機能解剖学&運動生理学

循環器3|体循環と肺循環とは

こんにちは!

鍼灸あん摩マッサージ指圧師&トレーナーの小林俊夫です。

今回は身体の中をめぐる血液の循環の種類についてお伝えしていきます。

循環系統とは

循環系統は、「体循環」と「肺循環」に分けられます。

循環系統の分類

体循環とは:左心室から送り出された血液が大動脈を通り、毛細血管を介して静脈に移り、上下大動脈を通って右心房に戻る事を指します。

肺循環とは:心臓(右心房)に戻ってきた血液が肺動脈を通り、肺で酸素と二酸化炭素を交換し、酸素を多く含んだ動脈血となって、肺静脈を通り左心房に戻る事を指します。

体循環の事を「大循環」と呼んだり、肺循環の事を「小循環」と呼ぶ事もあります。

体循環のルート

体循環は、左心室を出発してから約20秒かけて身体中を巡り、右心房へと戻ってきます。

その一連のルートを確認していくと、左心室を出発した血液はまず大動脈弓に向かいます。

そこから3つの分岐点があり、手前から「腕頭動脈(わんとうどうみゃく)」、「左総頚動脈(ひだりそうけいどうみゃく)」、「左鎖骨下動脈(ひだりさこつかどうみゃく)」の3つの枝分かれした血管が、腕や頭や脳へ血液を供給しに行きます。

大動脈弓のイラスト

本ルートでは、胸部・腹部大動脈と名前を変えて、内臓や下肢に血液を運びます。

ちなみに、心臓を出発した血液は、すぐに冠状動脈という血管を通して、心臓に血液を運びます。血液を送り出す心臓に、血液が足りないとなったら大変ですからね!

枝分かれをした血管は、身体の末端に行けば行くほど細い血管となります。

いわゆる「毛細血管(もうさいけっかん)」というやつですね!

この毛細血管の目的は物質の交換となり、酸素と二酸化炭素の交換や、不要となった物質の受け渡しをします。

毛細血管で物質の交換を終えた血液を「静脈血」と呼び、当然ながら静脈を通り心臓に戻っていきます。

ちなみに、動脈と静脈は基本的には並走しており、体表から近い位置にあるのが静脈になり、体表よりも深い場所に位置するのが動脈になります。

動脈と静脈では血管の構造や中を通る血液の酸素や炭酸ガス濃度も違うため、見た目の色にも違いが現れます。

自分の手首を見てみましょう。

紫や青っぽい色をした血管がみられると思います。

これらはすべて静脈という事になります!

肺循環のルート

肺循環とは、「肺」という字が入るぐらいですので、肺を中心とした循環経路となります。

人が活動するうえで「酸素」の存在は必要不可欠です。

その新鮮な「酸素」はどこから入手するのか?

当然、外の新鮮な空気ですよね!

体の中で発生した二酸化炭素を外(大気中)に出し、新鮮な空気の中に含まれる酸素を取り込む事が、肺循環の最大の目的になります。

肺はすこし歪な三角の形をした臓器としてのイメージが強いと思いますが、実は小さいな丸い「肺胞(はいほう)」と呼ばれる集合体となります。

左右の肺の解剖イラスト

「海ブドウ」を思い出してみてください!

ちょうどこんな感じですね!

肺胞の解剖イラスト

肺胞の周りには、動脈と静脈の毛細血管で囲まれており、肺胞の中に入ってきた「酸素」を動脈に移し、静脈から運ばれてきた「二酸化炭素」を肺胞に移します。

肺胞1粒1粒の間で、酸素と二酸化炭素の交換が、呼吸によって行われているのです。

ちなみに、右心室から肺に行く血液は、二酸化炭素を沢山含んだ静脈血ですが、肺動脈を通り、肺でたくさん酸素をもらった血液は、肺静脈を通り左心房に移動します。

必ずしも、○○静脈だから、中を通る血液は静脈血でな無いという事を覚えておくと良いでしょう!

 

体循環と肺循環まとめ

身体は全身に「酸素」を必要としています。

酸素を全身に届けるルートには。体循環と肺循環があり、体の隅々まで酸素を届け、役目を終えた血液は静脈を通って、心臓に戻ります。

心臓に戻った血液は、肺を構成する肺胞で酸素と二酸化炭素のキャッチボールを行い、また体循環の準備に備えるのです。

 

次回は血管の構造や種類についてお伝えします!

 

最後までお読みいただき有難うございました。