機能解剖学&運動生理学

循環器5|心臓の基本的性質とは

こんにちは!

imok株式会社

鍼灸あん摩マッサージ指圧師&トレーナーの小林です。

今回は、心臓の基本的な性質についてお伝えしていきます。

皆さんは、学校でカエルの解剖をした経験はありますか?

私は、中学生の頃、理科の授業で行ったことがあります。

実験を行ったことがある方なら知っているかもしれませんが、カエルの心臓は体外に取り出してもしばらく拍動を続けます。

これは、心臓が心筋(しんきん)という特殊な筋肉で構成されており、心臓自体が活動電位を発生させて、心臓を動かす事が出来るからです。

今回は、こうした心臓特有の性質について学んでいきましょう!

特殊心筋と固有心筋とは

心筋には特殊心筋固有心筋と呼ばれる2種類の筋肉で構成されています。

特殊心筋とは、簡単に言うと心臓で発生させた活動電位を速やかに心臓全体に波及させるための筋肉になります。

特殊心筋も固有心筋も、基本的な筋肉の質は一緒のようですが、電気の興奮伝達は特殊心筋の方が、固有心筋よりも10倍も速いと言われています。

固有心筋は、特殊心筋によって刺激されることで、収縮させられる筋肉の為、作業筋なんて呼び方をされることもあります。

特殊心筋の興奮伝導系は、以下の部位で構成されます。

・同房結節(どうぼうけっせつ)

・房室結節(ぼうしつけっせつ)

・ヒス束

・プルキンエ線維

・右脚(うきゃく)

・左脚(さきゃく)

これらは、独立して興奮するのでなく、ある心筋が興奮をすることで、その興奮が伝達し、結果的に心臓全体がまとまって収縮するようにできています。

興奮伝導系とは

心臓での拍動を支配するのは基本的には洞房結節になります。

ただし、洞房結節がペースメーカーの役割を正常に果たせなくなった時、その他の特殊心筋が洞房結節の代わりとなり、ペースメーカーとして活動することもあるようです。

洞房結節から右脚・左脚まで興奮が伝わると、心房や心室が収縮と弛緩を繰り返し、血流をポンプのように身体に送り出す事が出来るようになる。

心電図のイラスト

ドラマや映画などよく見る、「ピッ ピッ ピッ」と線がジグザグになる心電図は、心房や心室が収縮をして興奮が伝わったり、興奮から回復する状態を表しているのです。

ちなみに、不整脈とは正常に興奮が伝達していない場合の事や、興奮の起こり方の異常状態の事を言うため、診断には心電図検査が必要のようです。

 

循環における神経性の調節とは

そして、心臓の壁の一部や大動脈弓には圧受容器というものがあり、血圧が上昇し、血管内の壁が圧力によって伸ばされると、「血圧が高くなっていますよ」という情報を、延髄にある循環中枢に送ります。

延髄にある循環中枢は、血圧が高いという情報をもとに、迷走神経(めいそうしんけい)という脳神経を介して心臓に「ちょっと落ち着いた方がいいぞ!」と伝えに行きます。

逆に、頚動脈小体大動脈小体と呼ばれる化学受容器は、血液の中に酸素の量が減って場合や、二酸化炭素の量が増えてきた場合、「炭酸ガスが増えてるよ」という情報を、同じく延髄にある呼吸中枢や循環中枢に送り、心臓に「もうちょっと頑張ろうか!」と伝えにいくのです。

その結果、血管の壁に過度なストレスがかかりすぎない様にしたり、各臓器で酸素が足りないという事がない環境が保たれるというわけです。

まとめ

心臓の筋肉は心筋と呼ばれ、特殊心筋と固有心筋に分ける事ができ、特殊心筋は興奮伝導系と呼ばれる。

興奮伝導系の働きによって、心臓は自動的に拍動を続ける事ができる。

圧受容器や化学受容器によって、循環はコントロールされている。

最後までお読みいただき有難うございました。