ロールオーバー
こんにちは。
imok株式会社の古城です。
今回ご紹介するエクササイズは「ロールオーバー」です。
個人的にこのエクササイズはマットで行うよりもリフォーマーを利用する方がより脊柱の牽引を感じられるので、気持ちがよく好きなエクササイズです。
やり方
- リフォーマーに仰向けになります
- ロングループに足を通します(踵骨から舟状骨あたりにひっかけます)
- 股関節、膝関節を90度のポジションにします
- 足を頭の方へ挙上し、キャリッジから骨盤と脊柱1つ1つが離れる様にゆっくりと浮かせていきます
- キャリッジがパークするか、肩甲骨の下角が離れる程度まで挙上します
- その後、胸椎から腰椎へと1つ1つキャリッジへつけていき、元のポジションに戻る様に股関節、膝を伸展します
目的
- 脊柱の分節的コントロール
- 腰椎から上位胸椎の屈曲
- 脊柱の牽引
- 後縦郭の拡張
- SMUの促通
エクササイズの理論的背景
オープニングシザースシンドロームなど、肋骨が外旋位で固定すると共に、骨盤の前傾および腰椎の過剰な前弯が生まれ、腰椎の後弯や骨盤の後傾が苦手な場合が多い為、ロールオーバーのエクササイズを通して、骨盤後傾-脊柱の屈曲を獲得していくことができます。
また、リフォーマーを使用することで、脚から牽引力が掛かる為、動きがサポートされるだけでなく、降りてくるときは脊柱が地面に押し付けられる様に重力が加わり、脚には遠位方向への牽引力が加わることで、脊柱全体がエロンゲーションされ、椎体と椎体のジョイントスペースを確保しながら屈曲を行いやすくなると考えられます。
脊柱起立筋の伸長及び抑制や後縦郭の拡張、ゆっくりと動作を行うことで、Slow Motor Unitの活性化などにも効果的です。
もちろん、安全に実施する為には、行う前に評価が必要にはなりますが、慢性腰痛などを長年抱えていた方は、FMUが優位になっている傾向が見られますので、ロールオーバーを通して脊柱に牽引を掛けながら、SMUを活性化するのも1つの方法ですよね。
よく見られる代償
- 腕を過剰にキャリッジに押しつける
骨盤の挙上をする際に腕をキャリッジに強く押しつける様にして骨盤の挙上をサポートしてしまうと、伸展系の動作を引き起こしやすくなってしまいます。
腕に過剰に力が入るようであれば、スプリングの強度を調整し、スプリングによるサポートを増加させましょう。
- 股関節の過剰屈曲
ピラティスやヨガの動作などでは、過剰な股関節のヒンジ動作を誘発しやすいですが、機能解剖学的に考えると、「大腿骨盤リズム」に代表される様に、股関節の屈曲に伴い、骨盤は後傾していくのが自然であると考えられます(股関節屈曲90度の際には、骨盤は8~10度程度後傾)。その為、股関節の屈曲と骨盤の後傾を連動させ、股関節だけの過剰な屈曲ではなく、股関節の屈曲角度をキープしながら、骨盤から脊柱の分節的なコントロールによって動きを創っていくようにします。
以上、「ロールオーバー」のご紹介でした。
それでは、次のエクササイズでお会いしましょう!
imok株式会社
古城奈々絵
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