こんにちは。
imok株式会社の千野ひとみです。
厚生労働省の調査では、平均睡眠時間が「6時間未満」と答えた人が男女ともに約4割もいました(2018年国民健康・栄養調査)。
さらに、「睡眠で十分に休養がとれていない」と答える人も増加しています。
睡眠は、ただ身体を休めるだけでなく、免疫力を向上させたり、壊れた細胞を修復したりと、とても重要な時間です。
そして、睡眠を誘発させるためには多くの栄養が必要であり、睡眠不足の原因の一つは栄養不足とも言われます。
今日は、そんな睡眠と栄養についてのお話をしていきます。
睡眠ホルモン「メラトニン」
睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」。
このメラトニンは、脳の松果体という部分から分泌され、私たちを睡眠に向かわせる作用のあるホルモンです。
メラトニンの分泌量は、体内時計の働きによりコントロールされています。
夜になり暗くなると分泌量が増え、脈拍や血圧、体温を下げ、副交感神経を優位に保つことで私たちを睡眠へと促します。
さらにメラトニンは、抗酸化作用や免疫力向上作用、抗炎症作用、成長ホルモンの分泌などにも関わり、とても重要な役割を持っています。
そして、加齢に伴い減少するため、年齢の高い人程、睡眠障害を訴えることが多くなります。
メラトニン合成に必要な栄養素
睡眠を誘うメラトニンは、私たちが食事から得た栄養を元に体内でつくられています。
メラトニン合成のために必要な栄養素はたくさんありますが、その中でも特に大切な5つをお伝えしていきます。
- たんぱく質
- 鉄
- ビタミンB₆
- マグネシウム
- 炭水化物
まず、メラトニンの原料となるのは、トリプトファンといわれるアミノ酸です。
つまり良い睡眠のためにまず必要なことは、肉や魚などを食べ、たんぱく質を摂取することです。
そして、トリプトファンから5HTP、次に幸せホルモンと言われるセロトニン、そこからメラトニンがつくられますが、この反応の中で、鉄とビタミンB₆、マグネシウムが必要とされます。
鉄は、赤身の肉や納豆、小松菜などに
ビタミンB₆は、マグロや赤ピーマン、玄米などに
マグネシウムは、海藻や干しエビ、アーモンドなどに多く含まれます。
女性は月経により、毎月多くの鉄を失いますので、鉄が不足している人がとても多いんです。
鉄不足によりセロトニンがつくられずにうつ症状を訴えたり、セロトニンがつくられないのでもちろんメラトニンもつくられず、睡眠障害を抱えている方はたくさんいらっしゃいます。
さらに、炭水化物もとっても重要な役割を果たします。
食後、特にご飯などの炭水化物を摂った時には、眠くなりませんか?
メラトニンができる前の「セロトニン」をつくるためには、インスリンが分泌される必要があるため、ブドウ糖つまり炭水化物が必要です。
まず、メラトニンは脳でつくられるため、メラトニンの原料であるトリプトファンが、脳に到達しなければなりません。
肉や魚などのたんぱく質を摂取すると、トリプトファンだけでなく、その他にもチロシンやロイシン、イソロイシン等、様々なアミノ酸が血液の中に流れ込みます。
そして、これらのアミノ酸は、脳へ行く経路が同じであるため、トリプトファンはなかなか脳にたどり着くことができません。
そんな時にインスリンが分泌されると、トリプトファン以外のアミノ酸は筋肉へ取り込まれることにより、競合相手がいなくなり、脳に到達することができるんです。
ダイエットのために、夜は炭水化物を抜いている方も多いかもしれませんが、睡眠の質を高めるためには、適度な量は必要なんですね。
このように、眠りを誘うためのホルモン「メラトニン」をつくるためには、たくさんの栄養素の働きが欠かせません。
日頃の食生活を気を付けて、睡眠の質を高めていきましょう。