マネジメント.メジカルビュー社.2018.
足関節・足部疾患の機能解剖学的病態把握と理学療法.理学療法31(2).2014.

ABOUT ME
中北貴之
中北貴之
理学療法士/健康経営アドバイザー/imok Technical Director/大手フィットネスクラブにて活動後、痛みを抱えているお客様をサポート出来る様になりたいと、理学療法士の学校へ進学。卒業後は理学療法士として整形外科クリニックへ勤務。理学療法士として活動をしながら、トレーニングやコンディショニングの学びを続け、2018年4月よりimok株式会社へ参画。治療からコンディショニング、パフォーマンスアップまでを行えるコンディショニングコーチとして、パーソナルトレーニング指導や専門家向けのセミナー講師として幅広く活動中。