機能解剖学&運動生理学

呼吸器4|酸素の運搬役

赤血球

こんにちは!

imok株式会社

柔道整復師の池田です。

今回は酸素の運搬役についての投稿となります。

今まで、循環器系や呼吸器系の説明で「酸素が組織に運ばれる」や、「動脈が酸素を運ぶ」と説明をしてきましたが、「どちら様が酸素を運ぶのか?」を全く説明しておりませんでした。

今回は、循環器と呼吸器のおさらいとして、そもそも酸素とはどのように運ばれるのかをご説明していきます。

酸素の運搬

結論から申しますと、酸素の運び役は「ヘモグロビン」になります。

ヘモグロビン(Hb)は血液中に存在する細胞成分です。

血液には、血漿成分と細胞成分があり、細胞成分は他には「白血球」や「血小板」などがあり、血漿成分とは「水」や「蛋白質」や「脂質」があります。

ちなみに、白血球とは体の免疫機能に関わり、血小板は出血した時の止血に関わる細胞になります。

赤血球という名前をご存知だと思うのですが、実は赤血球はヘモグロビンで構成されています。

ヘモグロビン自体は、鉄の原子をもつヘムという色素と、タンパク質が結合したものが4個集まったものになります。

酸素は、このヘモグロビンがもつ鉄の分子に結合して、酸素を運ぶことが出来るのです。

つまり1つのヘモグロビンが運べる酸素の数は4つがMAXという事になります。

酸素の運搬力

専門学生の頃、酸素飽和度という言葉を学校で習いました。

中学や高校でも習うのかもしれませんが、当時勉強嫌いな私には、全く記憶に残らない言葉でしたが、今となってようやく興味が持てるようになりました(笑)

酸素飽和度とは、「ヘモグロビンがどれぐらい酸素を持っているか?」という事を指します。

ヘモグロビンはMAXで4つの酸素を持つことが出来ますので、他のヘモグロビン達も酸素をMAX持っている状態なら、酸素飽和度は100%になります。

しかし、血液が身体の中を巡っていく過程で、酸素は組織に分配されていくので、酸素を持たないヘモグロビンが出てきます。

すると、これは酸素飽和度が100%から下がるという事になります。

仮に4つ持つ酸素を、2つ配ってしまったのなら、酸素飽和度は50%です。

ただし、通常ヘモグロビンは4つの酸素を持っている状態か、もしくは1つも持たない状態かが望ましく、1~3個の酸素をもつヘモグロビンは正常ではないようです。

すなわち、酸素飽和度は酸素を運ぶ力を表している数値と言えます。

たくさん酸素を吸うことはいい事なのか?

一般的な酸素飽和度の基準は、97.4%ともいわれています。

喘息などの呼吸器系の疾患があれば、酸素を取り込む量が減少するので、酸素飽和度も減少することになります。

昔、酸素カプセルが流行った時期がありました。

記憶が確かなら、サッカーのイングランド代表のベッカム選手が、怪我の治療に使ったことで脚光を浴びたような・・・

ベッカムヘアも一世風靡しましたが(笑)

特に疾患などなく、酸素を取り込むこと能力に問題がない方であれば、酸素カプセルは、100%まで至らない、2.6%分の酸素を取り込むためのマシンだとも考えられます。

なぜなら、ヘモグロビンによって運ばれる酸素の量は決まっておりますので、酸素飽和度のMAXは100%で、通常であれば97.4%は酸素分圧と考えられるため、最大で取り込めても2.6%という数字になります。

ただし、もともとヘモグロビンの数が少なくて酸素飽和度が低い場合は、酸素をたくさん吸える環境だとしても、意味をなさない可能性がありますね。

次回は、呼気と吸気についてお伝えしていきます!

最後までお読みいただき有難うございました。

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