こんにちは。
分子栄養学認定カウンセラーの千野ひとみです。
最近では、「免疫力を高めるためには腸内環境が大切」なんてことも言われ、食物繊維や乳酸菌を積極的に摂取している方も多いように感じます。
では、自分の腸内環境はどんな状態なのか、それを知るための方法をお伝えしていきます。
胃腸の不調
なんといっても、これが1番の手がかりですね。
- 便秘や下痢
- お腹が張っている、膨満感
- ガスが出る
- 胃がムカムカする
- 電車に乗るとお腹が痛くなる・・・
これらの症状は、慢性化している方も多く、「いつものことだから」と見過ごしてしまっているかもしれません。ですが、症状に目を向けることは、ご自分の体調改善の第一ステップです。
便秘は、本来は排泄すべきである便が、長期間に渡って体内に残っているということですので、悪性細菌が増殖する原因となります。
悪性細菌の中には、便に含まれる未消化のたんぱく質を腐敗させて、人体にとって有害な物質を産生するものもいます。これらの有害物質が体内に入り込むと、血液の質を悪化させ、その血液が全身にまわり、細胞の劣化を招きます。
ガスが多くお腹が張っている感じがある場合は、胆汁や消化酵素が不足して、十分に消化が行われずに悪性細菌が増えているかもしれません。
便の形
3~4日便が出ないといった便秘の方はとても多いですが、本来は、1日に2回便が出ることが理想的です。
さらに、便の色や形、臭いといった情報も、腸内環境を調べる手掛かりとなります。
便の、約7割は水分です。
残りの3割の内訳は、腸内細菌、剥がれた腸粘膜、そして食べカスです。
腸は「蠕動運動」という腸の掃除を行うことで、腸粘膜が剥がれ、便として排泄されます。
特に、夜眠っている時には大掃除が行われるため、起床時に便意を催すんですね。
そのため、例え、丸1日食事を摂らなかったとしても、便は出ます。
食生活の変化により、現代人は、食物繊維の摂取量が減少しています。
それに伴い便の量も減り続け、戦後直後と比較すると、日本人の便の量は半分になっているという研究結果もあります。
自分の便をチェックすることは、体調管理にとっても重要です!
家族歴や既往歴
出産時、お母さんの産道を通って生まれてきますが、その時に、母親由来の乳酸菌が子どもに移行することがわかっています。
そのため、子どもの腸内環境は、母親の腸内環境と似ているんです。
(帝王切開で生まれた場合は、乳酸菌バランスは遺伝しませんが、後々の生活環境などの影響により、結果として似てきます。)
また、ステロイドやピル、抗生剤の使用歴は、腸内環境悪化の原因となります。
そのため、幼少期に病気がちだった方、よく薬を服用していた方は、腸内細菌のバランスが崩れてしまっているかもしれません。
必要な薬は必要な時にしっかりと摂取し、その他は、むやみやたらに服用することは避けましょう。
腸内環境検査
便を摂取することで、腸内環境を調べることができる検査があります。
腸内細菌のバランスや炎症、消化酵素の分泌状態、免疫状態など様々な情報を得ることができます。
私たちの腸内は、様々な種類の腸内細菌が生息しており、乳酸菌などの良性菌が多いと理想的ですが、ストレスや食生活の悪化や服薬などの影響により、良性菌が減り、悪性の細菌が増えてしまいます。
悪性菌は、ガスを多く産生したり、カンジダ菌と呼ばれる菌は、アンモニアを発生させ、疲労感や頭にモヤがかかったような症状を引き起こします。
さらに、腸内環境検査では、大腸の内視鏡検査ではわからない軽度の炎症を見つけることもできるようです。
是非、栄養療法を行っている医療機関を受診し、ご自分の腸内環境を一度調べてみてください。
腸が悪いことの問題点
腸内環境が悪化していることでの問題点は多岐に渡ります。
- 便秘や下痢といった、胃腸の不調
- 食事から栄養を摂取していたとしても、消化吸収がうまくいかない
- 腸のバリヤ機能が働かず、異物が体内に入ってきてしまう
- 幸せホルモンである「セロトニン」がつくれない
- 免疫細胞が働きずらくなる
このように、腸は、私たちが健康に過ごすために、最も重要な臓器であるといっても良い臓器です。
自分の腸の状態を知り、改善していくことで、様々な問題が解決されるかもしれません。