栄養&消化&免疫

サプリメントには、頼らない方が良い

こんにちは。
分子栄養学認定カウンセラーの千野ひとみです。

先日、「サプリメントは食事の代わりにはならない」というお話をさせていただきました。

https://imok-academy.com/supplements-are-not-a-substitute-for-food/

私たちが栄養を摂取するためには、あくまでも日々の食事が基本です。
サプリメントは、補助的な使い方をする、もしくは、治療のために、検査をした上でその方に適したものを適量摂取するという考え方が必要です。

今回は、サプリメントが、効果を発揮できない理由をみていきましょう。

元気がない人ほど、サプリメントは効かない?

同じサプリメントを飲んでも、効く方とそうでない方といますよね。

例えば、お肌に良いとされるビタミンC。
ビタミンCのサプリメントを飲んでお肌が白くなった方もいれば、そうでない方もいます。
もしかしたら、効かない理由は量が足りないからだと考え、たくさんの量を毎日飲んでいる人もいるかもしれません。
ジュースを飲む女性

実は、健康は人はサプリメントの恩恵を受けやすく、
元気がなかったり、体調を崩している人はサプリメントが効きにくいといったことがあるんです。

なんだか矛盾していますよね?
だって、身体の調子を整えるためにサプリメントを飲むのに、そういう人には効果が出ないなんて・・・

その理由は、元気がない人や病気の人は、身体の代謝機能が低下しているから。

代謝機能が落ちている場合に、ひとつの栄養素だけを補充したからといって、すぐに効果が出るとは限りません。
いくつかの栄養が不足したり、様々な要因が絡み合って体調不良に陥っていることが考えられるので、しっかりとした検査をした上で、あなたに本当に必要なサプリメントを十分量摂取することが大切ですね。

 

栄養には優先順位がある

私たちの身体の中では、各細胞によって必要な栄養が異なります。

例えば、美白や風邪予防に良いとされるビタミンCは、白血球や副腎に多く含まれます。
血管の中のビタミンCを1とすると、脳には20倍、白血球には80倍、副腎には150倍の濃度VのビタミンCが存在するそうです。

濃度が高いということは、その臓器が、よりビタミンCを必要としているということですね。

うつ病の人は、脳の脊髄液中のビタミンC濃度が低いことがわかっています。
さらに、「風邪をひいた時はビタミンCを摂る」という方も多いかと思いますが、これは、免疫細胞である白血球にビタミンCが多いからですね。
風邪

そのため、ビタミンCは、副腎や脳に優先的に使われます。

仮に、副腎が疲弊している場合にビタミンCサプリメントを飲むと、まずは副腎で使われるため、美白効果を感じられるまでには時間がかかるかもしれません。

 

ミネラルは、体内での利用が難しい

そして、ミネラルは体内への吸収が難しいという特徴があります。
さらに、他のミネラルとのバランスも大切で、摂取するだけでなく、利用するには難しい栄養素なんですね。

ミネラルを吸収させるポイントは、
・「胃や腸の環境を整えておく」こと
「バランスを考える」こと です。

食物やサプリメントを摂取した時、消化管を通って小腸から吸収されますが、十分に消化された状態でなければ、吸収できずに栄養として使われることはありません。

そして、ミネラルがもつ性質を理解して、バランスを考えることが重要です。

元素の周期表を覚えていますか?
「すいへーりーべーぼくのふね」と覚えた方も多いでしょうか?(私は全く記憶にありませんでした(笑))
周期表

この周期表は、同じ性質を持つ元素を縦に並べた表です。

例えば、原子番号3番のリチウム、11番のナトリウム、19番のカリウムは性質が似ていて、お互いに反発し合います。例えば、塩分を摂り過ぎた場合は、カリウムを摂ると身体から出ていきやすくなります。

さらに、マグネシウムとカルシウムも同族元素であり、体内で相対しながら協働していて、カルシウムが働き過ぎるとマグネシウムがそれを抑え、その逆も行っています。
筋肉の収縮と弛緩もそのひとつで、カルシウムは筋肉を収縮させますが、マグネシウムは筋肉を弛緩させます。

そのため、カルシウムとマグネシウムの比率が大きい乳製品を摂り過ぎると、ミネラルのバランスを崩します。

https://imok-academy.com/calcium-and-magnesium/

 

このように、私たちの身体は、栄養を上手に摂り入れる仕組みが備わっています。

もし、あなたの身体が、サプリメントを受け入れられない状態であれば、せっかくのサプリメントも、ムダになってしまいます。

何より大切なのは、日頃から栄養バランスの摂れた食事をして、腸内環境を整えておくこと、そして、摂取した栄養が十分に摂り入れられる身体づくりをしておくことですね。