こんにちわ
少しずつ認知をされる様にはなってきていますが、未だに「ティラピス」とイタリアのお菓子と一緒にされることの多い「ピラティス」
名前だけではなく、ピラティスの効果などについても、誤って認識をされていることが多い為、本日はそうしたピラティスによる姿勢改善の効果について、皆で考えていきましょう
ピラティスによる姿勢改善の誤解
結論から言うと、ピラティスにより姿勢の改善は可能ですが、これは筋肉が鍛えられたから姿勢が改善される訳ではありません
ピラティスに関する様々な記事を見ると、以下の様な説明がほとんどで、どこかの筋肉が鍛えられたり、筋肉のバランスが整った結果、姿勢が良くなる!と説明をされています
- インナーマッスルが鍛えられるから
- 背骨周りの深層筋が鍛えられるから
- 腹筋と背筋のバランスが整うから
しかし、私達は筋力によって身体を固定して保っている訳ではありませんので、筋肉を鍛えて筋力を強化したからといって、姿勢が良くなる訳ではありません
例えば、「キレイな姿勢」としてイメージされる事の多い職業として「モデル」などが上げられるかと思います
最近は、健康を損なわない様に、BMIなどの下限を決めている様ですが、特に女性のモデルさんの多くは、かなり細い方が多いですよね
単純に筋肉の量や強さで言うのであれば、170㎝ 48㎏のモデルの女性と160㎝ 55㎏のオフィスワーカーの女性であれば、後者の方が筋肉量も多い訳です
しかし、筋肉量が多いオフィスワーカーの方が、姿勢が皆キレイなのか?というと、そうではありませんよね
姿勢は無意識にコントロールされている
そもそも、筋肉は単独で収縮をする訳では無く、脳や脊髄と呼ばれる部分から指令がくることによって収縮する様になっています
そして、姿勢も脳や脊髄などの神経系によって、無意識にコントロールをされていて、どちらも大切なのは「脳」なんですね
「五感」という言葉は、ほとんどの方がご存知かと思いますが、人の身体には全身にセンサーが存在し、そのセンサーからの情報が神経を介して脳へと伝わる事で、様々な「感覚」言い換えると「情報」を受け取り、無意識に現在の自分の身体や外部の環境を認識しています
そして、そうした身体の内、外の状態に合わせて、脳幹(中脳、橋、延髄、網様体)や小脳、脊髄と呼ばれる部分を中心に無意識に姿勢をコントロールしています
キレイな姿勢は脳によって創られる
その為、キレイな姿勢を創りたいと思った場合、脳を活性化することが重要になります
そして、脳を活性化する為の1つの方法として「ピラティス」が有効な訳ですね
ピラティスによって筋肉が鍛えられたから、姿勢が良くなっている訳ではなく、ピラティスによって脳が活性化したから、姿勢が良くなっているんです
でも、私ピラティスをやって筋肉が付いたし!と思う方も多いかと思います
もちろん、ピラティスのエクササイズは、全身の様々な筋肉を使いますので、結果として筋肉は付きます
しかし、筋肉が付いたから姿勢が良くなった訳ではなく、じつは筋肉にも「筋紡錘(きんぼうすい)」や「ゴルジ腱」と呼ばれるセンサーが存在しますので、エクササイズを通して全身の筋肉をたくさん動かす=エクササイズを通して全身の筋肉にあるセンサーをたくさん働かせる→脳が活性化するといった感じになっています
更に言えば、ピラティスは、仰向け、うつ伏せ、横向き、四つ這い、片膝立ち、立位などなど、様々な体位でのエクササイズや動きがある為、皮膚に存在する触圧センサーが働いたり、耳の奥にある加速度センサーや回転センサー、関節などの深部にある腕や脚の位置を感じるセンサーなど、様々なセンサーが働き、無意識の内に脳にたくさんの情報を送ることで、脳を活性化しています
ピラティスでキレイな姿勢を創るポイント
今までの内容を実際のピラティスに落とし込み、キレイな姿勢を創るポイントについて考えていくと、以下のことが上げられます
先ずは安全、安心なエクササイズから
いきなり強度や難易度が高いエクササイズを行うとすると、脳は無意識に危険だと判断し、身体を交感神経が優位な緊張モードにしてしまいます
緊張モードになると、身体を反らす様な筋肉にスイッチが入りやすく、かえって悪い姿勢を創り易くなりますので、まずは強度や難易度が低い、安全・安心なエクササイズから始めていきましょう
可能であれば動きのサポートをしてくれる、ピラティスリフォーマーなどを活用したものからスタートするのがおススメです
仰向けやうつ伏せなど地面との接触面積が多いエクササイズから
脳を活性化したり、ストレスレベルの高い現代人の過剰な緊張をとるのに、ハグなどがおススメなのですが、日本において、いきなり見知らぬ人とハグをすることは難易度が高いと思いますので、先ずは「地面とハグ」をするのがおススメです
人の皮膚には、接触や圧迫されているのを感じるセンサーがたくさん存在し、仰向けやうつ伏せなどの、地面と接触をしている面積が多い方が、脳は無意識に自分の身体がどういった状態で、どの様な環境にいるのか?ということを理解しやすくなります
そうした状態の方が、過剰な緊張は抑制され、身体を自由にコントロールしやすくなりますし、たくさんの情報が脳へいくことで、より活性化していきますので、まずは仰向けやうつ伏せ、横向きに寝た状態でのエクササイズから初めていくと効果的です
様々な体位のエクササイズ&バリエーションを行う
仰向けからはじまり、四つ這いや片膝立ちなど、様々な体位でのエクササイズを行う事で、自然と多くのセンサーが働き、脳が活性化をしやすくなります
また、同じ体位で、同じエクササイズをずっと続けていると、運動が自動化されてしまい、そのエクササイズを行う事で、カロリーなどは消費しますが、脳が活性化しにくくなりますので、段階的にエクササイズのバリエーションを増やしていく事が大切です
これは日常生活でも一緒で、いつもと同じ道を通って、駅や職場まで向かったり、いつも同じお店でランチをするのではなく、いつもと違う道を意識的に使ったり、いつもと異なるお店で食事を摂る事で、脳は活性化しやすくなります
ぜひ出来ることから始めてみてくださいませ