こんにちわ。
私も1日2~3杯程度のコーヒーを飲むくらい、コーヒーが好きですが、コーヒーを飲むことによって、眠れなくなるのでは?と不安に思って、コーヒーを飲まない方も多いのではないでしょうか?
今日は、コーヒーやコーヒーに含まれるカフェインが、睡眠にどの様な影響を与えるかをみていきたいと思います
飲み物のカフェイン含有量
最近では、カフェインが入っていないことを謳ったお茶なども増えてきており、カフェイン含有量を気にされる方も多い事と思います。
日常で私達が口にする飲み物には、どれくらいのカフェインが入っているのでしょうか?
100ml中の値で見ていくと、以下の様な含有量となります。
コーヒー:60mg(インスタントコーヒー:57㎎)
紅茶:30㎎
煎茶:20㎎
ウーロン茶:20㎎
玉露:160㎎
エナジードリンク:32~300㎎(商品によって異なる)
食品安全委員会 資料より引用
https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
一般的なマグカップ150~180mlのコーヒーであれば、カフェインの含有量は100㎎前後となります
デカフェはカフェイン0では無いので要注意
そして、最近はスターバックスなどのコーヒーショップでも、カフェインを気にして「デカフェ」を注文される方もいらっしゃるかと思います。
私も15年前くらいにアメリカのピッツバーグのホテルのコーヒーマシンで、DECAFEなる文字を見て、これはなんだ?と思ったことを今でも覚えていますが、デカフェはカフェインが0という訳ではなく、通常の15~30%程度はカフェインが含まれていますので、1杯辺りで考えると、15~30㎎前後は含まれていますので要注意です!
睡眠と覚醒を決める2つの要素とは
私達が「眠る時間」と「起きている時間」。言い換えると「睡眠」と「覚醒」をどの様に決めているかというと、サーカディアンリズムと呼ばれる、体内にある24時間時計によるものと、睡眠の欲求の強さを「睡眠圧」と言い、脳内に蓄積されていく化学物質の影響によります。
よく、「朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を浴びましょう」なんて言われたりするかと思いますが、私達の体内時計は、ピッタリ24時間という訳では無く、個体差があり、だいたい24時間くらいの為、日々生活を送る中でズレが生じてきます。
そうした体内時計のズレを、朝に太陽の光を浴びることでリセット出来るんですね。こうした体内時計は、全身の細胞に備わっていますが、全体をコントロールするのが、眼球から繋がる神経である視神経が交差をする、「視交叉上角」という場所に、マスタークロックと呼ばれる基準時計があり、目から送られてくる光の情報を元に、調整しています。
またそれ以外にも、食事や運動および仕事やコミュニケーションなどの活動、体温の変化の変化などによっても、調整されています。
通常は夜になり、暗くなると、体内時計の働きにより、メラトニンと呼ばれるホルモンが分泌をされ、このメラトニンの増加が、眠たくなる1つの要因と考えられています。
睡眠のタイプ~朝型と夜型~
こうした24時間時計は、皆が持っているものの、遺伝による個体差。クロノタイプの違いであることが分かってきています。
例えば、朝太陽が昇ると同時に覚醒し、夜早い時間に眠くなる「朝型」タイプの方や、昼くらいに起きてきて、夜遅くに眠たくなる「夜型」タイプの人。そして、その中間くらいの人。
先述の様に、これらのタイプは遺伝によるものであるため、職場の同僚などに、何度言っても朝起きられない人がいたり、午前中はボーっとしている人がいたとしても、それは怠けている訳ではなく、クロノタイプの違いによるものですので、そうした理解を持つ事が、チームワークという観点からも重要かと考えられます。
カフェインとアデノシンと睡眠圧とは
少し前置きが長くなりましたが、人が眠くなる2つ目のポイントは、「睡眠圧」と言われています。
睡眠圧:睡眠の欲求の強さ(眠りたいという欲求)
私達は、起きている間、脳内にアデノシンと呼ばれる脳内物質が溜まっていきます。アデノシンの量が増えるにつれて、「睡眠圧」が強くなり、人は眠りたいという欲求が高まります。
一般的には、12~16時間起きていると、眠気がピークとなり、眠くて眠くて仕方が無いといった状態になっていきます。
それでは、この「睡眠圧」や「アデノシン」とカフェインがどの様に関係するのか?というと、脳の側坐核と呼ばれる場所に、アデノシンを受け取る受容体が存在します。
このアデノシン受容体が、アデノシンを受け取る事で「睡眠圧」が高まる訳ですが、カフェインの化学的な構造がアデノシンと似ている為、カフェインを摂る事で、カフェインがアデノシン受容体とくっ付き、アデノシンが受容体とくっ付く事を邪魔します。
その為、カフェインを摂ると、眠気が抑えられるというメカニズムが、少しずつ分かってきています。
カフェインのピークと半減期とは
体内のカフェインの量は、コーヒーやチョコレートなどのカフェインを含む飲食物を摂取してから、30分後にはピークとなります。
そして大切なのは、カフェインがどれくらいの時間で分解をされるか?ということですが、カフェインは体内での残存時間が長く、一般的に5~7時間が半減期と言われています。
例えば、ランチの後、13時にコーヒーを飲んだ方は、18時から20時くらいになってはじめて、体内のカフェインの量が半分になります。
「睡眠の質を高める為には、14時を過ぎたらコーヒーを飲まない方が良い」などと言われたりするのは、カフェインが体内に残る時間が長く、夕方のコーヒーが夜の睡眠を妨げる可能性が考えられるからなんですね。
カフェインの分解スピードと個体差とは
体内に長時間残存するカフェインは、どの様に分解をされるのか?というと、肝臓から分泌される「CYP1A2」呼ばれる酵素によって分解されます。そして、この酵素によるカフェインの分解スピードは、個体差が大きく、遺伝によって決まっていると言われています。
また、酵素によるカフェインの分解速度は、歳を重ねるほど遅くなると言われていますので、夜に寝付きが悪い方などは、コーヒーなどのカフェイン飲料は午前中までにするなど、自分なりのルールを決めると良いかもしれませんね。
ここまで色々と見てきましたが、カフェインは集中力の向上や運動能力の向上など、プラスの作用もありますので、一概に悪い訳では無く、大切なのは、個体差を考慮した摂り方や摂る量です。
私と同じ様に、コーヒーが好きな方も多くいらっしゃることと思いますが、自分なりにちょうど良い摂り方を見つけ、豊かな毎日を過ごして頂ければと思います。