栄養&消化&免疫

異物から身体を守る免疫システム

こんにちは。
imok株式会社の千野ひとみです。

今日は、ケガや病気が治るシステム(=免疫)についてお伝えしていきます。

ケガや病気の治癒は炎症から始まる

例えば、ケガをした場合、組織が赤くなり、腫れて熱を持ち、痛むようになりますよね。
こういった状態を【炎症】と言います。
炎症の初期に見られる特徴的な症状は、発赤、腫脹、熱感、疼痛の4つです。

ケガをすると、まず血管が広がり、ケガをした箇所への血流が増えます。
そして、血管の壁が緩くなって漏れやすくなると、生体防御に必要な細胞や物質が血管内から炎症箇所へと漏れ出して溜まり込み、異物を排除するのに役立ちます。

炎症は、身体に起きた異常に対処する、正常な反応なんです。
炎症が起こることで異物が追い出され、傷付いた細胞が修復され、元の状態に戻ります。

また、腫れや痛みがあることで、運動を制御させ、組織を休ませることにもつながります。

白血球

免疫システムで、大きな役割を果たしてくれるのが白血球です。
炎症を起こしている組織を顕微鏡で見てみると、たくさんの白血球が、血液から組織に流れ込んでいるようです。

白血球には多くの種類があり、それぞれ機能が異なります。

細菌が体内に入り込んできた時、真っ先に血管から漏れ出して現場に駆け付けるのが、好中球です。好中球は、細菌などの異物を自ら食べて(貪食という)、死滅させます。傷口にできる膿は、この好中球の死骸です。

そして、白血球の中で最も大きな単球は、炎症により活性化し、マクロファージや樹状細胞となり、好中球と同じように細菌を食べます。そして、マクロファージや樹状細胞は、他の細胞に応援を呼ぶことも行います。

さらに、がん細胞を殺してくれるナチュラルキラー細胞(NK細胞)。ナチュラル、つまり何もしなくても自然に相手を殺すことが出来る細胞です。ただし、自分自身や仲間は殺すことはありません。

その他にも、たくさんの白血球が免疫に関わっています。

情報連絡物質「サイトカイン」

炎症が起きた時には、ケガを治すために多くの細胞が協力して働きます。
そのため、白血球などの免疫細胞から【サイトカイン】という情報連絡物質が放出されます。
サイトカインとは、ごく少量のたんぱく質で細胞間の情報伝達を担い、このサイトカインが放出されることにより、ケガは治癒に向かいます。

白血球からサイトカインが作られ、分泌されると炎症反応が起きます。組織の損傷や感染の拡大を防ぐ正常反応です。

このサイトカインにも様々な種類があり、炎症のアクセル役とブレーキ役が存在します。炎症反応を引き起こすIL-6やTNF-α、炎症終息への役割を果たすIL-4やIL-10などが存在します。
アクセル役のサイトカインが働くことにより傷口が炎症、終息へ向かい、ケガの治癒となります。ですが、アクセル役が過剰にならないように、ブレーキ役であるサイトカインの役割も必要不可欠です。
もしブレーキ役が働かない場合、炎症が終息せずに、自らの細胞を攻撃し、その炎症が全身へ広がるといった状態に陥ってしまいます。

炎症のアクセル役 IL-6(インターロイキン6)、TNF-α
炎症のブレーキ役 IL-4、IL-10

 

さらに、腸内環境の悪化や肥満などは、自覚症状のない炎症であり、長期間に渡って炎症が続きやすい状態です。こういった炎症をできるだけ早く取り除くことが重要であり、そのためには食生活の改善が必須となります。細胞の機能を低下させることなく、正しく働ける状態にしておくことが、免疫システムの正常化につながります。