機能解剖学&運動生理学

足関節・足部の機能解剖②~足部アーチ~

こんにちは。

imok株式会社

理学療法士の中北貴之です。

本日は足部アーチについてお話いたします。

ヒトの最大の特徴が直立二足歩行ですが、それを可能にしている要因の一つが足部アーチの存在です。

歴史の授業でお馴染みのアウストラロピテクスには足部アーチがあったと言われています。

足部アーチの存在により、少ないエネルギーで遠くまで移動することができ、生存に役立ったとされています。

・・・いつの間にやら歴史の話で終わりそうな勢いになってきましたね(笑)

そろそろ本筋に戻って足部アーチの構成から確認していきましょう。

足部アーチの構成

足部には内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つのアーチがあります。

足部のアーチ

それぞれ、静的支持組織(靱帯など)と動的支持組織(筋)によって形成されています。

内側縦アーチ

内側縦アーチ

踵骨、距骨、舟状骨、内側楔状骨、第1中足骨

靱帯

バネ靱帯(底側踵舟靱帯)、距踵靱帯、楔舟靱帯、足根中足靱帯、長短の足底靱帯、足底腱膜

※特にバネ靱帯、長短の足底靱帯、足底腱膜が重要といわれています。

前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋、長母趾屈筋、短母趾屈筋、長趾屈筋、母趾外転筋、足底方形筋

外側縦アーチ

外側縦アーチ

踵骨、立方骨、第5中足骨

靱帯

長短の足底靱帯、踵立方靱帯、足根中足靱帯

長腓骨筋、短腓骨筋、短趾屈筋、小趾外転筋、短小趾屈筋、小趾対立筋

横アーチ

横アーチは後足部レベル、楔状骨レベル、中足骨レベルに分類されますので、それぞれに分けて記載します。

横アーチ

中足骨レベル

骨:第1~5の中足骨頭

靱帯:深横中足靱帯

筋:母趾内転筋横頭

楔状骨レベル

骨:3つの楔状骨、立方骨

靱帯:楔間靱帯、楔立方靱帯

筋:長腓骨筋

後足部レベル

骨:舟状骨、立方骨、踵骨

靱帯:舟立方靱帯

筋:後脛骨筋

 

内側縦アーチの低下が偏平足に、外側縦アーチの低下がハイアーチに、横アーチの低下が開張足につながっていきます。

なお、ハイアーチは内側縦アーチの過剰な上昇でも起こります。

足部アーチを支える構造的・機能的な仕組み

足部アーチには重要な機能が2つあります。

それが、衝撃吸収足部の剛性向上です。

これらの機能を補助するために、足部には以下のような重要な仕組みがあります。

①トラス構造

足部アーチは下図のような三角構造をしています。

トラス構造

上端が骨構造で硬く、底辺が足底腱膜で柔軟な構造をしています。

そのため、荷重時には足底腱膜が伸張されてアーチが沈み込み、負荷を分散(衝撃を吸収)します。

②ウィンドラス機構

歩行において踵離地から足趾離地にかけてMP関節が背屈していくと、足底腱膜の緊張が増加して足部のアーチが高くなります。すると足部の剛性が高まって推進力も増加します。この機構をウィンドラス機構と言います。

ウィンドラス機構

母趾伸展テスト

ウィンドラス機構が機能しているかのテストに「母趾伸展テスト」というものがあります。

安静立位で母趾を他動的に背屈させ、内側縦アーチの反応をチェックします。

⇒挙上する=intact

⇒遅延して挙上=limited

⇒挙上しない=absent

「limited」or「absent」だとウィンドラス機構の機能低下が疑われます。

また、後述のFPIの結果において、回内足の割合が高くなるとされています。

③クロスサポートメカニズム

クロスサポートメカニズムとは、長腓骨筋と後脛骨筋による足部安定化メカニズムのことです。

長腓骨筋と後脛骨筋は足底部で交差(クロス)する走行をしており、距腿関節底屈時における回内・回外の制御、後足部の安定、アーチの引き上げに寄与します。

クロスサポートメカニズム

足部アーチの評価

足部アーチの評価は大別して、X線による画像評価、荷重位での評価、非荷重位での評価に分かれます。

具体的な評価方法は多くありますが、定量的に評価できる方法としてFoot Posture Index(FPI)があります。

6項目を5段階で評価し、-12から+12までにスコア化するものです。

FPIの評価項目

①距骨頭の触診

②外果上下の曲線カーブ

③踵骨の前額面上の位置

④距舟関節部の隆起

⑤内側縦アーチの形態・適合性

⑥後足部に対する前足部の内外転

それぞれ -2、-1、0、+1、+2 の5段階で点数化していく。

評価にはFPIのような数値化できる定量的評価と、数値化できない定性的評価があります。

どちらも大切ですが、定量的評価も行うことでお客様にビフォーアフターが伝わりやすいのでおすすめです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

imok株式会社

中北貴之

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ABOUT ME
中北貴之
中北貴之
理学療法士/imok Technical Director/大手フィットネスクラブにて活動後、痛みを抱えているお客様をサポート出来る様になりたいと、理学療法士の学校へ進学。卒業後は理学療法士として整形外科クリニックへ勤務。理学療法士として活動をしながら、トレーニングやコンディショニングの学びを続け、2018年4月よりimok株式会社へ参画。治療からコンディショニング、パフォーマンスアップまでを行えるコンディショニングコーチとして幅広く活動中。