こんにちは。
理学療法士の中北貴之です。
今日は腰痛の中で最も多いと言われる「筋・筋膜性腰痛」についてお話します。
筋・筋膜性腰痛の特徴とは
筋・筋膜性腰痛は、腰背部の筋の循環不良や筋内圧の上昇が関与すると考えられています。
腰部伸筋群の筋内圧が上昇する動作や姿勢としては、前屈やあぐら坐姿勢が挙げられます。
筋筋膜性腰痛の特徴
・画像所見や神経学的な異常がない
・限局しない鈍痛
・筋の圧痛
さて、疼痛部位となりやすい多裂筋・最長筋・腸肋筋は一つのコンパートメントに含まれています。
つまり、胸腰筋膜の前葉と後葉からなる一部屋の中に、多裂筋・最長筋・腸肋筋は同居している状態です。
ここで関連して覚えておきたいのが、椎間関節との関係性です。
「腰椎の機能解剖2|椎間関節」でもお話しましたが、椎間関節と多裂筋は同じ神経支配です。
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そのため、椎間関節由来の疼痛が波及して多裂筋の筋緊張を亢進し、コンパートメント内の循環障害や筋内圧上昇を引き起こす可能性があります。
ちなみに、下位腰椎では多裂筋がコンパートメントの80%を占めると言われていますので、下位腰椎の椎間関節障害はコンパートメント内の環境への影響が大きそうですね。
筋・筋膜性腰痛の悪循環とは
前述のとおり、筋・筋膜性腰痛は循環不良や筋内圧上昇によって生じるとされています。
そうなると負の悪循環に陥りやすくなります。
循環不良
⇓
ATP産生低下
⇓
筋が弛緩できない
⇓
筋の持続的収縮
⇓
血管圧迫
⇓
循環不良・・・
といった具合です。
さらに、循環が悪くなれば酸素も不足して発痛物質が産生され、
発痛物質が産生されるから痛くて筋緊張が亢進してしまう・・・。
ここでも悪循環ですね。
悪循環から抜け出す方法とは
この負の悪循環を脱け出す方法が‥‥‥動く!
シンプルです。
「Keep it simple , stupid !」
KISSの法則ですね。
もちろん、受傷機転が明確な外傷の場合、急性期は安静が必要ですが、そうでなければ動いて循環を良くすることが大切です。
動くことで脳も活性化されて痛みを抑制する回路も働きます。
この時に気をつけたいのが、痛みを伴わない範囲や方向に動くことです。
痛みがあると筋緊張は亢進するため、かえって逆効果になったりもしますので、痛みを伴わない範囲で動いていきましょう。
おすすめのエクササイズはこちら↓
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※参考文献
非特異的腰痛で知っておきたいこと.Monthly Book Orthopaedics26(12).2013.
腰椎・腰部の機能解剖.理学療法28(5).2011.
荒木秀明:非特異的腰痛の運動療法.医学書院.2014.
福林徹:腰痛のリハビリテーションとリコンディショニング.文光堂.2011.
坂井健雄監訳:グラント解剖学図譜第6版.医学書院.2011.