機能解剖学&運動生理学

消化器とは② 〜消化管の働き 口腔編〜

口腔内

こんにちは!

柔道整復師

imok株式会社の池田です。

 今回は、消化器のそれぞれの役割についてお伝えしていきます!

簡単におさらいをすると、消化器=消化管+肝臓、膵臓、胆嚢、脾臓のことを指します。

 そして、消化管とは、1本の筒状の臓器であり、各部位によって名前が変わり、役割も変わります。

消化管についてはコチラ

https://imok-academy.com/digestive-organ①

消化管のスタートは口腔となりますので、今回は口腔の働きや役割から見ていくことにしましょう!

口腔の運動

口腔の役割といえば、もちろん歯を活用した「咀嚼運動」になります!

咀嚼とは、「食物を細かくなるまでよく噛むこと」を言います。

 食べ物が大きいままでは飲み込む事が出来ないですし、喉を詰まらせては大変なので、しっかりと咀嚼を行い、飲み込めるサイズまで小さくする必要があります。

 そして、食物を消化する中で唯一コントロール出来るのが「咀嚼」であり、しっかりと噛んで食べ、食物を小さくしておくことによって、お肉やお魚などをはじめとする「たんぱく質」なども胃で消化がしやすくなり、それによって小腸での吸収が行いやすくなります。

 また、咀嚼の際は、口を閉じたり開いたりする咀嚼筋だけが働き、食べ物を咀嚼するわけではなく、舌や頬の筋肉を巧みに使って、歯で細かく切断された食物を必要に応じて喉に移動させたり、まだ小さくする必要があれば、奥歯ですり潰し、更に小さくします。

 その為、しっかりと噛んで食べることによって、三叉神経を始めとする脳神経や脳幹部(中脳、橋、延髄)の活性化にも繋がります。

 上記から、日頃の口腔ケアが重要なポイントとなり、虫歯や歯周病などによって、しっかりと食物を噛んで分解することが出来ないと、その後の胃や小腸、大腸などでの消化吸収にも大きな影響を与えます。

 更には、歯周病によって歯周ポケットが形成されると、そこで細菌が繁殖をする為、食事を摂る度に、大量の細菌を体内に摂り入れることになりますので、定期的に歯医者にて健診を受けることが大切ですね!

口腔内の消化液

口腔内では唾液と食物を混ぜ合わせることで、飲み込みやすくするだけではなく、唾液に含まれる「唾液アミラーゼ」と呼ばれる消化酵素によって、「炭水化物」を分解します。

 唾液が出るところを唾液腺(だえきせん)と呼びますが、口腔内の唾液線は、「耳下腺(じかせん)」、「顎下腺(がっかせん)」、「舌下腺(ぜっかせん)」の主に3つあり、それぞれ自律神経の支配を受けて唾液を分泌しています。

唾液線の種類

主な唾液線は以下となり、唾液は1日に1~1.5l程度分泌されます。

・耳下腺(じかせん):全体の25%の唾液が分泌される。サラサラの唾液

・顎下腺(がっかせん):全体の唾液の70%。

・舌下腺(ぜっかせん):全体の唾液の5%。ムチンが含まれるネバネバの唾液。

 これら唾液線から分泌される、唾液によって嚥下がスムーズに行えたり、口腔内を清潔に保つ事で虫歯や口臭を防いだり、ウィルスの侵入を防いだりと、唾液は多岐に渡って活躍します。

 ちなみに、緊張をした時に口の中がカラカラになった経験はありませんか?

 唾液線は基本的に副交感神経と交感神経によって調整されていますが、副交感神経が優位な時はサラサラした唾液が大量に分泌されるのに対して、交感神経が優位な時は、唾液量が減少し、ムチンを多く含んだネバネバした唾液が分泌されるのです。

 その為、緊張状態の時は、唾液の量が減少をするだけではなく、ネバネバした粘性の高い唾液が分泌されてしまい、口の中がカラカラになってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?

口腔内はただ食べ物を飲み込むだけにあらず、とても緻密で繊細なコンビネーションによって行われているのです。

・口腔では食べ物を咀嚼して飲み込みやすくする

・歯だけではなく、舌や頬の筋肉なども協調して働き、三叉神経をはじめとする脳神経や脳幹の活性化にも繋がる

・日頃から口腔ケアを徹底し、定期的に歯科に行くことで歯周病などを防ぐ

・口腔内は唾液線があり、耳下腺・顎下腺・舌下腺が主にあり、唾液アミラーゼという消化酵素によって炭水化物を分解する

・唾液にはサラサラとネバネバがあり、交感神経が優位な時はネバネバの唾液が分泌される

・唾液は嚥下を助ける以外にも、虫歯や口臭の予防・ウィルスの侵入防止にも役立つ

・初めてのデートは緊張してネバネバの唾液しか出ないので、お水を絶対に用意しておく(笑)

最後までお読み頂き有難うございました!

 

imok株式会社

池田倫大

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