栄養&消化&免疫

筋トレとタンパク質

プロテイン構造図

ここ数年は、筋力トレブームと言っても過言ではないくらいに注目が集まり、Instagramなどを中心としたSNSでも、トレーニング風景などが多くアップされていますよね

 トレーニングを始めると、食事も気にされる様になり、やはり筋肉を付けるにはタンパク質を摂らなければ!!と、筋トレしてから「ステーキ」などを召し上がる方も多いかと思います

もちろん、タンパク質を意識的に摂る事は大切なのですが、以前も書かせて頂いた様に、大切なのは、ちゃんと消化吸収出来ることです

タンパク質を消化・吸収する為に大切なこと

タンパク質を消化吸収する為に、大切なことは何か?と言えば、以下の2点です

  1. よく噛んで、ゆっくり食べること
  2. 適切に胃酸を分泌すること

1に関しては、子供の頃から「よく噛んで食べましょう」と言われる様に、よく噛むことによって、物理的に食べ物を細かくすることが出来ます

それと同時に、噛むことというのは、消化をする為の準備にも繋がり、よく噛むことで「副交感神経」が優位になり「胃酸」の分泌が活発になります

アミノ酸とペプチドとタンパク質

少し話は変わりますが、私達が普段食べているお肉やお魚を分解していくと、アミノ酸になります。言い換えると、お肉やお魚というのは、アミノ酸が集まったものになります

 一般的には、アミノ酸が2~50個程度集まったものをペプチドと呼び、50個以上のアミノ酸が集まったものをタンパク質と呼びます

細かく分けると、2個のアミノ酸がくっ付いたものをジペプチド、3個の場合はトリペプチド。他にもオリゴペプチドやポリペプチドなどの分類があります。

 お肉やお魚などのタンパク質を吸収する為には、アミノ酸やペプチドにまで分解をする必要があります。それでは、どの様にタンパク質が吸収されるかと言うと、胃の粘膜表面からペプシノーゲンと呼ばれる物質が分泌をされ、このペプシノーゲンが胃酸によって、タンパク質の分解酵素であるペプシンに変化をします

 このペプシンがタンパク質を分解する為、胃酸が適切に分泌をされていないと、タンパク質を消化・吸収することが出来ません

交感神経優位な緊張モードは胃酸が減少する

私達が胃酸を分泌する為には、「副交感神経」が働くことが大切です

 交感神経が優位な緊張モードでは、胃酸の分泌が減少する為、タンパク質を摂る事を日頃から意識し、「ゆで卵」や「サラダチキン」などを、日々の昼食にプラスして食事を摂ったりしているけれど、仕事をしながらの「ながら喰い」だったり、ものの5分でかき込む様に食べていたりすると、タンパク質を摂っているけれど、上手く消化吸収出来ていないなんてことになりがちです

その為、リラックスした環境で、ゆっくりと、よく噛んで食べることで、副交感神経が優位になり、胃酸を適切に分泌することがポイントです

 胃や小腸で分解、吸収が上手く出来ていないと、大腸で悪玉菌の餌になってしまいますので、日ごろのウンチが黒い方などは、悪玉菌が多くなっている可能性が高い為、お気を付けください

お水の飲み過ぎに要注意

また、食事の際に気を付けた方が良いポイントは、お水の飲み過ぎです

 お水をたくさん飲んだ方が身体に良いと思い込んで、食事中に3杯、4杯とお水をたくさん飲む方がたまにいらっしゃいますが、食事中に関しては、お水を摂り過ぎてしまうと胃酸が薄まってしまい、上手くタンパク質を消化吸収出来なくなってしまうこともあります

 逆に、お魚やお肉にレモンを絞ったり、合間に梅干しを食べたりすると、胃酸の分泌を促進してくれますので、上手く食事にとりいれられると良いですね

筋力トレーニングとタンパク質

定期的な筋力トレーニングとタンパク質の摂取は、筋肉を創る上で重要なポイントです

しかし、どれだけトレーニングをしたり、意識的にタンパク質を摂ったりしていても、それが消化吸収されていなければ、筋肉の材料にはなれませんので、効果的に筋肉を成長させることは出来ません

 ぜひ、ただタンパク質を摂るだけではなく、リラックスしながら、しっかりとよく噛んで食べることで、適切に胃酸を分泌し、タンパク質を消化吸収していきましょう