栄養&消化&免疫

マグネシウムのサプリメントを摂る前に

サプリメント

こんにちは。
imokの千野ひとみです。

ビタミンやミネラルは、現代の食事では不足することが多く、サプリメントで摂取している方も多いと思います。
ですが、消化機能が低下した状態でサプリメントを摂ったとしても、身体の栄養にはなりません。消化吸収できなければ、せっかくのサプリメントも腸のゴミとなってしまいます。
さらに、マグネシウムや亜鉛などのミネラルは、吸収率が高くありません。そのため、吸収しやすくしてあげる工夫が必要です。

ミネラルは吸収率が低い

ビタミンは人間の体内で作ることができ、吸収も比較的容易です。
一方、ミネラルは人間の体内で作ることができない無機物であるのに加えて、吸収が難しい物質です。

例えばマグネシウム。
食物から摂取したマグネシウムは小腸から吸収されますが、吸収量は、マグネシウムの種類、摂取する個人のマグネシウム貯蔵量や体調などによって変化します。酸化マグネシウムは特に吸収率が低いため、下剤としても使われています。
そして、余剰分は腎臓を通り、尿や便から排泄されます。

さらに、ミネラルは他のミネラルと協力して働くことが多いため、お互いのバランスを考えて摂取することも必要です。
多くのミネラルサプリメントは、「マルチミネラル」といった形で販売されているものが多いですね。カルシウムだけを摂取すると、狭心症や心筋梗塞の心臓発作のリスクがあり、マグネシウムは多量の亜鉛と一緒に摂取すると排泄量が増えるといったことも起こります。

吸収率を上げるために

そのため、吸収を良くするための工夫が必要です。

胃腸機能の改善

ミネラルは、多くの食物に含まれていますが、強固なたんぱく質とくっ付いているものは、そのままの状態では吸収できません。
たんぱく質の分解酵素により吸収が上がるため、胃酸分泌が低下している場合は、たんぱく分解酵素を摂取することも必要かもしれません。

さらに、ミネラルの吸収には腸内環境がとても重要です。
その理由として、短鎖脂肪酸によってミネラルがキレートされ、吸収を助けてくれるからです。キレートとは、ミネラルをアミノ酸により挟み込むことで、体内に吸収されやすい状態にしてあげることです。

キレートとは、ギリシャ語で「カニのはさみ」という意味

牡蠣を食べる時にレモンを絞ると、牡蠣に含まれる亜鉛がレモンのクエン酸でキレートされて吸収されやすくなります。

短鎖脂肪酸とは、酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあり、食物繊維が乳酸発酵してできる、腸のエネルギー源となるものです

つまり、食物繊維をしっかり摂取して、腸内環境を良い状態に保っておくことが大切です。

水に溶けた状態の方が吸収されやすい

食物から摂取したマグネシウムは、小腸の上皮細胞から吸収されます。
この細胞膜は脂質でできているため、マグネシウムは通過することができません。マグネシウムが細胞内に入るためには、イオンチャンネルという専用の入り口から入る必要があります。水に溶けた状態であるとイオン化され、イオンチャンネルから入ることができるようになります。
そのため、サプリメントとして販売されているものの中でも、水に溶けたマグネシウムの方が吸収されやすいということです。

マグネシウムは皮膚からも吸収できる

上記で説明したように、ミネラル吸収のためには腸内環境がとても重要です。
腸内環境が悪い場合、いくらサプリメントで摂取したとしても、吸収されずに排泄されてしまいます。
ですが、マグネシウムは皮膚からも吸収することができるんです。
スプレータイプのものや入浴剤としてお風呂に入れるマグネシウムも販売されています。こういったものであれば、腸の状態が良くない方であってもマグネシウムを取り入れることが可能です。

もちろん、普段の食事からの栄養摂取が前提ですが、どうしても不足しがちな栄養素を、サプリメントで摂取することもあると思います。
その場合、その効果を最大限に発揮してあげるために、まずは腸内環境を整えたり、お腹の調子が良く無い場合は、他の方法を考えたりすることも大切ですね。

 

 

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