こんにちは。
分子栄養学認定カウンセラーの千野ひとみです。
最近は、タンパク質の重要性を認識して、意識してお肉やお魚を食べている方が多いように思います。
私たちの身体をつくるタンパク質について、もう一度学んでいきましょう。
1番大切な栄養素「タンパク質」
タンパク質が多く含まれるものといえば、お肉やお魚、卵や納豆などですね。
炭水化物や脂質と並んで3大栄養素といわれるタンパク質は、私たちが活動するためのエネルギーの材料となる、とても大切な役割を果たします。
タンパク質を英語でプロテインといいますが、語源はギリシャ語の「proteios」、「第一の」という意味を持ちます。つまり、私たちの身体に最も重要であり、最も必要な栄養素とも言えます。
私たちは、肉や魚を食べることでタンパク質を摂り入れますが、実はそのままの状態では吸収することができません。
歯で細かく噛み砕き、胃酸などの消化酵素の働きで、アミノ酸と呼ばれる小さな分子となり、腸から吸収されてはじめて、栄養分となります。
要するに、消化酵素が十分に出ずに消化されていなかったり、腸の状態が悪くて吸収されていない場合、食事でいくらタンパク質を摂取したとしても、それは栄養分とはなりません。
タンパク質が足りないからといって、「食べれば良いというだけではない」、吸収されているかがとっても重要なんです。
タンパク質の働き
タンパク質は、筋肉をつくってくれるというイメージを持っている方は多いと思います。
ですが、それだけではありません。
タンパク質は10万種類以上もあると言われ、様々な機能を持っています。
酵素タンパク質
酵素って聞いたことありますか?
酵素には、代謝酵素と消化酵素があり、ある物質を別の物質に変換する時に使われるのが代謝酵素、アミラーゼやぺプチンといった、食べたものを消化する時に必要なのが消化酵素です。
これらの酵素も、タンパク質からできています。
つまり、食事から摂取したタンパク質を消化するために、タンパク質でできた消化酵素が必要なんです。
・・・ややこしいですね(笑)
構造タンパク質
お肌をプルプルにしてくれるコラーゲンや、髪の毛の主成分であるケラチンもタンパク質です。
(ちなみに、食べ物や飲み物でコラーゲンを摂取したとしても、そのままコラーゲンになるわけではありません・・・)
輸送タンパク質
何かを運ぶ、トラックのような役割を持っているタンパク質もあります。
例えば、ヘモグロビン。
血液検査で、貧血の診断に使われる数値ですね。
このヘモグロビンとは赤血球の成分ですが、酸素を運ぶ役割を持っていて、タンパク質からできています。
つまり、ヘモグロビンの数値が低くて貧血の方は、鉄不足だけではなく、タンパク質の不足も考えなくてはいけないんです。
そして、LDLコレステロールやHDLコレステロールは
Low Density Lipoprotein cholesterol 、High Density Lipoprotein cholesterol といいますが、リポプロテインというのも輸送タンパク質です。
つまり、LDLというのは、コレステロールを運んでいるタンパク質のことなんです。
その他にも、様々な機能を持ったタンパク質がたくさんあります。
消化吸収できているかがポイント
タンパク質は、消化吸収され、細胞内で使われてはじめて、私たちの栄養となります。
タンパク質はとても複雑な構造をしているため、咀嚼や消化酵素により、吸収できる状態に分解しなければいけません。
そしてもちろん、腸の機能が正常でなければ、栄養素として吸収することができません。
このように、タンパク質の分解や吸収に重要な枠割を果たしているのが、胃や腸といった消化管です。
そして、食べたものを消化するためには、副交感神経にスイッチが入ることが大切です。
副交感神経が働くことにより、胃酸が分泌されたり、腸の蠕動運動が促されたりといった消化機能が働きます。
だからこそ、リラックスできる環境がとても大切です。
常にストレスを抱えていたり、仕事が忙しく、パソコンを片手にパンをかじって食事を済ませたりなんてしていては、消化機能が働きません。
まずは、しっかりと食事の時間を取り、リラックスしてご飯を楽しみましょう。
そして、カフェインやアルコールの摂り過ぎは交感神経を働かせてしまうので、できるだけ控えましょう。
タンパク質は、食事から摂るだけではなく、胃腸機能も働いてこそ、私たちの身体の材料になってくれます。